問題行動のあるペットと暮らす飼い主へのアンケート調査結果

問題行動のあるペットと暮らす飼い主へのアンケート調査結果

行動に問題のあるペットと暮らす飼い主はどんな経験をして、どんな感情を抱えてきたのか、インターネットアンケートが行われ、その結果が発表されました。その内容と解決方法の未来についてご紹介します。

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問題行動のあるペットと暮らす飼い主の調査

吠える犬を抑えようとする男性

犬や猫と暮らすことが、身体面でも精神面でも健康を増進するとか、子供の社会的な発達に良い影響があるといった、ペットを飼うメリットについては長年に渡って数多くの研究が行われ論文が発表されています。

しかし実際にペットを飼うことはプラス面だけでなくマイナスの面もたくさんあります。最近になって、慢性疾患や重篤な病気のペットの介護が飼い主に及ぼす心理的負担や感情についての研究がいくつか発表されています。

では身体的には健康ではあるが行動に問題の多いペットと暮らしている飼い主の負担についてはどうでしょうか?これはほとんど研究や調査が見当たりません。

犬や猫の問題行動が、当の動物に及ぼす影響については研究が行われていますが、人間に関する研究は行われていないのが現状です。

そこで米国シカゴのソーシャルワーカーとイリノイ大学獣医学部の獣医行動学者が、問題行動のあるペットと暮らす飼い主について、研究すべき点は何なのかを調査するためのアンケートを実施しました。

アンケートの参加者と概要

ソファーを破壊したシュナウザー

アンケートの回答者はSNSを通じて募集され、犬の飼い主37人、猫の飼い主1人、犬と猫の飼い主1人が参加しました。彼らは現在行動上の問題を持つペットを飼っている、または以前に飼っていた人たちです。

参加者はペットの行動が自分の生活にどのように影響したかに関するオンライン調査に回答しました。行動上の問題として挙げられたのは、過剰な吠え行動、遠吠え、家具の破壊、留守番中のトイレの粗相、過度の恐怖感や不安感、他の人や動物への攻撃などです。

参加者のほとんどが犬の飼い主なので、犬と暮らしている人なら大なり小なりこれらの問題について「なるほど」と思われることでしょう。しかし、飼い主の日常生活に支障を来すほどの問題と、飼い主の感情とはどのようなものだったのでしょうか。

浮かび上がった4つのテーマ

頭を抱えて悩む女性

集計された回答は、以下のような4つのテーマに分類できることが分かりました。

ペットの世話が日常生活に及ぼす影響

ほとんどの飼い主は、ペットの行動のために日常生活が犠牲になったと答えています。
具体的には

  • 犬のトレーニングに大きく時間を取られる
  • 犬の問題行動を解決するための専門家に高額な費用がかかる
  • 犬の攻撃行動を常に警戒する必要がある
  • 分離不安が酷すぎて外出ができない
  • 犬の行動が原因で友人を失った

ペットの行動に対する感情

ペットの行動上の問題を解決するために、お互いの絆が強くなったというポジティブな感情も一部ありましたが、ほとんどは否定的な感情を報告していました。

  • 犬の攻撃的な行動について、悲しさ、イライラ、恥ずかしさを感じた
  • 自分の犬に対していつも警戒していなくてはいけないことについての消耗
  • いつも心の奥に「安楽死」の可能性がちらつくことについての苦痛

困難な生活への対処方法

ペットへの対処方法ではなく、上記のような生活上の困難やネガティブな感情について、どのように対処したかについての回答です。

  • 問題も含めて、それが愛犬の一部であると受け入れた
  • おしゃべりや深呼吸で気を紛らわす
  • 他の人がどう思うかなど気にしないようにする
  • サポートグループ、行動治療の獣医師、専門のトレーナーとのつながり

対処方法の中で、最も重要で飼い主の支えとなったのは最後に挙げた、ペットの行動を理解している人とのつながりでした。

サポートの欠如

生活への対処方法では、理解ある人からのサポートが最も重要だと考えられました。裏返せば、サポートの欠如は飼い主にとって最大の問題でした。

  • どこに助けを求めれば良いかわからない
  • 身近な人には「たかがペットの問題」と深刻さを理解してもらえない
  • ペットまたは飼い主自身が他者から非難される

こうして具体的に挙げられた、困難なペットの飼い主が抱えるストレスは、問題解決のために何を改善して行くべきかの大きな指針となって行くと思われます。

動物の行動治療という分野の周知、飼い主のためのカウンセリング、動物の医療と行動の専門家と人間のメンタルヘルスの専門家の協力などが今後のテーマとして考えられます。

まとめ

飼い主の手に鼻でタッチする犬

行動上の問題を持つペットの飼い主へのアンケートから、今までなかなか表に出ることがなかったペットとの生活のネガティブな問題点についての調査結果をご紹介しました。

動物の行動治療はアメリカでも、まだ広く知られている分野ではありません。扱いの難しいペットの飼い主のカウンセリングというのも、専門家を見つけるのは困難でしょう。

それだけに、こうして問題点を明らかにして行き、現在は点でしか存在していない解決方法を線でつなぎ広げて行くことが重要です。

飼い主へのサポートは動物の飼育放棄や安楽死を防ぐためにも大切です。研究は始まったばかりですが、ペットと人間両方のために期待を持って注目したいですね。

《参考URL》
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1558787820300356
https://www.psychologytoday.com/us/blog/animals-and-us/202008/the-problem-loving-pets-behavior-issues

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