ドッグフードが遂げてきた変化
店頭やオンラインショップでズラッと並んでいる様々な種類のドッグフード。獣医学臨床栄養の専門家であるコロラド州立大学のストックマン博士によると、実は過去20年くらいの間に多くの変化があったのだそうです。
例えば、ペットにまつわる大きな健康問題のひとつ「肥満」についての理解が深くなったおかげで、栄養と肥満の関係、肥満のコントロールがよりクリアになりました。栄養ガイドラインも肥満に配慮したものになっているそうです。
他の面でもペットフードの内容は良い方向に変わりつつありますが、今後さらに改善するべき部分もたくさんあります。
これからのペットフードが進んでいくであろう道は3つの傾向があります。
より具体的にターゲットを絞ったレシピ
ペットフードは基本的に栄養のバランスが取れているものです。
体重を目安にした給餌量を与えていれば必要な栄養素は含まれているのですが、今後はさらにその内容を吟味して調整し、個別のペットに最適な量や栄養の理想に近づけていくことが模索されています。
特に注目されるのはシニア向けフードです。
テネシー大学獣医学部のマーフィー博士によると、
とのことです。
新しいタンパク源の開発
現在のドッグフードやキャットフードのタンパク源は、チキン、ビーフ、魚など人間のためのタンパク質とほぼ同じものです。
前述のストックマン博士は、50年後には人口に対して必要なタンパク質が現在の約2倍になるだろうと予測しています。
そのような未来に備えて、新しいタンパク源の開発は必須事項です。有力視されているのは豆類と菌類です。植物性のタンパク質では動物に必要なアミノ酸が全て含まれるような方法を見つけることが課題です。
また未来のタンパク源として真剣に開発が行われているのが栄養的にたいへん優れている昆虫類です。クリケットやミールウォームを使ったペットフードは未来の犬たちにとってごく普通のものになるかもしれません。
科学的な裏付けのある栄養評価
この数年、ドッグフードの世界では生食が大きなトレンドでした。毛艶が良くなった、皮膚が健康になった、元気になったなど、良い評判がたくさん聞こえてきますが、これらに関しての科学的な裏付けやデータは発表されていません。
けれどもこれも近い将来に変化していくだろうと考えられる点のひとつです。犬の栄養学に関する研究や給餌試験は増えています。
生食はほんの一例で、他にはグレインフリー、低炭水化物なども科学的な裏付けがされていくだろうと目されているものです。
具体的に何がどのように違うのかが科学的に証明されたフードが増えていくというのが、今後の傾向と思われます。
まとめ
ペットフードが今後どのように変化していくのか、予想される傾向をご紹介しました。
現在でも種類が多すぎて目眩がしそうなのに、今後さらに細分化されたり、新しいタンパク源が増えたりすると、もっとたいへんそうですね。
新しいタンパク源などは消費者もある程度は勉強して知っておく必要が有りそうです。
上にあげたような研究が広がれば、科学的な裏付けまたは否定がわかりやすく示され、消費者の選択の助けになると考えられます。
未来のペットフード、未来の犬たちはどんな顔で食べるのか興味がつきませんね。
《参考》
https://www.petmd.com/dog/nutrition/future-pet-food-trends-watch