イギリス政府が発表したペット可賃貸住宅推進の家主向けガイダンス

イギリス政府が発表したペット可賃貸住宅推進の家主向けガイダンス

イギリス政府の住宅関連の省庁がペットの飼育OKな賃貸住宅契約の推奨モデルとガイダンスを発表しました。その内容をご紹介します。

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イギリスでもペット可の賃貸住宅はなかなか見つからない

PCを叩く女性と黒ラブ

転勤や結婚などで引っ越しが必要になった時、ペットを飼っている人がペット可の賃貸物件を探すのに骨を折るという話はたくさん耳にします。

どうしてもペットと住める物件が見つからず、泣く泣くペットのための里親探しをすることになってしまうという悲しい話も珍しくありません。

これは日本だけのお話ではなく、世界の大きな都市では似たような事情のところが多いようです。

イギリスもそのひとつで、ペットフレンドリーを謳っている民間の賃貸住宅は全体の7%程度しかないとも言われているそうです。

しかしイギリスでは、そんな風潮が少し変わるかもしれない政府からの発表があったそうです。

ペット可の賃貸物件を増やすために政府が発表したこと

引っ越しの荷物とジャックラッセル

ペット可の賃貸住宅の現状は、上記のようなイギリスで、1月下旬に政府の住宅関連の省庁から民間の賃貸住宅の契約時の書類等の推奨モデルと、そのガイダンスが発表されました。

省庁の公式サイトからダウンロードしてそのまま正式な契約書類として使えるその書式は、住居を借りる人がペットを飼うことがデフォルトになっています。

そして、この欄にペットを飼うことの必要事項を記入して提出し、家主がそれを望まない場合には、家主は28日以内に正当な理由を明記した文書を返信しなくてはいけないと記されています。

これは法的な規制ではないのですが、政府がこのような姿勢を明確にすることで、家主が問答無用でペットの飼育を全面的に禁止しにくくする狙いがあります。

もちろん、非常識な飼育をする飼い主から家主の不動産を保護することも考えられており、借主、ペット、家主全ての福祉を目指すものです。

動物保護団体の反応と、この発表の背景

保護施設の哀しげな犬

イギリスを代表する動物保護団体である英国王立動物虐待防止協会やバタシー・ドッグス&キャッツホームでは、政府のこの姿勢を大きく歓迎しています。

ペット可の賃貸物件を見つけられないというのは、このような団体に犬や猫が持ち込まれる理由の第2位というくらい大きな問題だからです。

英国ケネルクラブの広報責任者も、「責任ある飼い主を政府が支援するという明確な姿勢は、動物福祉の改善にもつながる」として歓迎しています。

この発表の背景には、昨年秋に賃貸住宅のペット禁止のルールを法的に制限する法案が提出されたことがあります。

今回は法令にするまでには至りませんでしたが、法案を提出した議員は今後さらに法の実現に向けて活動を続けると述べています。

ペットと暮らす家が見つけられないせいで、保護施設に動物が溢れてしまったり、ひどい場合にはホームレスになってしまう人が増えることは社会にとって大きなマイナスです。また、コロナ禍の中にあっては、ペットは人々を孤独から救い、心身の健康を助ける役目も担っているとされています。

イギリス政府は、ペットと暮らせる賃貸住宅を支援するという姿勢を見せることで、社会的な問題に一歩踏み込んだと言えます。

まとめ

ソファーでくつろぐビーグル

イギリス政府の住宅相が、ペット可の賃貸住宅契約の推奨モデルとガイダンスを発表したという話題をご紹介しました。

飼育できずに手放されるペットを減らして無理のない終生飼養を実現するためには、個人の努力や業者の規制の他に、社会的な環境を整えることも大切なのだということがよく分かる話です。

イギリスでも法令になっているわけではありませんが、政府の姿勢が明確に分かるというのは羨ましい気がします。

《参考URL》
https://www.bbc.com/news/uk-politics-55844950

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