なぜ犬は「外飼い」が主流だったのか
今ではほとんどの犬が室内飼いとなり、外飼いされている犬を見ることが少なくありましたが、一昔前まで犬は外飼いが主流でした。
「小さい頃は外で飼っていた」という記憶がある人も多いのではないでしょうか。
では、なぜ昔は犬の外飼いが主流だったのでしょうか。
元々は「番犬」として飼われていたから
一昔前まで犬の外飼いが主流だった理由として、歴史的な側面が関係していると考えられます。
世界的に見ても、元々犬は愛玩犬としての役割よりも、何かしらの仕事が与えられていた家庭が大半でした。
牧羊犬や狩猟犬、ソリ引き犬…様々な役割を持っていました。
日本では、家庭内で特別な役割を与えられていることは少なかったものの、多くの犬は「番犬」として家に迎えられ、役割を与えられていました。
番犬として家にやってきたのであれば、家の中ではなく外で待機し、不審者が侵入しようとしたら吠えて威嚇する必要があります。
そのため、元々は外飼いが主流だったのではないかと考えられています。
昔は庭を広く持つ家も多かった
「番犬」としての役割が強かったという理由も大きいですが、更にもう1つ理由を挙げるならば、今現在の住宅事情と比べると、昔の家は庭を広く持つ家が多かったという理由も挙げられます。
もちろん地域によって差はありますが、広く庭を設け、そこに犬小屋を建てて飼育していた家が今よりも多かったのです。
中には、庭を使って犬と一緒に遊んでいた経験があるという人も多いのではないでしょうか。
また、今より過ごしやすい気候だったことも関係しています。
時間が経つにつれて、夏は外で過ごすことがつらいと感じるほど暑く、冬は外で過ごすことが苦痛と感じるほど寒くなりつつあります。
過ごしやすい春と秋が極端に短くなってしまったことも、現在、外飼いしにくくなっている原因でしょう。
庭にはわんちゃんのお宝が眠っていることも…?
そんな外飼いが主流だった一昔前は、自分の家の庭、あるいは犬小屋に飼っていた犬のお宝が眠っていた!なんてことも珍しくありませんでした。
「何か庭の至る所を掘っているな」と思い、飼い主さんが掘り返してみると、おもちゃが埋められていたり、あるいはごはんの食べ残しが埋められていたりした、なんて話も耳にします。
自分の大事なものを穴を掘り、その中に隠すという行動は動物の習性の1つでもあります。
「これは自分の物」「あとでこっそり食べよう」など、人間の子供のように隠し場所を見つけ、犬も楽しんでいたのかもしれません。
昔は主流だった飼育とは?
このように歴史的に見ても、「番犬」としての役割が強かったことと、庭の広さ、過ごしやすい気候など、様々な理由から外飼いが主流だったことが、おわかりいただけたのではないでしょうか。
では、他にも「昔は主流だった犬の飼育方法」はあるのでしょうか。
捨てられた犬を拾ってきて飼うことが多かった
今ではペットショップから迎えたり、ブリーダーさんから引き取ったり、あるいは保健所から里親として迎え入れることが多いですが、昔は捨てられた犬を家に連れて帰り、そのまま飼うことがほとんどでした。
今に比べて昔は、犬が捨てられてしまう悲惨な出来事が非常に多く、日本各地で捨て犬が発見されていました。そのため、捨てられた犬を拾うという経験は珍しくなかったのです。
ドッグフードは無し?食事は人間の残り物
今では様々な種類のドッグフードが売られており、ドライタイプやウェットタイプ、介護用など犬の年齢や嗜好に合わせて選ぶことが可能です。
フレーバーも、魚やチキンなどバラエティーに富んでいますよね!
しかし、昔はドッグフードの種類が少なく、より遡ればドッグフードが市販ではあまり出回っていなかった時代もありました。
そのため、犬の食事は飼い主の夕飯の残りなどを与えていた家が多かったと言われています。
昔は犬に食べさせてはいけない食材も周知の事実ではありませんでしたし、塩分過多、糖分過多なども、厳密に指示されることは少なかったためだと考えられます。
例えば、ごはんに味噌汁をかけた状態で犬に食事として与えていたという話を耳にしたことはありませんか?
今では絶対にありえないことですが、昔はこのように人間の残りご飯を与えていた家も多かったのです。
まとめ
犬の外飼いが主流だったのは、犬の役割や住宅事情、日本の気候が今とは異なるからです。
今では様々な事情が異なり、それらを考慮すると外飼いは推奨できないとされています。
外飼いをする場合は、気温や脱出防止策などをしっかりと行う必要があるでしょう。