人が幸せを感じる要素
私たちが「幸せだ」と感じることは色々な要素が組み合わさっています。個人的に何も困っていることはなくても、暗いニュースや不安な情報を見聞きすると心の幸福度が低下するとか、とても大変な状況にあっても心温まる光景に出くわして元気が出てくるなどは覚えのある方も多いのではないでしょうか。
アメリカのメリーランド大学の研究者がツイッターの投稿を通じて人が感じる幸福度に変化があるだろうか?というリサーチを行い、面白い結果を発表しました。
幸せ度を測定するアンケートと3種類のツイート
リサーチには1880人の人が参加しました。全ての参加者は最初にPEECEと呼ばれる幸せ度を測定するアンケート形式のテストを受けました。
このテストは「私は◯◯だと感じている」と表現される12種類の状態について「1=全くそう感じない」から「5=非常にそう感じる」までの5段階で今の自分の感じを評価するというものです。
◯◯に入るのは「リラックスしている」「評価されている」「安全」「穏やか」「笑顔」「活力に溢れている」「満足している」「感謝している」など幸せ度に関連する状態の表現です。回答者の幸せ度は全ての回答の数値を平均して算出されます。
次に参加者は無作為に3つのグループに分けられました。【グループ1】はツイッターでたくさんの「いいね」やリツイートを集めた面白く笑いを誘うようなツイートの色々を5分間読みました。【グループ2】は同じくツイッターに投稿された可愛い犬の画像の数々を5分間見ていきました。【グループ3】はトランプ大統領のツイートを5分間読みました。
それぞれのグループは他のグループの条件を何も知らされていません。5分間それぞれの種類のツイートを見たり読んだりした後に、参加者は再度先ほどと同じPEECEのテストを受け幸せ度に変化があったかどうかが確認されました。
3つのグループ全てに幸せ度の変化があった!
2回目の幸せ度のテストは、3つのグループ全てにおいて大きな変化がありました。トランプ大統領のツイートを読んだ回答者は、幸せ度が大幅に低下していたことが確認されました。
念のため回答者がトランプ大統領を支持しているか不支持なのかを調べたところ、両方のグループで幸せ度の低下が見られました。トランプ大統領のツイートは怒りの感情が多く現れているため、彼の支持者は彼と同じ怒りを感じ、不支持の人はそのツイートの内容に怒りを感じるため、幸せ度が低下したのではないかと推測されます。
面白く笑いを誘うツイートと、可愛い犬の画像を見たグループはどちらも幸せ度がアップしていました。犬の画像を見たグループは幸せ度がより大きく上がっていたことも分かりました。
この研究者の以前のリサーチと合わせて、犬など可愛いものを見ることは短期的および長期的両方の面でメンタルヘルスに良い影響を及ぼすという結果が示されたということです。
まとめ
面白いツイートや可愛い犬の画像を見ることが幸せ度を上昇させること、中でも犬の画像は大きく幸せ度をアップさせたというリサーチ結果をご紹介しました。
不安やイライラ、怒りを感じることの多い昨今ですから、これは多くの人が覚えておきたいことですね。仕事や勉強の合間の息抜きにSNSを覗いてみるという方は多いと思いますが、罪のない笑いや可愛い画像は幸せ度をアップさせメンタルヘルスをサポートしてくれるようです。
反対に気分が落ち込んだり腹が立つことがあった時には、たとえ賛同するものであっても怒りや悲しみを誘うものは避けたほうが良さそうです。
ネガティブな情報でもどうしても知っておかなくてはいけないこともたくさんありますので、自分の心のバランスを取り戻す簡単な方法を知っておくことは大切です。
いつもそばに可愛い犬の画像を持っておくことが心のお守りになると考えると嬉しくなりますね。
《参考URL》
http://www.cs.umd.edu/~golbeck/papers/wellbeing.pdf