昔は、家を守る番犬として活躍
昔の犬の役割
現在、犬は私たちに癒しや元気を与える「愛玩犬」として飼われていますが、昔は「番犬」として家や家族を守っていました。その活躍は中世の頃からで、犬は人とともに仕事をし、人を守ることをしてきたからです。
昔の犬の食事
栄養が考えられているドッグフードではなく、残飯が主流でした。
昔の犬の寿命
昔は、犬を飼っている家庭は多くはありませんでした。そのため、犬に対しての知識が乏しく、飼い方やしつけの方法、ワクチン接種、感染症予防などをあまりしていませんでした。そのため病気のリスクが高く、寿命は短い傾向にありました。
室内飼いが増えた理由
番犬として活躍していた犬ですが、なぜ室内飼いが増えたのでしょうか?そこには、私たちのライフスタイルの変化や少子化問題、人気犬種の傾向が関係しているのです。
住まいの変化
昔は、大きく広い家で大家族で暮らすという生活スタイルが主流でした。しかし現在は、戸建てであっても比較的小さい建物が多く、大家族であってもマンションやアパートで暮らす傾向にあります。また、一人暮らしの人が増えていることでも、集合住宅の需要が高まっています。改めて考えてみると、家の庭で走り回っている犬は最近あまり見かけませんね。
著しいペットブーム
実は、子供の数よりもペットの数の方が上回っていることをご存じですか?ペット可のマンションやアパートの増加、一人暮らしの人でも飼いやすい小型犬種の増加、子供が巣立ったことを機にペットを飼い始めるご夫婦など、ペット市場はうなぎ登りな状態です。
人気犬種の変化
40年ほど前はドーベルマンや日本犬、ハスキーなどが人気を博し、番犬として活躍していました。その後ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバー、チャウチャウなどが注目を集めました。これらの時代は、大型犬が人気犬種として上位を占めていましたが、ここ10数年で大きく変化があらわれています。
下記は、ジャパンケネルクラブが発表した2017年、2007年、2000年の犬種別登録頭数です。
2017年
- 1位:プードル(75,149頭)
- 2位:チワワ(49,954頭)
- 3位:ダックスフンド(25,156頭)
2007年
- 1位:ダックスフンド(93,073頭)
- 2位:チワワ(82,658頭)
- 3位:プードル(79,981頭)
2000年
- 1位:ダックスフンド(97,178頭)
- 2位:シ-ズ-(33,935頭)
- 3位:チワワ(32,172頭)
見て明確な通り、ここ約20年の人気犬種は小型犬であることが分かります。社会環境やライフスタイル、ペットへの意識の変化が、小型犬ブームを起こしているのかもしれません。
いつから室内飼いが主流になったのか
現在の人間は犬に対して、様々な例え方をします。家族の一員、人生のパートナー、親友、恋人…。昔の「番犬」としての役割は期待せず、共に暮らす「家族」として位置づけをしています。この「ペットに対しての認識の変化」が、室内飼いが主流となったタイミングではないかと思います。
まとめ
「番犬」が「家族」へと名を変え、犬に対して癒しを求める時代になりました。外の気温の変化に耐えながら、番犬として家族を守り、野生らしい生き方をする昔の犬。快適な空間で、栄養思考の食事を食べ、一心に可愛がられ長生きをする今の犬。
昔の犬か、今の犬か、室内飼いか、室外飼いか、各々メリットやデメリットがあるにせよ、犬にとってどれが幸せなのかを決めるには、私たち人間には何とも難題なものですね。