犬がタマネギを食べたときに起こる危険な症状
タマネギは犬が食べてしまうと非常に危険な食材として多くの人が知っています。そのため、飼い主さんも特に注意していることでしょう。では、具体的にタマネギを口にしてしまった場合、どのような危険症状が現われるのでしょうか。
1.嘔吐や下痢
犬がタマネギを食べてしまうと、タマネギ中毒と呼ばれる症状を起こします。その最も多い症状のうちの1つが嘔吐・下痢です。どちらか一方の症状が出るケースと両方(嘔吐と下痢)の症状が同時期に発症するケースがあります。
嘔吐と下痢は中毒症状が発症した場合によくある症状です。毒性の物質を体外に排出しようとする働きが活発化し、嘔吐と下痢という症状となって現われます。
特にタマネギのように犬にとって毒性の強い食材の場合は同時に発症するケースも珍しくありません。この症状と共に食欲不振の症状も見られますので、当てはまったらタマネギなどの毒性の食材を食べた可能性を考え、病院へ連れて行きましょう。
2.溶血性貧血
タマネギ中毒の症状はどれも非常に怖いものばかりです。しかし、その中でも特に怖い症状が「溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)」でしょう。
これはタマネギを始めとしたネギ科の食材すべてに含まれるn-プロピルジスフィルドという化学物質が原因となり起こります。この化学物質が犬の体内に流れている赤血球を破壊してしまうことにより、貧血症状が引き起こされます。
赤血球は全身に酸素を送り込む働きを持っているため、この赤血球が破壊されてしまうことにより酸素が行き渡らなくなります。すると呼吸困難に陥ったり、粘膜蒼白になったりします。他にも、血尿や黄疸が出ることがあります。
3.痙攣
3つ目の症状として痙攣することがあります。痙攣する少し前は落ち着きがなくなったり、不安そうな態度をとったりするため、飼い主さんも「いつもと違うな」と違和感を感じる方も多いです。
その後、全身をぴくぴくと震わせながら痙攣の症状を引き起こすことが多いのですが、この時、意識がある犬とない犬がいます。中には意識がなくても口を動かしたり、失禁してしまうこともあります。
痙攣しながら嘔吐してしまう犬もいるため、まずは飼い主さんが落ち着き、嘔吐物で窒息しないよう犬の顔を横向きにさせましょう。
タマネギを口にしてから症状が出るまで
犬がタマネギを口にしてしまうと、非常に恐ろしい症状が起き、最悪の場合、死に至ってしまう可能性があるということを理解していただけたのではないでしょうか。では、犬がタマネギを口にしてから症状が出るまでは、どのくらいの時間かかるのでしょうか。
実は犬がタマネギを口にしてから症状が出るまでの時間は、口にした直後ではありません。基本的には24時間以内に症状が出ることが多いですが、中には1~2日後に症状が出ることもあります。
「タマネギを口にしちゃったけれど、症状が出ないから大丈夫かな?」と軽く考えず、少しでも口にしたことがわかったら、すぐに病院へ連れて行くようにしましょう。
もしも口にしてしまったら…
いくら飼い主さんが気を付けていても、料理中に落としてしまったタマネギの端をパッと食べてしまうということもあります。では、もしも愛犬がタマネギを口にしてしまったら、どうすれば良いのでしょうか。
このような時に飼い主さんがするべき行動は、まず病院へ連れて行くことです。タマネギ中毒は非常に怖い症状を起こすため、病院へ行き吐かせる処置をしてもらわなければ死に至る危険性があります。食べてから時間が経過した場合は吐かせる処置をしても無効ですので、気づいたらすぐに動物病院に連絡することが大切です。
飲み込んでしまうと飼い主さんでは対処できないので、早急に病院へ連れて行き、獣医さんにお願いしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。タマネギは犬に様々な症状を引き起こさせる食材です。普段から特に注意し、もしも口にしてしまったら、すぐに病院へ連れて行き、獣医さんに処置してもらうようにしましょう。