犬の水入れに潜む危険な細菌
犬の水入れは、とても基本的な生活必需品ですね。
様々な材質やデザインのものが市販され、愛犬のための水入れを選ぶのも楽しみのひとつです。
そんなふだん使っている犬の水入れの中で、思わぬ危険な細菌が繁殖していることがあるという、イギリスのハートブリー大学による研究結果が発表されました。
大変気になるこの研究についてご紹介します。
犬の水入れはどんな状態のとき、細菌を増やしやすい?
ハートプリー大学の研究チームは、犬の水入れの材質と、どのくらいの頻度で洗浄されているかによって、どのくらい細菌が繁殖しやすくなっているかを調べました。
この種の研究では、初めてのものです。
簡単に想像がつきますが、水入れは最低1日に1回はきれいに洗浄しないと、細菌がどんどん繁殖していくことになります。
長期間に渡って使用されている古い容器は、新しいものよりも細菌が繁殖しやすくなります。
残念ながら「長期間」というのが、どのくらいの期間を指すのかは具体的に述べられていませんでした。
また、水入れの材質について、プラスチック、陶器、ステンレススチールの3種類で比較がされました。
その結果、細菌の数が最も多いのはプラスチック、中でも長期間使用したプラスチックの水入れから、最も高い量の最近が検出されました。
しかし、大腸菌やMRSAを含む危険度の高い細菌は、陶器の水入れで最も多く検出されたそうです。
プラスチックは細かい傷が付きやすいので、そこが細菌繁殖の温床になりやすいと言われています。陶器は少し意外な感じがしますが、焼き物の表面にある目に見えない小さな穴のせいかもしれないですね。
このように今回の研究では、水入れの3つの材質の中で、ステンレススチール製が最も安全度が高いという結果が出ました。
ステンレス製の容器では、ひとつ注意点があります。
市販されている金属製の水入れには、ステンレス製に見えて実はアルミ製というものもたくさんあります。購入される時にはしっかりと材質を確認されるよう、お気をつけください。
犬の水入れは家庭内の汚染アイテム第3位!?
実は以前に行われたある調査では、犬の水入れは一般の家庭の中で、3番目に汚染されたアイテムであるということがわかっているそうです。
ちょっとショックな結果ですが、犬の水入れは毎回洗わず、空っぽになったら水を注ぎ足すだけという人もかなり多いので、それなら汚染度が高くなるのも当然ですね。
人間とペットの接触が増えるにつれて、動物と人間の間で共通の細菌の伝染に対する懸念も高まっています。
そのような細菌感染のリスクを低くするためにも、どこに危険があるのかを知っておくことはとても大切です。
犬の水入れに関する研究は今後も続けられ、上記3種類以外の材質や効果的な洗浄方法などを調査していく予定だそうです。
まとめ
イギリスのハートプリー大学の研究チームが発表した、犬の水入れが危険な細菌の温床になり、人間とペットの両方の健康を脅かす可能性があることをご紹介しました。
犬の水入れは、毎日必ずきれいに洗浄して乾かし、ステンレススチール製の器を使うことで、リスクを軽減することができます。
人間の食器をきれいにするように、犬のフードや水の容器も毎日清潔に保ち、犬も人間も健康に暮らしたいものですね。