トラブル①近隣への迷惑
2014年に、日本法規情報株式会社が行ったアンケートによると、回答者の43%が「近隣トラブルに遭ったことがある」とし、その内容のうちの半数が、「ペットの排泄物や鳴き声」と回答しました。散歩の際にはトイレ袋を持ち、外でウンチをしたら必ず持ち帰るのがマナーです。
愛犬家の方なら、「そんなの当たり前でしょ」とお思いでしょうが、これを守らない人がいるのも事実。ましてや人の家の敷地内で排泄したまま、放置する人もいるのです。
また、鳴き声に関してもトラブルの一因となります。ふだん一緒に生活している愛犬の吠えは、飼い主さんからしてみれば、さほど気にならないものかもしれませんが、近隣の住民、ましてや犬を飼っていない人、飼ったことがない人からすれば、ストレス以外の何物でもありません。それが睡眠の妨げとなるのであれば、なおさらです。
トラブル②ペット不可の物件にも関わらず…
実は、ペット不可のアパートやマンションであっても、犬を飼っている人が多いのをご存じですか?
「バレなければいい」「犬を飼うと敷金が増額になるから嫌」「急きょ飼うことになって仕方なく」など、様々な理由が報告されているそうです。
しかし、近隣に犬アレルギーの人がいるかもしれない、そもそも犬が嫌いな人もいるかもしれません。「このままここに住み続けるなら犬を里親に出す」、もしくは「今すぐ住居を強制退去」、「罰金を請求」という状況になってしまう恐れがあります。いずれにせよ、飼い主さんにとっても、犬にとっても苦い思いをする羽目になります。
ペット不可のアパートやマンションで飼うことのメリットは、ひとつもありません。肩身の狭い生活は、飼い主さんも犬もストレスとなるので、必ずペット可の物件を選ぶようにしましょう。
トラブル③咬傷事故
犬が他の犬や人を噛む咬傷事故は、毎年多く報告されています。環境省自然環境局によると、犬による咬傷事故は平成27年度が4,373件、平成28年度が4,341件と発表しています。
犬による咬傷事故は、主に散歩中、又はドッグランでみられます。犬同士のケンカはヒートアップしやすく、リードでつながっていたとしても、犬の力は凄まじいものです。人間の力では制御できないでしょう。
また、小さなお子さんがふいに近づいてきて、驚いた犬が噛みつくケースも多いようです。相手側の犬や飼い主さん、お子さんを噛んだりケガをさせたとなれば、治療費などを請求されてしまうでしょう。
「うちはいい子だから」「小型犬だから」と過信せず、散歩中も十分に気を配りましょう。
トラブル④犬によるイタズラ、盗難
よく、道端や店頭のガードレールにリードを結ばれ、飼い主さんを待っている犬を見たことはありませんか?
このときにも、様々なトラブルに発展する場合があります。例えば、リードが外れて道路に飛び出してしまったり、通りすがりの人を噛んでしまったり、店頭の商品を破いてしまったり。それだけでなく、犬が盗まれる事件もありました。これらの事故や事件を防ぐには、犬から目を離してはいけないことが分かります。
まとめ
犬を飼っている人、飼いたいと思っている人は、少なからず理想の犬との生活があるでしょう。例えば、一緒に走り回りたい、フリスビーをしたい、公園でのんびりしたい、アジリティに挑戦してみたい、可愛い洋服を着せたい、など。ペット可のアパートやマンションが増え、犬を飼いやすい環境になっている近年、それは理想ではなく、現実的なものとなってきています。
しかし、犬を飼うということは多大な責任も伴います。人と犬が共生するには、覚悟が必要です。犬を家族の一員と見なすのであれば、本当の家族のように、周囲に迷惑をかけない、しつけをきちんと行う、周囲に愛される、そんな存在にならなければいけないのです。