ビタミンD混入でドッグフードの製品回収
2018年後半、アメリカでドッグフードに規定量を大幅に超えた大量のビタミンDが混入していたことが発覚し、複数のメーカーとブランドで製品回収をしているというニュースが流れました。
つい先日は日本でも、処方食を取り扱う大手メーカーが公式にビタミンDの混入のため製品を回収するというアナウンスを行っています。
ドッグフードの回収と言えば、サルモネラ菌汚染やカビが発生した原料の混入、大きな事件となったメラミン混入などを思い出す方も多いかと思います。
そういう病原菌や明らかな毒に比べれば、ビタミンが多すぎるくらいたいしたことではないのでは?と思われるかもしれません。
けれど、アメリカでこの件が発覚したきっかけは、消費者からの健康被害を訴える苦情でした。
製品回収のアナウンスでも「潜在的な毒性レベルのビタミンD」と発表されています。はっきりと健康被害が確認できるレベルのものだったということですね。
ビタミンなのに毒になるの?
ビタミンには、水溶性のものと脂溶性のものがあります。
水溶性のビタミンはB群やCで、摂りすぎた場合は尿と一緒に排出されます。脂溶性のビタミンはA、D、Eで、摂りすぎた場合は体に蓄積されていくので、過剰摂取には注意が必要です。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、カルシウムとリンのバランスの調整役でもあるので、骨の健康のためには欠かせないビタミンです。また、免疫機構の働きにも関連があります。
しかし、先に述べたように脂溶性のビタミンですので、摂り過ぎれば体に溜まっていき、嘔吐、食欲不振、多飲多尿、大量のよだれ、体重減少などの症状が現れることがあります。
短期間に大量のビタミンDを摂取した場合には、腎機能障害などの重篤な症状が出ることもあり、最悪の場合には命にも関わります。
また、蓄積するものですから、該当するフードを食べるのを止めても症状が消えない場合もあります。
どんなふうに対処すればいい?
今のところ日本では、正式に製品回収のお知らせをしているのは処方食のメーカー1社です。
けれど、アメリカからの輸入品を購入している方は、アメリカ食品医薬品局のサイトで発表されているリストを確認されることをお勧めします。
該当するフードを食べさせていたという方は、念のため病院での診察を受けることを強くお勧めします。元々処方食を食べている犬は、何らかの疾患があってのことですから、今のところは何も症状がなくても、過剰摂取で蓄積したビタミンDが不調のきっかけになる場合もあるからです。
また、該当するフードを利用していなかった飼い主さんも、ビタミンの過剰摂取を甘く見ないということを覚えておいていただきたいと思います。
まとめ
ドッグフードへのビタミンDの大量混入で製品回収が起きた事について「返品して返金してもらったらおしまい」というわけではないことをご紹介しました。
犬は私たちが与えるものしか食べることができませんが、私たち飼い主はメーカーが提供するものを大丈夫だと思って与えています。それだけに、このような回収騒動は本当に残念なことです。
犬に与えている製品に関する情報にアンテナを張り巡らせておくことも大切ですが、該当する製品を利用していても、回収のニュースを知らないという方も案外多いものです。犬友さんが集まるような場所で、情報をシェアし合うことも大切なことですね。
ユーザーのコメント
20代 女性 匿名
そして、この記事を見るまでこの様な事があったなんて知らなかった。
まだまだ、日本ではドッグフードは食品だという意識が低いのかなと思うと悲しいですね。