愛犬が他人に怪我を負わせてしまった!飼い主としての責任と対処法
誠意を持って心から謝罪しましょう
“急に近づいてきた幼い子供が犬を叩いてしまい、犬が驚き抵抗したため、その弾みによって子供が転倒し、怪我を負ってしまった”
一見、犬や飼い主には何の非もないように思うかもしれません。幼い子供の行動をしっかり見ていなかった親が悪いと思うかもしれません。犬を叩いた子供が悪いと思うかもしれません。しかし、この場合は、お互いに誠意を持って心から謝罪するべきです。
“うちの犬は何も悪くないのに…”と思われるかもしれませんが、子供が大怪我を負ってしまった場合や、後から重症化してしまった場合など、トラブルの原因になってしまったり、飼い主として責任を問われたりする可能性があります。
犬が噛みつき、他人に怪我を負わせてしまった場合
“急に近づいてきた幼い子供が犬を叩いてしまい、犬が驚き噛みついてしまった”
“飼い主の許可なく、犬を撫でようとした人の手を噛んでしまった”
このようなケースもあるでしょう。相手の方が、「こちらが悪いから…」「軽傷だから大丈夫だ」「治療の必要はない」など言われることがあります。しかし、犬が噛みついてしまったことは事実です。軽傷であったとしても、“狂犬病などの感染症の可能性がある”ということを話し、理解してもらい、必ず一緒に病院へ行くようにしましょう。
“一緒に行く”ということも重要なポイントです。一緒に病院へ行くことを拒否し、後になってから、“病院へ行って来た。治療費を支払ってほしい。”と言われてしまうことがあるかもしれません。実際にかかった治療費よりも高額な金額を言われてしまうかもしれません。必ず一緒に病院へ行き、治療を受けてもらい、診断書をもらうようにしましょう。
犬が他人に噛みついてしまったら、保健所へ届け出ましょう
犬が他人に噛みついてしまったら、怪我の有無や程度に関係なく、保健所へ届け出る必要があります。これは、飼い主としての責任であり、義務です。24時間以内に届け出なければなりません。さらに、48時間以内に動物病院へ行き、獣医師によって、愛犬が狂犬病に感染していない、ということを証明するための診断書をもらい、保健所へ提出しなければなりません。これも、飼い主としての責任であり、義務です。
被害者の方と話合いをしましょう
いかなる場合であっても、犬が噛みついてしまった以上、飼い主としての責任を果たさなければなりません。誠意を持って対応することができれば、被害者の方との話合いによって、示談が成立するでしょう。「あなたが勝手に犬を触るから噛みついたんです!」なんて誠意のない対応をしてしまうと、示談は成立せず、裁判へと発展してしまう可能性があります。
もしも、刑法上の傷害罪や民法上の賠償責任に問われてしまったら…
刑法上の傷害罪
許可されていない場所で犬をノーリードで遊ばせていた、自宅の庭から脱走してしまった、お散歩の途中でリードを手放してしまったなど、飼い主の過失によって、他人に怪我を負わせてしまった場合、過失傷害として科せられることがあります。
民法上の賠償責任
被害者の方へ、治療費の支払、休業に伴う補償、慰謝料の支払などの義務が発生することがあります。金額は、被害者の方との話合いによって決められることもありますし、栽培によって定められることもあります。金額は数万円から、負わせてしまった怪我の程度によっては高額になり、一千万円を超える可能性も考えられます。
実際に、犬が他人に怪我を負わせてしまい、裁判によって、飼い主に対して一千万を超える賠償金の支払が命じられた、というケースもあります。例えば、平成25年には、大型犬が同じマンションに住む他人に噛みつき傷害を負わせ、数十万円の慰謝料と、被害者の退去に伴う一千万円を超える損害賠償が命じられた事例があります。
さらには、平成27年には、ノーリードの土佐犬が女性を襲い、死亡させてしまい、飼い主に対して6300万円の慰謝料の支払が命じられた事例もあります。
他人に怪我を負わせてしまわないためには…
他人に怪我を負わせてしまう原因として最も多いのが“ノーリード”です。今は誰もいないからと、許可されていない公園などの公共の場で、ノーリードで走らせたり、リードを手放して遊ばせたりしていませんか?自宅の庭だからとノーリードにし、脱走してしまったことはありませんか?お散歩中、首輪やハーネスが取れてしまったり、リードが外れてしまわないよう、破損や劣化がないか、日々の点検を行っていますか?
思わぬことが、犬が他人に怪我を負わせてしまうことに繋がってしまう可能性があります。番犬として玄関先に繋いでいる犬が、配達員さんに噛みつく、などのケースも起きています。
まとめ
まさか、うちの愛犬が他人に怪我を負わせてしまうなんて…。他人に怪我を負わせてしまった経験のある飼い主さんは、きっと、誰もがそう感じたでしょう。犬は噛みつく動物です。どんなに温厚で優しく、完璧なしつけが行われている犬であったとしても、自分の身に危険が及べば、他人に噛みつくことがあるかもしれません。
うちの愛犬は大丈夫と安易に考えず、思わぬトラブルに発展してしまわないためにも、対処法や回避法についてよく考える必要があるのではないでしょうか。