考古学の発掘現場で犬の嗅覚が活躍!

考古学の発掘現場で犬の嗅覚が活躍!

犬の嗅覚は様々な場面で人間の営みを手助けしてくれています。新しい試みとして考古学の遺跡探索現場で活躍している犬たちがいるという話題をご紹介します。

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犬の嗅覚が活躍する新しい分野〜考古学

発掘作業中の考古学者

犬の嗅覚の驚くべき活躍は、医療や犯罪捜査など様々な分野でよく知られています。そして今度は、考古学の墓所遺跡を探し出すために犬たちがその嗅覚で人間の手助けをしています。

犬の嗅覚を使って墓所遺跡を発見し、犬が考古学的埋葬地を特定するために有効であることを実証する研究として発表したのは、クロアチアのザダル大学の考古学の研究チームです。

犬の嗅覚のことは知っているつもりでも、改めてその能力に驚かされる研究の内容をご紹介します。

3000年前の墓所を匂いで発見する犬たち

ハンドラーと探索犬

ザダル大学の考古学者は、紀元前8世紀にさかのぼるクロアチア鉄器時代の遺跡を探索していました。従来の方法でいくつかの墓所が発見された後、研究の筆頭著者である准教授は、墓所の遺跡の探索に犯罪捜査のために訓練された犬を使うことはできないだろうかと、関係者に相談しました。

犯罪現場で遺体を探索するために訓練されたベルジアンマリノアとジャーマンシェパードが派遣され、遺跡の探索に加わりました。

最初に犬たちの訓練として、すでに発見されている墓所で目的のものが嗅ぎ出されたらハンドラーに知らせるという手順が踏まれました。犬たちは見事に3箇所の墓所を嗅ぎ出してトレーナーに知らせました。
この墓所では、遺体や遺品などの埋葬物および周囲の土壌は全て取り除かれ、最初に発掘されて以降、日光や風雨に晒されていました。それにも関わらず、犬たちはこの地の多孔質の岩が吸収していた匂いを検出したのは驚くべきことでした。

犬たちはその後本格的に発掘作業に参加し、6つの新しい墓所を発見しました。犬たちの探索は大変正確だったそうです。墓所はそれぞれ直径約5mの円で周囲が石の壁で囲われ、円の中央に石の埋葬箱が置かれていました。箱には装飾品や工芸品と、複数の人間の骨が少量ずつ含まれていました。

犬たちはこのような状態で、約3000年前に埋葬された人体のわずかな匂いを探り当てたということです。

犬の嗅覚が考古学の発掘作業に向いている理由

真剣な表情のジャーマンシェパードの横顔

言うまでもなく、考古学では発見した遺跡にダメージを与えることなく調査することが重要です。そのため通常は、地中レーダーなど様々な非破壊テクノロジーを利用して探査が行われます。
しかし遺跡のあるような場所では、このようなテクノロジーが使えない場面も多々あります。そのようなときに犬の嗅覚は非破壊的で遺跡にダメージを与えず、人力での作業よりもずっと効率的です。研究者はこのように犬と考古学発掘現場での犬の活躍の可能性を強調しています。

ザダル大学で、人間が犬を家畜化し使役動物として飼育していた古代史の研究をしている別の考古学者は、遺跡探索に犬が加わることを人類と犬の歴史の最新のものだと述べています。

まとめ

ジャーマンシェパードの鼻先アップ

クロアチアの考古学遺跡発掘現場で、犯罪捜査犬が嗅覚を使って探索を行い活躍しているという話題をご紹介しました。

何千年も前に埋葬された人々を嗅ぎ当てる犬の嗅覚には、改めて驚くばかりです。研究者は今後さらに考古学の現場で、犬たちが問題を解決していくだろうとしています。

《参考URL》
https://www.theguardian.com/science/2019/oct/24/dogs-show-nose-archaeology-sniffing-out-ancient-tombs
https://link.springer.com/article/10.1007/s10816-018-9406-y?wt_mc=alerts.TOCjournals&utm_source=toc&utm_medium=email&utm_campaign=toc_10816_26_3

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