犬のグループは10グループに分けられる
日本でも多くの種類の犬を見かけますが、一般社団法人である「ジャパンケネルクラブ(JKC)」では約200種類の犬種が登録されています。その200犬種は目的や形態、用途によって10のグループに分けられています。今回はその10のグループごとにどのような特徴を持ち、飼う際の注意点はあるのかなどをまとめてみました!
1.牧羊犬・牧畜犬
まず1グループは「牧羊犬・牧畜犬」グループです。このグループは名前の通り、家畜を誘導したり保護する目的を担っていた犬たちが属しています。日本国内でも有名な犬種ですと、ウェルシュ・コーギーやシェットランド・シープドッグ、ジャーマン・シェパードやボーダー・コリーなどが挙げられます。
牧羊犬を飼う際に注意したい点としては、家畜を誘導したり保護することを仕事としていた犬のため、警戒心が強く、吠え癖を持つ子が多い傾向にあります。元々は家畜を守るために警戒心を働かせ、吠えることで誘導していたからでしょう。
したがって、飼い主以外に懐きにくかったり、知らない人が家に来ると吠えて警戒してしまうといったことが考えられます。飼い主として信頼を得た上で、吠え癖を直すためのしつけを怠らないことが重要です。
2.使役犬
続くグループ2は「使役犬」です。主に番犬や警護、さらには作業を人間と共に行う、いわゆる仕事を持つことの多い犬種が子のグループに属しています。警察犬として有名なドーベルマンや農場などで作業をしていたバーニーズ・マウンテン・ドッグなどが挙げられます。
使役犬の多くは忠誠心が高い傾向にあります。そのため、飼う際は飼い主がリーダーであるということをしっかり認識させ、使役犬グループに属する犬たちにとって信頼の置けるパートナーとなってあげる事が非常に重要です。
また忠誠心が強いことから、飼い主を守ろうと他者や他の犬に対して警戒心が強くなる傾向も見られます。警戒心を出したところで、しっかり飼い主が落ち着かせてあげる事ができるよう、日々のトレーニングは欠かせません。
3.テリア
3つ目のグループにはテリア犬種が属しています。テリア犬種は元々、小さな動物を捕獲するための犬として活躍していた犬です。ジャック・ラッセル・テリアやノーフォーク・テリア、ヨークシャー・テリアなどもこのグループです。
猟犬の多くに言えることですが、テリアグループの犬たちも元々猟をするという目的を持っていたため、その頃の名残として気性の荒い一面を持っています。吠え癖がつきやすいグループですので、根気強く吠え癖を直していく必要があります。
また猟犬は運動量が非常に多いです。元気いっぱい動き回ることが大好きですので、体が小さくても散歩の量を少し多めにしたり、一緒に遊んであげる時間を毎日設けることでストレスを発散させてあげる事ができます。
4.ダックスフンド
日本でも人気のダックスフンド犬種は第4グループに属します。胴長短足の体型が可愛らしいダックスフンドですが、元々は地下に住む動物を狩猟する犬として開発された犬でした。
基本的に穏やかな性格をしている犬が多く、しつけに関しても特別言うことを聞かないといったことはないため、日本でも可愛らしい見た目と相まって人気が高いです。
しかし、胴長短足の犬にありがちな椎間板ヘルニアには注意が必要です。無理な運動をさせたり、段差を上り下りさせてしまうことで足腰に負担がかかり、ヘルニアを発症しやすくなりますので、極力飼い主が気を付けてあげる必要があります。
5.原始的な犬・スピッツ
第5グループには原始的と言われる古来からあまり遺伝子が変わっていない、外見が変化していないと考えられる犬や口元が尖ったような外見をしているスピッツ系の犬が含まれます。秋田犬や紀州犬などの日本犬、さらにサモエドやシベリアン・ハスキーなどもこのグループに振り分けられます。
闘争心が強い傾向がありますので、しっかりしつけをしなければ頑固な飼い主の言うことすら聞かない犬になってしまうこともあります。体格が大きい犬種も多く属しているため、しつけをしっかりしなければ手に負えなくなってしまうこともあり注意が必要です。
