犬の感電事故
室内で生活している犬の周りには電気コードやコンセントなどがあります。これを犬がおもちゃだと思ってしまい、遊ぶと大変なことになります。感電すると内に電気が通ることによって様々な障害を引き起こします。
場合によっては脳や心臓にダメージを与え亡くなってしまうことも。また火傷が起こることもあります。犬が感電しやすいものとしてはこたつや電気毛布、扇風機などがあります。
犬が感電してしまう原因と対策
原因は何だろう?
原因として多いのは電気コードなどをおもちゃと思って遊び、噛んでしまったり絶縁ゴムを噛みちぎって触れてしまったりすることです。布団で電気コードが隠れてしまっているこたつや電気毛布は、絶縁ゴムやカバーが壊れていてもわかりにくいかもしれません。
特に何でも噛みたがる生後5か月〜1歳半くらいの子犬の時期には注意が必要です。危険なものとわからず噛んでしまいます。子犬は注意してもいたずらすることをやめないことも多いため、一度注意したからといって安心してはいけません。
感電しないように対策をしよう!
まずできるなら、犬の届かない場所にコンセントを設置することです。ケーブルをカーペットの下にはわせたり、家具の裏に貼り付けたりすると良いでしょう。触らなければ感電することはほぼありません。
しかし、すでに設置されているコンセントを動かすのは難しいですよね。そんなときは電気コードにカバーをつけるのがおすすめです。電気コードのカバーは家電量販店やホームセンターなどで購入できるので、一度検討してみてください。
また、使わない電化製品はプラグを抜いておくことも重要です。留守の場合には、犬をケージの中にいれるようにしたり、コードが多い部屋にはいれないようにしたりしましょう。散歩中に切れた電線に触れたり、危険な場所に入って感電してしまったりすることもあります。
感電した場合の症状と応急処置・治療
症状
電源の近くでぐったりしていたり、コードを噛んだ口の中などに局所的に火傷が見られたりします。また、電撃傷により微細血管が傷つき、肺の中の肺胞という場所に水が溜まってしまう肺水腫などになることがあります。感電してすぐに症状がでてこない場合もあるのでしっかり様子を観察しましょう。重症の場合には肺水腫に伴う呼吸困難や不整脈、痙攣や硬直、意識障害などの症状が出て、ショックや心停止を起こすこともあります。
応急処置
犬が感電してしまったら、すぐに触ってはいけません。もし犬が失禁などをしていたら、それにも触れないようにしましょう。飼い主さんが感電してしまう恐れがあるためです。まずは、ブレーカーを落とし、電源コードをコンセントから引き抜きます。このとき飼い主さんも感電してしまわないように注意してください。
次にゴム手袋やプラスチック製品などの絶縁素材のものを使って、犬を横向きにさせましょう。ゴム手袋をつけて口をゆっくりと開き、舌を出し呼吸の確保を行ってください。そして鼻と口に手をあて、息をしているかを確認しましょう。その後は急いで病院へ連れて行ってください。
犬の心臓が動いていないようであれば、マッサージを行いながら病院へ向かうのが良いのですが、これは事前に講習を受けていて、かつ犬の体内の電気がすべて放電されている必要があります。 なので、わからない場合は勝手に行うのはやめたほうがいいでしょう。
治療
病院では軽症の場合には火傷を中心に、抗生物質や抗炎症剤の投与など症状にあわせた治療を行います。口の中の損傷が大きい場合は食事がとれなくなるため、経鼻カテーテルなどによる栄養補給が行われます。
また、軽症であったとしても、その後の経過観察のために数日間入院が必要となる場合もあります。重症である場合は全身の状態を見ながら、点滴治療などの症状に合わせた対症療法を行います。
まとめ
犬の感電事故は少なくありません。特に子犬のように好奇心の強い時期だと、電化製品にいたずらしたり、電気コードを噛みちぎったりして感電することがあります。そして、犬の感電事故が起こった場合は冷静に対応できるかという心配もあります。焦って犬やむき出しの電源コードなどに触ると、飼い主さんも感電してしまう恐れがあります。
事故が起こらないように、日頃から電気コードやコンセントには注意しておきましょう。何でもかんでも噛んでしまう子犬がいるご家庭では、家族全体で感電事故を起こさないように意識する必要があります。ゲーム機やスマートフォンの充電器、ドライヤーなどプラグを差し込んだままにしておかないようにしましょう。使わない電化製品のプラグは抜いておいたり、犬のさわれないような場所に置くようにしておくと事故を防止できます。
飼い主さんのおでかけ中に犬が事故に合わないように、でかけるときにはケージやサークルなどで過ごしてもらうようにすると良いですね。そうすると物理的に事故を防ぐことができます。
また危険な場所に入ってしまったり、散歩中に切れた電線などを触ってしまったりしないように飼い主さんの指示をきちんと聞くように、しつけをしておくことも大切です。