犬と飼い主のアレルギー症状に関連する微生物についての研究

犬と飼い主のアレルギー症状に関連する微生物についての研究

飼い主がアレルギー症状に悩まされている場合、愛犬もアレルギーを起こす可能性が高いことが分かっているそうです。人と犬のアレルギー疾患に体の微生物叢が関連しているかどうかについて研究結果が報告されました。

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都市環境と農村地域、犬と人のアレルギー発症リスク

体を掻くラブラドールの子犬

以前に発表された調査によると、農村部に住んでいる犬とその飼い主は都市部に住んでいる犬や人に比べてアレルギー性疾患を発症するリスクが低いのだそうです。

また飼い主がアレルギー性疾患に苦しんでいる場合、その愛犬もアレルギーを起こす可能性が高いことも分かっているそうです。

これら以前の研究はフィンランドのヘルシンキ大学とフィンランド環境研究所そしてフィンランド保健福祉研究所の共同研究プロジェクトです。同プロジェクトの新しい研究では、犬と飼い主の両方にアレルギーが発症する場合、両者が共有する腸内または皮膚の微生物が関連しているかどうかが調査されました。

犬と飼い主の皮膚と腸内に住む微生物を調査

フィニッシュラップフント

この調査には農村部と都市部の環境に住む168匹の犬とその飼い主のペアが参加しました。

犬の条件の幅を狭くするために、犬種はフィニッシュラップフントとラブラドールレトリーバーのみ、2012年または2013年に生まれた同腹犬が採用されました。これらの犬のブリーダーおよび子犬の譲渡先の飼い主が人間のサンプルとなりました。

皮膚の微生物叢は人間の前腕部と犬の前脚の内側を綿棒で拭って採取したサンプルが使用され、腸内微生物叢は人と犬それぞれに便のサンプルを採取して使用しました。

研究チームは、アレルギー性疾患発症リスクの低い農村部の生活環境では、犬と飼い主の両方が健康を促進する何らかの微生物に接していると仮説を立てました。

生活環境の違いと微生物叢の違い

都市の街の中を散歩する犬と女性

採取されたサンプルを実際に比較して行くと、人間の場合も犬の場合も接している微生物が農村部と都市部という生活環境の違いで異なることが分かりました。

農村部の環境では都市部よりも皮膚の微生物叢が多様性に富んでいました。研究者は多種多様な微生物への曝露が、アレルギー疾患は発症率が低いという健康上の利益をもたらしている可能性を指摘しています。

都市環境は犬と人間の両方の皮膚微生物叢を均質化することも分かりました。これは都市部の人や犬でアレルギー疾患が多いことと関連する可能性を示しています。

また犬と飼い主は、皮膚の微生物叢は共通していましたが、腸内の微生物叢は共有していませんでした。このことから生活環境の違いは腸内の微生物に対してはそれほどではないが、皮膚の微生物叢には著しく大きな影響を与えることが示されました。

研究者は分析の結果から、犬と人間は同じ危険因子に反応してアレルギー疾患を発症しやすいと結論付けています。ただし犬のアレルギーに関連する微生物と人間のアレルギーに関連する微生物は異なっていたということです。

まとめ

羊とピレニアンマウンテンドッグ

犬と飼い主のアレルギー疾患の発症には生活環境の違いが関連しており、農村部の環境では皮膚の微生物叢の多様性が高くなることがアレルギー発症リスクを低くしている可能性が示されたことをご紹介しました。また生活環境の違いは腸内微生物叢にはあまり影響を及ぼさず、皮膚の微生物への影響のみが大きいことも分かりました。

アレルギーの発症は様々な要因が複雑に絡み合っていることが多いものですが、こうして1つずつ原因や関連性が明らかになって行くのは心強いことですね。

《参考URL》
https://www.nature.com/articles/s41598-020-79055-x

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