ストレスの原因
ワンちゃんにとっての大きなストレスの一つに、「安心できる場所を離れる」ことがあります。
動物病院、ペットホテル、あるいはその道中の車中などなど、みなさんもやや神経質なワンちゃんがふるえてしまったり、よだれをたくさん垂らしてしまった状態などを見たことがあるのではないでしょうか?
ワンちゃんの場合、本来はいつでも安心して休める場所が必要ですので、その場所が長時間ない場合は、かなりのストレスになってしまいます。
なかにはストレスが体に表れ、嘔吐や下痢なんかを起こしてしまうワンちゃんもいますので、注意が必要です。
ちなみに、「アジソン病」という病気は、体からストレスに対抗するためのホルモンが出なくなる病気なのですが、診断が難しく、こういったストレスに特に弱くなってしまいます。
ですので、”ストレスに弱い”と思われるワンちゃんは、一度動物病院に相談してみてもよいかもしれません。
ストレスを軽減するトレーニング
とはいえ、動物病院は予防接種で必要だし、何かの際にはペットホテルに預けることが必要になることもありますよね。
そんなときのために、ぜひとも取り組んでいただきたいのが、「慣らすトレーニング」です。
つまり、ワンちゃんがストレスを感じてしまう場所に慣らしてしまうトレーニングです。
具体的な方法をご説明します。
まず、ワンちゃんの一番好きなご褒美を用意してください。
おやつでもいいですし、飼い主様と遊んであげることでもいいです。とにかく好きなご褒美を準備していただき、ワンちゃんに少し期待を持たせてください。
その後、ストレスを感じてしまう場所へ期待を持たせたまま(おやつをちらつかせたまま)移動し、そこでまずご褒美を与えます。
例えば、車が苦手なワンちゃんは、車に乗った時点でご褒美をあげます。そして、すぐその場所を離れます。
また少し時間をおいて(ワンちゃんが疲れない程度の間隔で)、同じことを繰り返します。そうすると、このトレーニングではストレスを感じてしまう場所が「ご褒美をもらえる場所」に変わります。
そうなれば少しずつステップアップしていきます。
先ほどの車の例でいえば、車に乗るのに慣れたら、次はドアを閉めた時点でご褒美。それも大丈夫なら、次はエンジンをかける。数分運転をする、、、こんな感じで徐々に進めていきます。
動物病院なら、最初は玄関先でご褒美、次に待合室、そして診察室、場合によってはスタッフさんからおやつをもらってもいいですね。
(たぶんほとんどの動物病院は協力してくれますよ)
トレーニングのコツ
私の病院でも、病院が苦手だったワンちゃんが、このトレーニングで、今ではすっかり私とも仲良くなったワンちゃんもいますので、効果はかなりあると思います。
ただし、コツは焦らないで時間をかけること。じっくりやれば、だいたいはうまくいくでしょう。
ちなみに、生後まもない仔犬さんは、順応力が高いので、時間がかからずにどんどん慣れていきますから、仔犬さんは予防がしっかりできていれば、どんどん外に出た方がいいです。
せっかくワンちゃんと生活していても、「この子のおかげで、どこにも出かけられない・・・」そんなことがないよう、ぜひともこの慣らすトレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか?