なぜ人間は『ペットロス』になってしまうのか?

なぜ人間は『ペットロス』になってしまうのか?

ペットを失うことによる喪失感や悲しみを『ペットロス』と言い、ペットロスによって引き起こされる心身の不調を『ペットロス症候群』と言います。日本で『ペットロス』という言葉が注目されるようになったのは、2000年頃からと言われていますが、なぜ人間は『ペットロス』になってしまうのでしょうか?

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『ペットロス』とは?

悲しみにくれる女性

『ペットロス』とは、ペットを失うこと自体や、ペットを失った飼い主の喪失感や悲しみのことを指します。
そして、喪失感や悲しみが大きすぎて、精神や身体に不調をきたす人もいます。その症状は、

  • 涙が止まらない
  • 情緒不安定
  • 摂食障害(拒食症、過食症)
  • 消化器疾患(胃潰瘍など)
  • 睡眠障害(不眠症)
  • 疲労感
  • 幻覚
  • 幻聴
  • 無気力
  • めまい
  • うつ病

など様々で、人によっては日常生活や人間関係に支障が出るほど深刻化してしまうケースもあり、問題視されています。
ペットを失うことによって引き起こされるこうした症状は、『ペットロス症候群』と呼ばれます。

ペットロスになるのは、病気や事故などによってペットと死に別れたときだけではありません。
行方不明などによる生き別れでも、ペットロスになる可能性があります。

死に別れにせよ生き別れにせよ、なぜ私たち人間はペットを失ったときに、ペットロスになってしまうのでしょうか?その理由を2つご紹介していきます。

人間が『ペットロス』になる理由①ペットの存在が大きいから

女性とおでこをくっつけるゴールデン・レトリーバー

日本では数十年前まで、犬は番犬として外で飼われていました。
しかし、年代を経るに従って、少子化や核家族化が進み、単身世帯の数も増え、犬をはじめとするペットたちは、家族の一員として迎え入れられるようになりました。
昔は外で飼われていた犬たちも、今は室内で飼うのが一般的となり、人間の生活に密接に関わっています。

このように、家庭内におけるペットの立場は変化し、それによって人間にとってペットの存在は大きなものになっています。
今や、『コンパニオン・アニマル(伴侶動物)』という言葉が登場しているほどです。
家族や伴侶として位置づけられて存在が大きくなった分、その存在を失ったときのショックは大きく、ペットロスに陥りやすくなります。

人間が『ペットロス』になる理由②ペットの寿命が延びているから

高齢のパピヨンの顔アップ

今は、獣医学の進歩によって、多くの感染症が予防できるようになり、治療できる病気も増えてきています。
CTやMRIといった高度な医療機器を導入している動物病院もあり、病気やケガの早期発見・早期治療につながっています。

また、昔は人間の食事の残り物を食べるのが当たり前だった犬や猫たちでしたが、今はドッグフードやキャットフードが広く普及し、栄養状態がよくなりました。

こうしたことが要因となって、犬や猫の寿命は延び、一般社団法人ペットフード協会が毎年行っている『全国犬猫飼育実態調査』では、2017年の犬の平均寿命は14.19歳、猫の平均寿命は15.33歳という結果が出ています。
20年前と比べると数倍、犬も猫も長生きになっています。

ペットの寿命が延びたということは、それだけペットと暮らす時間が長くなったということです。ペットと暮らす時間が長くなればなるほど、愛情や絆は深まり、ペットとの別れもつらく悲しいものになります。そして、ペットロスを経験することになるのです。

まとめ

大草原を走る2頭の犬と青空

人間が『ペットロス』になる理由を2つご紹介しましたが、2つの理由を総合すると、ペットを深く愛するが故に、人間はペットロスになってしまうと言えるのかもしれません。

ペットを失ったときに、その悲しみを無理やり封印してしまうと、ペットロスが長引き、回復しにくいと言われています。
ペットロスを乗り越える過程として、思いっきり泣いてどっぷり悲しみに浸ったり、サポートグループに参加して同じ悲しみを持つ人たちと語り合ったりするなど、愛するペットを失った悲しみを吐き出すのは大切なことです。

ペットロスからうつ病になってしまうこともあります。
愛するペットを失ってしまったあと、なかなか心の平穏が取り戻せずに心身の不調が長く続く場合は、精神科や心療内科を受診することを視野に入れましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    50代以上 女性 匿名

    まだ元気ですが、2匹の愛犬のうちの一匹がメラノーマになってしまい、抗がん治療中です。
    4月の10歳の誕生日直後での発見から、手術2回、抗がん治療5回とあっという間に過ぎました。余命は1年と宣告され、それからずっと頭からそのことが離れず、最近自分が変だなと感じる事が…。再発もせず、無事に半年過ぎたのに気持ちは落ち込んで行くばかり…。頑張ろうね❗って話しかけているのに、涙が出たり…。本当に居なくなってしまったら、どうなるのか心配です。
    もう一匹の愛犬はもうすぐ14歳。続けて逝くことも考えてしまったり…。すでに半分ペットロス状態。ペットロスは居なくなってからだけじゃないんだなと思う毎日です。
  • 投稿者

    20代 男性 匿名

    うちの犬はもう家に迎えて10年以上経ちました。犬が居なかった時間より居る時間の方が長く感じます。既に当たり前に居た犬が居なくなった時どう思いますか?俺だったら一日二日は静かだなと思う。三日四日となれば何か少し感じか違うな、そしてしばらくたって気づくのです。もう居ないんだと。当たり前にいた愛犬はもう居ない。そう思うと悲しみます。俺の愛犬ももうシニア期に入り5年ほど経ちました。いつどうなるか解らない。もう何年も生きられる訳ない。恐らく俺もペットロスになるだろう。暇潰しの道具のように扱おうと可愛がるぬいぐるみのように扱おうと必ず。コイツはもう俺の最高のバディ、もうひとつの俺だから。道具、ぬいぐるみとか言ってるけどバディとして変わらない強い絆がある。だから俺はペットロスになる。すぐに立ち直れるとは思わない。でも早く立ち直るのが愛犬のため。悲しませるために旅たった訳じゃない。生きてる間残した思い出が沢山あるだろう。その日々を思い出してほしい、愛犬はそう願っているはず。そのあと新しいペットを飼うも良し飼わないも良し。大切な思い出は何年たっても色褪せません
    匿名の投稿画像
  • 投稿者

    50代以上 女性 匿名

    小学生の頃から14年飼ったワンちゃんを亡くし、ひどいロスになりました。食欲も睡眠欲も無くなり、当時の職場も1週間まるまる休んでしまいました(理解ある愛犬家の上司にめぐまれいた)。
    もう二度と飼わない飼えない!…と思ってから25年経ち、自分も年を重ねて人生経験豊かになり、ようやく新しいワンちゃんを迎えることが出来ました。年齢的にも自分で飼える最後のワンちゃんだと思いますが、身内や知人との別れも体験してきた今なら、昔のように悲しむだけではなく感謝の意を持てると思います。

  • 投稿者

    50代以上 男性 みずかまきり

    人がある程度の年齢で亡くなるのは、悲しいですが、しかなないことと思えます。でも、まだ若いうちに亡くなると、どうしようもなく悲しくなります。さらに、自分の子供が親より先に亡くなったとしたら、耐え難い悲しみに包まれて、自分がどうなってしまうか、想像もつきません。ペットロスは、ペットは自分にとって、たとえその生き物の年齢として自分より上の年だとしても、飼い主の自分からしてみれば、いつまでも子供の感覚なので、悲しくなるんだと思います。いまから50年以上も前の小学生の時、飼っていた年数は5年ぐらいでしたが、今でも亡くなった時の悲しみは、忘れられません。
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