犬はみんな犬かきが出来るの?
犬は本能的に「犬かき」で泳ぐことが出来るといわれています。これは犬の祖先が泳げる動物であったと考えられているためです。しかし家庭犬は日常で泳ぐ必要性がないため、現代では泳ぎが苦手な犬種や個体もいるとされています。
ニューファンドランドやゴールデン・レトリーバーなど、使役犬として活躍する犬種は泳ぎが得意だといわれています。一方で愛玩犬として親しまれる小型犬や、フレンチ・ブルドッグなどの短頭種の犬種、水辺で過ごすことが少なかった日本犬などは、泳ぎが苦手なことが多いようです。
犬かきとは
犬かきは動物の泳法の1つ
犬かきとは頭や顔を水面に出し、前足で交互に水を掻きながら、バタ足で進む水泳方法です。「犬かき」は犬だけではなく、四足歩行のほとんどの動物が同じ泳ぎ方をします。これは四足歩行の姿勢のまま水中に入ると、頭だけが自然に水面から出る形となり、そのまま足を動かせば水中を進んでいくことができるためだといわれています。
犬かきでは早く進むことはできませんが、犬は人間と違い肩の関節を自由に回転させることができないので、他の泳ぎ方をすることができません。
犬かきは泳いでいるのではなく走っている
犬かきは、泳ぐというよりは「走る」に似た動作だとされています。前後の足を交互に出して泳ぐ様子は、まるで水中で「トロット」をしているようだ、と例えられることがあります。トロットとは犬の歩き方の1つで、右前足と左後ろ足、左前足と右後ろ足というように、対角線上の足同士2本を同時に動かす歩き方です。
近年の研究結果では、水中での犬の足の動きは、厳密にはトロットの動きではないといわれています。対角線上にある足が必ず一緒になるわけではなく、より複雑なパターンで動かしており、この動きは犬の走り方に近いようです。犬は犬種や体の大きさが異なっても、水中では同じ泳ぎ方をすると考えられています。
エアー犬かき
犬を水の上で持ち上げると、まるで犬かきをしているかのような仕草をすることがあります。この動作は通称「エアー犬かき」と呼ばれています。
なぜ犬がこのような行動をするのか明確な理由は分かっていませんが、エアー犬かきが現れるのは、次の理由によるのではないかと推測されています。
- 体を持ち上げられて安定感を失い、バランスを保つために反射的に足が動いている
- 突然床から持ち上げられたことでパニックを起こしている
- 過去にエアー犬かきをした時に飼い主さんに喜んでもらえたので、同じ行動を繰り返している
足をバタバタとさせる姿は微笑ましいのですが、中には水が苦手でパニックを起こしている犬もいますので、無理に行うのはやめましょう。
犬かきする可愛い犬の動画まとめ
柴犬だいふくの犬かきを水中カメラで撮影してみた
柴犬のだいふくがプールで犬かきをしている様子を撮影した動画です。水中カメラを使い、水面下で犬の足がどのような動きをしているのかを見ることができる貴重な動画です。
まさはる君はじめての犬かき![tv029]【ポチたま公式】
ラブラドール・レトリバーのまさはるが、友達を追いかけて初めて海に飛び込む様子が紹介されています。勇敢に犬かきする姿がかわいらしい動画です。
Dog paddle underwater
ごろちゃんが犬かきをしている様子を水中撮影しています。短い足で懸命に水を蹴って進む様子は必見です。特にごろちゃんを後ろから撮影している場面では、犬が水中でどのように後ろ足をつかっているのかを見ることができますよ。
柴犬ジロー 犬かき全開!
こちらの動画で紹介されている柴犬のジローは、まるで水中を歩くかのように優雅に泳いでいます。柴犬は泳ぐことが苦手だといわれていますが、泳ぎながらカメラに目線を向けたときの、ジローの「自慢げな顔」をぜひご覧ください。
人間が犬かきする泳ぎ方
人間の犬かきは「ドッグパドル」や「キャッチドリル」「縦スカーリング」などと呼ばれる水泳方法です。
犬かきは、顔を水面から上げたままで泳ぎます。泳ぎ方としては、手の指をしっかり閉じ軽く丸めておわんのような形を作り、肘を曲げたまま胸の前で小さく細かく手を動かします。水を後ろに押すイメージをもって泳ぐとよいでしょう。
足の膝を曲げてバタ足をすると、ゆっくり前に進んでいきます。スピードが遅いという欠点もありますが、息継ぎをしなくても泳げるという利点があります。
まとめ
ワンちゃんが一生懸命に犬かきで泳ぐ姿は、とてもかわいらしいですよね。ワンちゃんが泳ぐことが出来れば、飼い主さんと一緒に海や川でも楽しむことが出来ます。
しかし、すべての犬が犬かきで泳げるわけはありません。中には水が苦手で、溺れてしまう犬もいます。シャンプーの時に嫌な思いをしたため、水に対して恐怖心を持ってしまい、水に入ることすら嫌がる犬もいるようです。水が苦手な犬種や個体は、いきなり広い場所で泳がせるのではなく、幼犬の頃から少しずつ水に慣らしていくことが大切です。