『犬の介護に役立つ本』について
この本の概要
この本には、実際に犬の介護に直面した著者である高垣さんが、本当に犬の介護に何が大事なのか、どんな知識が必要なのかということが書かれた本です。
何が大事なのか、それは人それぞれ違うことかもしれないけれど、愛情を持って一緒に暮らしてきた犬が突然介護が必要になった時、本当に必要なのはこの犬にかけてあげれる「時間「お金」「労働力」が必要だとこの本には書かれています。
獣医師監修のもと作成された「犬の介護に役立つ本」の著者である高垣育さんは、「てん」というゴールデンレトリバーと出会い、共に暮らし、介護に直面したことで分かった、自分の知識のなさと不甲斐なさの後悔からこの本を書いたのだそうです。
高垣さんは、介護が必要になる前、てんの体の異変に気が付けなかったことや、介護が始まってトイレが思うようにできなくなり、粗相をさせてしまったことなど、介護には今までの愛犬には起こり得なかった出来事が次々に起こることを警鐘しています。
私も犬を飼っている身なので、自分のことに置き換えてみて考えました。
『今は私の犬も元気でいてくれているが、いずれは高垣さんのてんのようなことがうちの犬にも起こりえるんだ』
『その時が来てしまった時、一体どうなってしまうのだろうか』
『愛犬がある日突然、昨日までできていた事ができなくなるという状況に耐えられるのだろうか』
など、様々な思いがこみ上げてきました。
しかし、それと同時に、
「私はこの子にしっかり最後まで介護してあげたい。最後まで尽くしてあげたい。」
そう思えたのです。
現在、犬は本当に長生きになり、犬を介護する確率もかなり高くなっています。
そしてそれは、ある日突然やってくるのです。
いつか来る犬の異変。
それを犬が元気なうちから学ぶ必要があるのではないでしょうか。この本はそんなことが学べる、犬生に必要な本です。
この本を書くきっかけになった、愛犬「てん」に起こった事
高垣さんの愛犬てんに異変が起きたのは、てんが13歳を迎えたある日のことでした。動物病院での定期検診を受けたところ進行性の肺がんが見つかったのです。
思い起こせば、お散歩の時に途中で立ち止まってしまったり、呼吸が苦しそうでぜいぜいしていることがあったそうです。でも、年だからと思いそれほど気に留めていなかったとのこと。
それからてんの介護生活が始まりました。
足はしっかりしていたので最後まで歩くことができたのですが、一番困ったことが、「トイレ」でした。
てんは家の中でトイレをする習慣がなく、外でいつもしていたため、介護生活になってからも外でのトイレを余儀なくされました。体がどんどん衰えていったため、外に出す前に粗相をしてしまうことも多く、これが本当に大変だったと高垣さんは言います。
このように、犬の介護は思わぬところで困難が生じることがよく分かりますね。普段から、もし介護になった時の意識をしながらしつけなどに励んでいくのが大切なことなのです。
犬を愛するとは最初から最後まで尽くし愛すること
この原稿を書くにあたり、私はまず「犬の介護に役立つ本」の紹介記事を読んだのですが、読み終わった頃には涙が止まらなくなっていました。
この紹介記事を書いたフォトジャーナリストの、内村コースケさんも自身のフレンチブルドック「ゴースケ」を肺炎悪化のため11歳で亡くしており、「犬の介護に役立つ本」に対しての思い入れは人一倍感じられています。
内村さんは、愛犬の急変に早く気づいてあげれなかったこと、看取ってあげれなかったことについて深く拭うことのできない後悔を述べています。それはきっと私の想像を超えているもので、当事者ではないとその本当の辛さや後悔の念はわからないことだと思います。
私自身も結婚するまで共に暮らした実家の猫を13歳で今年の6月に亡くしました。
私は結婚して別の場所で暮らしていた事もあり、頻繁に様子を見てあげることができずそれどころか、私の自宅で飼っている犬のことばかりに気を取られていて、猫の事を気に止めることが減っていました。
もちろん、実家に顔を出した時はなでたり話しかけたりということはしていたのですが、年だからと異変に気づいてあげることができませんでした。
何度か気になる症状があったのですが、実家で飼育しているのだからと距離を置いてしまっていたのです。そして気づいた時には手遅れでした。この後悔は一生消えません。
内村さんも、高垣さんもこのような後悔の念から今に至っているのです。
お二人共その後悔を無駄にしないよう、少しでも介護について飼い主さんが考え、知識を得て欲しいということを訴えているのです。
私も実家の猫の死を無駄にしないよう、愛犬に尽くし、最後の時を迎えるまでの介護ができるように、学んでいこうと思わずにはいられません。
まとめ
人間の数倍の速さで成長し生きている、犬の介護はある日突然やってくるものです。
昨日まで普通の生活をしていたのに、急に悪くなることもあれば、徐々に体の自由が利かなくなったりなど、犬によって症状は様々です。しかし、ここで肝心なのがきちんとした犬の「介護の知識」です。
なんとかできるだろうとういう安易な考えでは後々大変なことになってしまいますし、犬も悲しい思いをしてしまいます。
そうならないためにも事前に犬の介護の知識を増やし、心構えをし、愛犬の介護の日に備えましょう。そして最後は静かに穏やかに送ってあげたいものです。
後悔のない最後まで尽くせる介護をしてあげてください。
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