イギリスの鉄道会社が行った「犬との旅行」アンケート
イギリスで発表された「犬との休暇と旅行」をテーマにしたアンケート調査が話題になっています。1000人の犬の飼い主を対象にしたこのアンケート調査全体に見られる傾向は、イギリスの犬の飼い主の多くが犬を家族の一員と考え、休暇や旅行を一緒に過ごすことを望んでいるということでした。
- 51%の人が犬抜きで休暇を取るのはイヤだとしています。
- 54%の人がパートナーよりも犬と一緒に休暇を過ごしたいと思っています。
- 犬たちは平均して毎年約500マイルの旅をしています。
- 犬たちは生涯の間に平均して3つの国を訪問しています。
(これは他の国に列車や自動車で移動できるヨーロッパならではですね)
最初は「ああ、またパートナーよりも犬の方がいいよというアンケートかな」と思っていたら、このアンケートの趣旨はちょっと違っていました。イギリスの鉄道会社イーストミッドランドトレインでは、犬連れでの乗車に対して新しい規定を設け、従来よりも犬との列車の旅行を気軽に楽しんでもらえるようにというガイドを作成しました。このアンケートはそのキャンペーンの一環でもあり、また人々が列車での犬との旅行について持っているイメージや意識を明確にするという意味もありました。
犬と列車で旅行、どんなイメージ?
アンケートからは、多くの飼い主が犬と列車で旅行することについてあまりよく知らないことが分かりました。59%が犬の乗車に関する規則を知らないと答え、30%の人は犬はそもそも列車に乗ることができないと思っていました。
しかし、一方で50%の人が規則を理解すれば犬を列車に乗せたいということも分かりました。また「うちの犬は大きすぎるのでは?」「ヨダレが多すぎて無理だと思う」「興奮しすぎると思う」などの声も多く聞かれました。
イーストミッドランドトレイン社ではこのような問題を解消して、より多くの人が犬との列車の旅を楽しめるように、犬の行動学者と協力しあって「犬との列車の旅〜トレイン・ニング」ガイドを考案しました。
犬と列車に乗るときの注意点が、「旅の前に短い乗車体験で列車に慣れさせよう」「乗車の前にトイレと散歩を済ませよう」「早めの乗車を」などの細かいことから、列車の中で犬がどこにいるべきかなどの規定までがとても親切に案内されています。
犬は座席に座ることはできませんが、リードを付けていれば必ずしもキャリーやクレートに入っていなくてもOKです。日本で犬と列車に乗ることに比べると、規則が緩やかな感じがします。また、停車駅には犬用の水のボウルやトリーツが設置されているのも嬉しい心配りです。
これは犬の乗車ガイドのビデオの一部です。外国の列車や可愛い犬たちを見るだけでも楽しい内容になっています。
East Midlands Trains - Dog Train-ing from Tin Man on Vimeo.
もちろん他の乗客への配慮も忘れずに
犬専用の車両があるわけではないので、もちろん他の乗客に対する心遣いが求められます。ガイドには、そのことも再三に渡って細かく説明されています。アンケート調査では、69%の犬の飼い主が「犬と一緒にいるときは周囲の人がより友好的だ」と答えています。また68%の人が「犬と一緒にいると周囲の人との会話が増える」とも答えています。飼い主がルールを守りマナーを心得ていれば、犬の飼い主も犬も、そして周囲の人も犬との旅行を楽しいものにできるということが示されています。
まとめ
イギリスの鉄道会社が「犬との列車の旅」について実施したアンケート調査と、新しく作られたガイドと規定についてご紹介しました。外国の話ではありますが、うらやましい点、共感する点、参考になる点などのある話題かと思います。
《参考》
https://www.eastmidlandstrains.co.uk/dogs
https://westbridgfordwire.com/east-midlands-trains-launches-dog-train-ing-to-make-travelling-with-dogs-easier/