バレンタインデーに式を挙げたシニア犬のカップル
2019年のバレンタインデー、アメリカのメイン州のアニマルシェルター『ケネベック・バレー・ヒューメイン・ソサエティ』で、2匹の犬の結婚式が執り行われました。
花婿と花嫁は推定10歳のオス犬ジャックと、推定7歳のメス犬ダイアンのカップルです。どちらも雑種で、去年の8月に2匹一緒に墓地をさまよっていたところを保護されました。
「犬の結婚式なんて、またクレイジーなことを」と考える人もいるかもしれませんが、シェルターのスタッフや犬たちにとっては、ちゃんとした意味のあることなのです。また結婚式と言っても、繁殖のための交配などとは全く無縁の話です。
いつでも2匹一緒のジャックとダイアン
保護されたときから一緒にいたジャックとダイアンはシェルター内でも常に一緒で、シェルターのスタッフたちは「まるで長年連れ添った老夫婦みたい」と冗談を言い合っていたそうです。
ジャックとダイアンには「2匹一緒に引き取れること」という譲渡の条件も付いており、2匹を引き離すことはできないというのがスタッフの一致した意見でした。
それならいっそ結婚式をしてしまってはどう?とアイデアが出され、バレンタインデーという『愛の日』に、12人の招待客に祝福されて2匹の結婚式が挙げられました。
シニア犬カップルの結婚式という企画が持つ意味
犬の結婚式という企画に対して、バカバカしいと言う人もいるかもしれませんが、犬好きな人なら「微笑ましいね」とクスッと笑ってくれるかもしれません。そして何よりも「微笑ましいニュース」として世間の注目を集めることができます。
ジャックとダイアンの結婚式は、最初は地元の地方新聞で取り上げられ、その後インターネットの様々な媒体で紹介され、アメリカ全国で発売されている雑誌にも登場しました。
率直に言って、シニアと呼ばれる年齢の中型の雑種犬が2匹一緒でないとダメという条件が付いていては、新しい家族を見つけることはかなりハードルの高い課題です。ジャックとダイアンは一度は2匹一緒に譲渡されたのですが、家族との相性が合わず1か月後にシェルターに戻されています。
そんな2匹ですから、できるだけたくさんの人の目を引きつけることは新しい家族に巡り合うための重要な戦略なのです。シニア犬ならではの愛らしさをアピールするには、2匹がラブラブで結婚式というのは格好のアイデアと言えるでしょう。
またこれだけ多くのメディアで取り上げられ、そのたびにシェルターの名前が出ることで、ここにいる他の犬たちにもチャンスが増えることになります。
さらに言えば、シェルターの犬というと辛い悲しい印象なので、あんまり見聞きしたくないなと思っている人の持っているイメージを変えることにもつながります。
まとめ
アメリカのアニマルシェルターで企画され行われた、シニア犬同士の結婚式のニュースについてご紹介しました。
アニマルシェルターの動物について回る悲しいイメージを払拭してメディアなどで注目を集めることで、主役の2匹の犬たちはもちろんのこと、他の保護犬たちへの目も集められるという素敵な企画です。
動物保護活動にも、こういう遊び心を取り入れるのは良いアイデアですね。