愛することと甘やかすこと
自分の愛犬が一番かわいいと思うのは、どの飼い主さんも同じですよね。家族と同様に愛犬のことを心から愛しているという飼い主さんも多いと思います。しかし、かわいさのあまりに愛犬を過剰に甘やかしてはいませんか?
愛するということと、甘やかすということは異なります。たっぷり愛情を注ぐことはもちろん大切ですが、犬がしたいように何でもさせてしまう、つまり甘やかしてしまうと愛犬にとっても悪影響を及ぼしてしまいます。
甘やかす気持ちの裏側には愛情があるかもしれませんが、本当に愛犬ことを愛するならば愛犬の「生きやすさ」を何よりも重視して考えてあげましょう。犬がしたいように何でもさせることが犬にとっての幸せとは限りません。
今回は「犬を甘やかしすぎると起こる悪影響3つ」をご紹介します。
犬を甘やかしすぎると起こる3つの悪影響
1.しつけがされずに生きづらさを感じる
まずは甘やかすことの代表ともいえるのが「しつけをしない」という行動です。「かわいい我が子にしつけをするなんて可哀想」なんて言って、しつけを一切しない飼い主さんがいます。しつけをしないことは本当に可哀想なことなのでしょうか?
そもそもしつけとは犬が「人間社会で暮らしやすく」なるためには必要不可欠なものです。
犬の好きなようにさせ、しつけをされずに育った場合「吠えや噛み付きの制御ができない」「トイレのコントロールができない」「オイデやマテなどができない」といったことが起こります。
吠えや噛み付きを制御できない場合、人間社会では「問題行動」だとみなされてしまい、犬自体を煙たい存在にしてしまいます。また、トイレのコントロールができずに家中が汚れることは飼い主さん自身のストレスになりますし、犬の生活環境としても不衛生です。
オイデやマテといったコマンドができないことは、散歩での飛び出しや拾い食いなどを起こす可能性があり、犬の命を危険にさらすことにもなります。
しつけをしないという人がなぜしつけが可哀想と思うかというと、ほとんどの場合が怒鳴ったり、叩いたり、犬に我慢させることに対して可哀想だと思うようです。
しかし、しつけをされないことで「必要以上」に怒られることにもなります。また、しつけをする際に怒鳴ったり、叩いたりする必要は一つもありません。犬はとても賢い動物です。信頼関係を結んだ飼い主さんにしつけをされることは、決して苦しいものでもないのです。
2.一人で過ごせない犬になってしまう
四六時中、愛犬と一緒というのも甘やかしが加速する要因です。家の中では常に膝の上、出かけるときも常に一緒、どんな場所にでも連れて行く。そんな生活を続けていると、犬は飼い主さんがいなくては不安で仕方がなくなってしまいます。
結果的に一人になると不安で寂しくて不安定な犬になってしまいます。犬自身が苦しい思いをします。四六時中くっついておくことが可愛がることではありません。「犬が一人の時にも心を穏やかに、安心して暮らすことができる」。そんな環境を作ることこそ愛犬を愛している証拠ではないでしょうか。
3.肥満などの健康に問題が起きる
例えば「犬が欲しがるから」と、欲しがるだけ愛犬へ食事やおやつを与えていませんか?犬が人間と暮らす場合、その食事や体重を管理するのは飼い主さんです。犬は自分で食べ物を選ぶことはできません。肥満犬を作り出すのは飼い主さんです。欲しがった犬が悪いのではありません。
「犬には犬の食べ物を適切な量与える」。これは犬を飼育する以上は守らなくてはいけません。いくら可愛いからといって、人間が食べているものや欲しがるだけ食べ物を与えるようなことは虐待と同じなのです。
まとめ
今回は「しつけをしない」「四六時中一緒にいる」「好きなだけ食べ物を与える」といった、よくある甘やかしの行動とその悪影響をご紹介しました。
どんなに可愛くても犬は人間とは異なる動物です。人間のおもちゃでもありません。甘やかすことと愛することを間違えないように、本当の意味で愛犬が暮らしやすい生活をさせてあげられるように、ぜひ甘やかしすぎることのリスクを考えてみてくださいね。