保健所で命の期限が決められた犬を助けた家族に奇跡が起きた?!

保健所で命の期限が決められた犬を助けた家族に奇跡が起きた?!

飼い主死亡で保健所に持込された柴犬は、譲渡対象から外され命の期限を決められました。最後に期限付きでその犬の里親探しを行うと、ある家族が名乗りをあげました。実はその家族はある問題を抱えていたのですが…

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助けた命に救われる?!

柴犬 私の写真

昨年の記事

昨年、ある犬のお話をわんちゃんホンポで書きました。

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里親様からのメッセージ

センターで 私の写真

この犬は『レモン』ちゃんとお孫さんが命名されました。

あれから1年が経ちました。

毎月、レモンちゃんの近況報告が写真と共に届いていました。それが私たち『ディ・アンク』の条件です。
「里親様には最初の1年、1カ月に1度近況報告を写真とともにしてもらうこと」
それをレモンちゃんの里親さんは毎月、きちんとされていました。

そして1年、最後の月に、いつもの近況報告の末尾に、長いお手紙がついていたのです。

それをわんちゃんホンポで公開する許可をいただいております。

手紙

里親 私の写真

『レモンと会った頃、私はうつ病の治療中でした。

末期ガンの母親の介護、娘夫婦の不仲から家庭崩壊・破綻、仕事上の過重負荷等々の負担が重なり、上司からも休職を勧められて、2017年6月より休職・療養に入りました。

当時私は停年後の継続雇用の期間中で、契約社員として勤めておりましたが、
「精神又は心身の障害・疾病により業務に耐えられない」状況にあると判断され、2018年3月末で、32年間務めた会社より解雇を言い渡されておりました。

投薬とカウンセリングを受けながら、治療を続けて丁度一年目でした。毎日々々、不安とやるせなさで、一日中寝てばかりいた私の生活が、レモンが来てから全く変わったのです。

毎朝、遅くとも7時半にはレモンが「お散歩、お散歩」と起こしてくれます。夕方も「おトイレ」が我慢できなくなると吠えて教えてくれます。朝夕のお散歩で、毎日1時間以上は歩くようになり、食欲も元に戻りました。

近所の方々とも顔見知りになることができましたし、レモンを可愛がってくださる方々とも色々なお話しをすることができるようになりました。

レモンのおかげで、私は狂っていた生活リズムを取り戻すことができたのです。

このことを元の上司に伝えたところ、9月頃(レモンが来てから3カ月後位)に、また職場に復帰しないかとのオファーをいただき、同年12月より無事、元の職場に復帰することができました。半年毎の雇用契約ですが、その後の契約更新も継続していただいており、また、専門的な知識を必要とする難しい仕事も任されております。

レモンが居なければ、社会復帰は難しかっただろうと思います。レモンには本当に感謝です。』

もう1つの奇跡

レモンちゃんのことは、当時、里親様の孫娘さんが「この子のことを助けてほしい!」と泣いておじいちゃんに頼んできたそうです。

そのことでうつ病で様々なトラブルを抱えていたおじいちゃんが救われただけでなく、実はかなり辛い思いをしてきた孫娘さんも救われたとのことでした。

手紙の続き

キス

お手紙は続きます。

『2018年2月19日の深夜(AM1時過ぎ)突然、警察から連絡が入りました。
 「女の子を保護しています。迎えに来ていただけますか?」

事情を聴くと「ママが怖くて、おばあちゃんの家まで歩いて行く」ところを、コンビニの店員さんが連絡して下さり、警察に保護されたとの事でした。

因みに、当時の孫娘の家から私の家までは約15kmあり、子供の足では5時間位かかる距離です(しかも真夜中に子供の一人歩きで)。

家庭内の不和から子供に実害が及ぶようになり、とうとう家出を決心したようです(2回目です。1回目は、たまたま親切な方が私の家まで送ってくださいました。)
その後、児童相談所やソーシャルワーカー・小児心理の医師等とも相談し、孫達を私の家に引き取ることとなり、通っていた小学校も転校させました。

しかし、近所に親しい友達も無く、突然新しい学校へ来て、教室に入ることが出来ませんでした。また夜中になると、親からの暴力の事が思い出される為か、腹痛や頭痛・胸痛等の身体症状も頻繁に出ていました。このままでは不登校か、引きこもりになってしまうところを救ってくれたのがレモンです。

主治医からは「無理に学校には行かなくても良い」と宣言されていたのですが、夏休みが明けてからは、徐々に学校へ行くようになりました。

当初は「レモンと校門まで」一緒に(学校内は犬は入れませんので)、また途中で帰る時も、車でレモンがお迎えというスタイルでした。

レモンが来てから一年経ち、ようやく何人かの友達も出来てきました。本人は「二学期からは毎日学校に行く」と張り切っています。

レモンには本当に感謝です。』

最後に

水辺で

レモンちゃんは、私が代表を務めている動物愛護団体『ディ・アンク』が、初めて”命を懸けた里親探し”をした犬でした。あの時の活動が、こんな奇跡を里親様にもたらしていたとは驚きです。

救った命に救われる。
実は、助けたつもりの命は、本当は自分を助けてくれていたのだということは決して珍しくないのです。

そこに助けなければ、手を差し伸べなければ、消えうるような命があれば、自ずと助けようとする気持ちが芽生えるはず。それがなかなかできない現実があります。
でも、その勇気を持てば、あなた自身も実は救われるのです。

それに果たしてどれだけの人たちが生きている間に気づくことでしょうか…。

※尚、この記事は、レモンちゃんの里親様の承諾を得て記載しております。

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