犬のための生肉食パックや加熱冷蔵食を与えた時の体の反応【研究結果】

犬のための生肉食パックや加熱冷蔵食を与えた時の体の反応【研究結果】

最近では犬のための食事はドライフードだけでなく、いろいろな形態のものが市場に出ています。そのような新しい形のドッグフードの健康面での影響を探るために行われた研究の結果をご紹介します。

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新しい形態の犬の食事の研究

生肉ボウルとジャックラッセルテリア

犬のための食事と言えば、長年ドライフードが大部分を占めてきました。しかし近年、アメリカのドッグフード売場には冷蔵庫が設置され、保存料不使用のため冷蔵が必要な加熱調理食や、加熱していない生肉食がパッケージになって販売されています。

これらの新しい形態のフードは、愛犬により健康的な食事を食べさせたいと考える飼い主たちに人気ですが、実際に犬の健康にどのような影響があるのか、厳密な研究はほとんどありませんでした。

このたび、アメリカのイリノイ大学の研究者とドッグフードメーカーが共同で、ドライフードと新形態のフードの比較研究を発表しました。

3種類の市販フードを比較

ドッグフードが入った3つのボウル

研究者は市販されている3種類のドッグフードの嗜好性と消化性の試験を行いました。
3種類のフードは、

  • 冷蔵加熱食(肉、野菜、穀物などをミートボール状にして加熱調理したものをパックし、冷蔵で販売)
  • 冷蔵加熱食(上のものと同じ形状で穀物抜き)
  • 生肉食(生肉に野菜や果物、骨を加えたものソーセージ状に成形、冷蔵で販売)

全てのフードはチキンベースです。

これらのフードを8匹のビーグルに各種類を1か月連続して給餌しました。

この調査以前は、ビーグルたちは市販のドライフードを食べていたので、調査開始時のデータがドライフードを食べているときの体の状態ということになります。

その後、違う種類のフードに変えてそれぞれ15日目以降に、身体活動の観察、尿サンプル、便サンプル、血液を採取して分析を行いました。

分析の結果は?

ドライドッグフード

採取したサンプルからの分析の結果、冷蔵加熱食はドライフードよりも、消化しやすいことが判りました。

穀物抜きの冷蔵加熱食と生肉食では、フードそのものに含まれる脂肪分がドライフードよりも高いにも関わらず、血液中の中性脂肪の値が低くなっていました。

さらに、3種類のフード全部がドライフードを食べていたときと比較して、腸内の微生物群に大きな変化をもたらしました。

研究者はこの変化を、どちらが良い悪いということではなく、とにかく全く違う微生物叢になったと述べています。

全ての犬が研究期間全般を通じて健康で、3種全てのフードに高い嗜好性を示しました。消化性も高く、便の状態も良好でした。また犬たちの活動レベルには、どのフードを食べているときも大きな変化は見られませんでした。

研究者は従来のドライフードも含めて、これら市販のフードは安全で健康的であると結論づけました。

まとめ

生肉フードの入った器を持つ人とシーズー

加熱調理した食材、又は生肉食をパックして冷蔵で市販しているドッグフードが犬の身体にどのように影響するかという研究の結果をご紹介しました。

従来のドライフードも、このような新形態のフードも、どちらも犬にとって良いものであるという結論が出されたわけですが、この研究は大学の研究室によるものとはいえ、ドッグフードメーカーが協力して行っているということは心に留めておくと良いと思います。

決してそれが悪いというわけではなく、ドッグフードメーカーが科学者と協力し合ってフードの研究をしていることは、消費者にとってもありがたいことです。

けれども機会があれば、フードメーカーが関わっていない研究結果と比べてみることで、新たに見えてくることもあるかもしれません。

今回ご紹介したような形態のフードは、アメリカでは人気が高まってきているものです。
手作り食や食材を買ってきて生で与える形態に比べて、手軽で栄養のバランスを心配する必要もないという利点があります。

日本ではあまり見かけない形態ですが、犬の食事の選択肢が増えるのは飼い主にとっても嬉しいことですね。

《参考》
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/08/180823171030.htm

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