パンデミック下で米国の盲導犬育成団体が子犬達のために工夫していること

パンデミック下で米国の盲導犬育成団体が子犬達のために工夫していること

盲導犬候補の子犬を育てるパピーウォーカーはボランティアの仕事ですが、アメリカの盲導犬育成団体がパンデミックの中で実行している様々な工夫をご紹介します。

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パンデミックは盲導犬候補の子犬たちにも影響

イエローと黒のラブラドールの子犬

目の不自由な方をサポートする盲導犬たちが本格的な訓練を受ける前の1年余りの時間は、パピーレイザーと呼ばれるボランティアの家庭で育てられます。
(日本ではパピーウォーカーという呼び方がよく知られています。アメリカではパピーレイザーと言います。)

しかし現在世界中で拡がっている新型コロナウイルス禍は盲導犬育成のためのパピーレイザープログラムにも影響を及ぼしています。盲導犬の育成を行い、アメリカおよびカナダの目の不自由な方々に無料で盲導犬を提供しているチャリティ団体ガイドドッグズオブアメリカは、このパンデミックの中でも様々な工夫で子犬たちを無事にボランティアの家庭に送り出すべく工夫をしています。

子犬の受け渡しはドライブスルー方式で

車窓から顔を出すラブラドールの子犬

生後8週を迎えた子犬たちは母犬の元を離れて、パピーレイザーのボランティア家庭へと送り出されます。通常は、子犬を引き取る家族が一同に介してちょっとしたセレモニーと共に子犬たちが預けられていきます。しかし大勢の人が集まることはウイルス感染のリスクがあるため避けなくてはいけません。そこでガイドドッグズオブアメリカは同団体のパーキングエリアにおいてドライブスルー方式を採ることにしました。

マスクと手袋を着けた団体の職員の方が、自動車の窓からボランティアの人に子犬を渡します。子犬を受け取った家族の皆さんもマスクをしているのですが、それでも全員が笑顔になっているのがはっきりと伝わって来ます。

こちらは地元ローカルニュースで紹介された子犬引き取りの様子です。

子犬たちのトレーニングも一工夫

ハイタッチをするラブラドールの子犬

子犬を引き受けたボランティアの人々は、適切なトレーニングのために定期的にグループトレーニングのクラスに出席することになっています。しかしこれも今は無理ですので、同団体はオンラインクラスでのトレーニングを実行しています。

この時期はできるだけたくさんの人や犬と触れ合う社会化が重要なのですが、それもパンデミックの影響下では難しいので、代わりの策がオンライントレーニングを通じて授けられます。何より大切なのは、子犬たちが愛情を受けて幸せであると感じ適切なトレーニングを受けることです。家庭犬の子犬を育てている方にも通じることですね。

子犬たちは生後16ヶ月になると、団体の施設に戻り盲導犬になるための本格的な訓練が始まります。ボランティアの人々にとって1年以上を一緒に暮らした子犬との別れは辛いものですが、多くの人が辛さと同じくらいのやり甲斐と満足を感じると述べています。

まとめ

盲導犬として働くゴールデンレトリーバー

アメリカの盲導犬育成団体が新型コロナウイルス禍の中で、子犬をボランティア家庭に引き渡したり、トレーニングクラスの方法などに工夫を凝らしているという話題をご紹介しました。
パンデミックに影響されたという話題は、どうしても気が滅入りがちなものが多くなってしまいますが、中にはこんな風に思わず笑顔になるようなものもあってホッとしますね。

《参考URL》
https://www.nbclosangeles.com/news/local/puppies-guide-dogs-gda-california-coronavirus-covid-19-volunteers/2357330/
https://www.guidedogsofamerica.org

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