必要ならばドッグスクールなどに通わせ、ドッグトレーナーさんにしつけをいてもらうことも1つの手段として検討するべきでしょう。
6.嗅覚ハウンド
嗅覚ハウンドと呼ばれるグループには、ハウンド犬種の中でも嗅覚の優れた獣猟犬が属されています。バセットハウンドやダルメシアン、ビーグルなどが挙げられます。
嗅覚ハウンドグループに属している犬たちは元々狩猟犬のため、獲物を見つけると吠えることで仲間に知らせ狩りをします。そのため、現在でも吠え癖のある犬が比較的多く、やはりしつけの面では吠え癖に悩む飼い主さんが多いようです。
また食欲旺盛な食いしん坊な犬が多いことでも知られています。嗅覚が特に優れているからでしょうか。そのため、ごはんやおやつの与えすぎには十分注意しなければいけません。
7.ポインター・セター
第7グループの「ポインティングドッグ」グループは、自ら猟をすることを目的としていません。しかし、獲物を見つけるとハンドラーと呼ばれるパートナーにどこに獲物がいるかを知らせる役割を担っています。イングリッシュ・ポインターなどがこのグループに当てはまります。
このグループに属する犬を飼う場合、運動量が多いことを理解しておかなければいけません。しっかり運動させなければ運動不足になってしまうだけでなく、ストレスも溜まってしまいます。
8.上記7グループ以外の鳥猟犬
ここまでご紹介してきた7グループ以外の鳥猟犬には、アメリカン・コッカー・スパニエルやゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバーなどが当てはまります。
賢く穏やかな犬が多い傾向にありますが、上記7グループ以外の鳥猟犬と幅広い犬種が含まれているため、一概には言えません。
しかし、猟をしていたということもあり運動が好きな活発な犬が多く、飼い主に対する愛情深い面を持つ犬種が多く揃っています。飼う際には、しっかりしつけをし、十分に運動させてあげる事で素敵なパートナーになってくれるでしょう。
9.愛玩犬
愛玩犬グループには、家庭犬として古くから愛されていた犬種や、ペットとして改良された犬種などが属しています。シー・ズーやチワワ、パグ、プードル、マルチーズなど、日本国内でも人気の高い犬種が多く含まれています。
全体的に様々な種類の犬種が含まれているため、一概に「このような特徴がある」「飼う際はこの点に注意が必要」ということは言えません。
しかし、愛玩犬として属されている以上、可愛いからという理由で甘やかしすぎてしまったり、主従関係が逆転してしまうという事態は避けたいものです。しっかりしつけを行い、食事管理も怠らないことが大事です。
10.視覚ハウンド
先ほど嗅覚ハウンドグループがありましたが、第10グループは視覚ハウンドグループです。名前の通り、ハウンド犬種の中でも視覚が優れており、尚且つ走る能力の高い狩猟犬が含まれます。このグループにはグレーハウンドなどが当てはまります。
猟犬の中では気性が荒いという特徴もなく、穏やかな犬種が多い傾向にあります。しかし、走力が優れているということもあり、走ると非常に速いスピードを誇るため、散歩の際に急に走り出し、飼い主が追いつけなくなってしまうということがないように注意しましょう。
しっかり飼い主の指示に従えるようにしつけをし、興奮して走り出しそうになった際には「待て」など指示を出し、落ち着かせることができるように訓練しておくことが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。このようにジャパンケネルクラブでは多くの犬が10のグループに分けられています。それぞれ様々な特徴を持っているため、自分の愛犬はどのグループに属し、どのような特徴を持っているのかを理解しておくことで、より愛犬に対する理解度を深めることができるでしょう。