冬の盲点、暖房で快適な部屋がノミ発生のリスクになる可能性
犬や猫に付くノミはいやなものです。このような害虫は暑い時期のものだと言うイメージがありますが、暖房で温まった室内はノミの卵が孵化するのに理想的な環境となります。
イギリスでのアンケート調査で分かったことをもとに、冬のノミ対策について考えてみたいと思います。
ノミ繁殖に最適な条件とは?
先ごろイギリスのペットの健康に関する会社が行った2000人のペットオーナーを対象にしたリサーチで、57%の人が冬の室内の温度を21〜26℃の間に設定していることがわかりました。
ノミは気温24〜27℃の環境では、卵〜幼虫〜さなぎ~成虫〜産卵というライフサイクルを3週間足らずというとても短いサイクルで完了するのだそうです。ノミは気温13℃以上で繁殖が可能となり(もっと低い温度でも生存はできます)、気温が30℃を越えない限り気温が高ければ高いほどノミの繁殖は活発になるそうです。これはまさに冬の暖房で温まった部屋の温度です。この調査では、他の地域より温度設定を高めにするのを好む街で、寒くなるという予報に合わせてノミ駆除薬の売り上げが伸びたことも分かっているそうです。
温度だけでなく、湿度もノミの繁殖のキーとなります。ノミは湿度の高い環境でよく繁殖します。日本の冬は空気が乾燥しがちですが、室内では風邪やインフルエンザ対策に加湿器を使う家庭も増えています。現代の建築物は気密性が高く、暖房器の性能も上がっているため、温度と湿度の条件が揃えばノミは室内で冬でも早いスピードで繁殖してしまいます。
犬や猫にとってノミは不快なだけでなく、アレルギーや炎症を引き起こしたり、他の寄生虫のキャリアーとなったり人間も刺されたりすることもあるため、こまめに掃除機をかけ、冬の間もペットのノミダニ駆除薬の定期的な投与を怠らないなどの対策が重要です。
こんなサインがあれば室内にノミが発生している!
ノミは成虫を1匹でも発見すれば、室内ですでに大量に繁殖していると考えられます。成虫を目で確認しなくても、次のようなサインがあればノミが発生している可能性があります。
犬や猫がいつもよりも激しく体を掻いたり、絶え間なく舐めたり噛んだりしている
こんなときは身体中をしっかりとチェックします。犬では背中、特に腰がターゲットになっている傾向が強く、猫では頭と首回り、つまり背中でも頭に近い方に潜んでいることが多いようです。
ペットの皮膚やブラッシングをしたブラシや櫛に細かい黒い汚れが付く
この細かい汚れはノミのフンである可能性があります。ティッシュペーパーを濡らして、その汚れを上に置き、赤くにじんできたらノミのフンです。ノミは血液を摂取しているので、フンにも血液が排泄されるためです。
白い靴下や色の薄いズボンに小さい虫が付く
その虫はノミである可能性があります。ペットだけでなく人間の足や足首辺り、腕などに赤い噛み跡が見つかり、激しいかゆみがあればノミに刺された可能性があります。
このように室内でノミが発生していることが分かれば、犬にノミ駆除薬を使うだけではなく、専門の業者に駆除を依頼したり市販のくん煙剤などを使用したりして、室内のノミも駆除する必要があるでしょう。薬によっては卵やさなぎには効果がないので、何回か繰り返し駆除が必要になることもあります。市販の製品を使う場合には、ペットにも安全と表記されている製品を選び、使用方法をきちんと守りましょう。業者にお願いする場合には、ペットがいることを事前に必ず伝え、ペットにも安全な駆除薬を使ってもらうことを確認しましょう。そのような業者をふだんからリサーチをしておくと、いざという時に慌てずにすみます。
まとめ
冬、暖房で温まった室内はノミが繁殖しやすい環境になり、犬や猫そして人間のためにも対策が必要なことをご紹介しました。
冬の間はついつい油断しがちですが、大切な愛犬や愛猫と自分たちを守るために、こまめな掃除、ペット用ベッドを含め布製品のこまめな洗濯、そして定期的な駆除薬の投与は1年を通して必要です。暖かい快適な部屋は、ノミと共有したくはないですもんね。
《参考URL》
https://www.mirror.co.uk/lifestyle/pet-owners-warned-turning-up-20707452
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20代 男性 匿名
50代以上 女性 みま