まるで犬の妖怪
通報・発見
ロスアンジェルスの保護団体HOPE FOR PAWS に、こんな写真と共に、保護依頼のメールが届きました。これは…柄の取れたモップ?妖怪?いえ、もちろん、犬です…たぶん。
現場まで、車で2時間半。到着しました。
保護
依頼主は、2年以上もこの犬「アビー」に食べ物を与えていたけれど、1度も触ったことがないそうです。
いた。住宅街の道路の真ん中に、モップの妖怪みたいなアビー。さて、どうつかまえる?
ところで保護団体リーダーのエルダッドさんは、保護活動の際いつも、その場に居合わせた人に大きな声でフレンドリーに「こんにちは!(Hello there, how are you?)」とあいさつします。そして犬の保護です、と説明もします。怪しまれるとやりにくいですからね。他人の庭に入り込むこともしばしば。そんな時も、家の人に明るく話しかけ、説明し、理解を求めています。この態度が重要でしょうね。
黒いモリゾー(※)みたいな、これ、何だかわかりますか?地面に並べた食べ物を追って、アビーがモゾモゾと前進しているのです。なかなかシュールな映像です。
(※)モリゾー:2005年の愛知万博の緑色でモフモフのマスコットでした。
十分に近づいたところで…手づかみ!これ、勇気いります、犬は必死に首をねじって咬みつこうとするかもしれません。だからいったん首筋をつかんだら、絶対に放してはいけない。
それにしても今度は、なんでしょう…ボサボサのかつら?それともカラスかな?少なくとも犬っぽくはないですね。
アビーは、ヒャヒャン!と悲鳴をあげました。逃げないように網をかぶせます。
網の下で暴れましたが、少し落ち着いたかな?鼻先が網から出ています。
近所の人たちもアビーを知っているので、出てきて、アビーの保護を喜んでいる様子。
この場で目の上だけ、毛を短く切りました。
きっと近所の人たちも、初めてアビーの素顔を見たのじゃないでしょうか。
車でロスアンジェルスに帰ります。
「写真を送りますから!すごく見違えるはず。」「そうして!」
みんな喜んでいます。
アビーはすっかり落ち着きました。
おそらくこの地域は恐竜の化石が発掘される場所なのでしょう。大きな恐竜の模型が道路脇にたたずんでいます。それを見たエルダッドさん、「アビーが恐竜だったらどんな名前になるかな~」と、お気楽な問題を出したりしつつ、一行はロスアンジェルスに戻ります。
ケア
大量の毛を刈るのに1時間かかったそうです。その間、アビーは忍耐強くじっとしていました。
体を洗って、首輪をしたアビー。病院の子猫があいさつしに来てくれました。
アビーは鼠径ヘルニアをわずらっていましたが、これは手術で治療できます。
それよりも、アビーの心がすっかり萎縮していたことのほうが問題です。これから人と生活し、心を開いていけるとよいのですが。
その後
アビーはエルダッドさんと保護メンバーのロレータさんで一時預かりすることになりました。老犬の存在も、アビーを癒します。
その後は他の一時預かり施設がアビーの世話をしてくれることになり、そこでもアビーは愛情を注いでくれる人との生活を続けます。その中でアビーがどこまで変わったか、是非、動画をご覧ください。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
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