ドイツの「犬のための法案」には参考にしたい点が沢山あります

ドイツの「犬のための法案」には参考にしたい点が沢山あります

ドイツで発表された「犬法」の新しい案が話題になっています。散歩の時間ばかりに注目が集まっていますが、参考にしたい点が沢山あるので詳しい内容をご紹介します。

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ドイツの新法では1日2回1時間の犬の散歩が義務になる?

飼い主と散歩中のジャーマンシェパード

先ごろドイツの農業大臣によって発表された「犬法」の新しい案が、ドイツ以外の各国でも話題になっています。メディアなどが大きく報道しているのは「新しい法案では最低1日2回、合計1時間の犬の散歩が義務付けられることになる」というものです。

しかし、これはセンセーショナルに人目を惹くことを狙った不正確な表現です。おそらく来年1月には実現されると見られているこの法案が意図するのは、犬の福祉を確実に保証し、犬の生活を改善することです。日本でも動物愛護法の数値規制が話題になっている今、この法案の具体的な内容には参考になる点がたくさんあります。

家庭で飼われている犬の福祉を守るためのルール

鎖で繋がれた犬

話題になっている「1日2回1時間の散歩の義務」ですが、実際には「不適切な飼育条件を回避するために、犬の飼育に必要な件」として定められた次のような項目の一部です。

  • 犬を長時間鎖でつないで飼うことを禁止する
  • 犬を1日中犬舎に閉じ込めておくことを禁止する。具体的には最低1日2回、合計1時間は犬舎の外に出る時間を設ける。

「犬舎の外に出る時間」の内容は、散歩でも良いし庭に出すのでも良いとされています。犬を犬舎の外に出す目的は、犬が適切な運動と環境的な刺激を持つことができるようにというものです。

ドイツ国民の間でも、メディアの報道の仕方のせいで「警察が一軒ずつ見回って、犬を散歩に連れて行ったかどうかチェックされるのだろうか?」と不安になっている人もいるそうですが、政府広報はそのようなことはまずあり得ないと述べています。

ドイツ農業大臣は「ペットは抱っこして可愛がるだけのおもちゃではありません。この法案は、動物が何を必要としているのかを考慮して適切に与えるためのものです」と付け加えています。

犬のブリーディングについての規制

耳と尾を短く切ったドーベルマンの立ち姿

各国のメディアでは散歩のことばかりが取り沙汰されていますが、この法案のメインは犬の繁殖に関することです。

苦痛を伴う身体的特徴のある犬の出展禁止

犬に苦痛を強いることになる身体的な特徴を持つ犬をドッグショーなどに出展することを禁止するというものです。このような犬を作り出すことで利益を得ることを禁止し、これらの特徴を持つ犬の需要が増えることを防ぐことが目的です。

具体的には犬の耳や尻尾を短く切るドッキングを施された犬、特徴的な外見を作り出すために正常な身体機能を損なうような選択繁殖から生まれた犬は、ドッグショーに出場することができないということです。

身体機能を損なう外見とは、ブルドッグやパグなど、呼吸に問題が生じるような鼻ぺちゃ顔を作り出すこと、シャーペイなど皮膚炎の原因となる過剰なシワなどが挙げられます。

商業的な犬の繁殖施設での飼育要件の厳格化

商業的な犬の繁殖施設では、管理者一人が世話するのは最大で母犬3匹とその子犬たちのみとされます。また、生まれた子犬には毎日最低4時間は人間の手によって世話をする時間を与える必要があります。これは子犬の社会化が目的で、商業的および個人ブリーダーの両方に適用されます。

まとめ

黄色をバックにした3種の犬の顔

ドイツで新しく発表された犬の飼育に関する法案の内容についてご紹介しました。法案は2021年初めには正式に法律になる可能性がありますが、可決された場合に実施するかどうかはそれぞれの州に委ねられます。この辺りは日本とは制度が違うところです。

犬の福祉を確実に保証するために、犬を犠牲にして利益を得ることをストップするという点は大いに賛同したいですね。日本も同じように真似をしようと言うのではなく、日本の現状や将来の改善を考えるときに、諸外国がどのような策を取っているのか知っておくことが大切です。

《参考URL》
https://www.bmel.de/SharedDocs/Meldungen/DE/Presse/2020/200817-tierschutzhundeverordnung.html
https://thebark.com/content/new-dog-walking-law-raises-hackles-germany

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