ノーズワークとは?
犬の遊びやスポーツと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?遊びならばおもちゃを与えることで一緒に遊ぶという方法や、ドッグランに連れて行ってあげるという方法が思い浮かぶという人が多いでしょう。
しかし、スポーツと聞くと少しハードルが高く感じますよね。例えば障害物を乗り越えてゴールへ向かうテレビなどでも見かけるスポーツは、様々な指示を聞いたり、犬自身が飛び越える方法を覚えたりしなければできないため、すべての犬ができるかと聞かれると首を縦には振れません。
しかし、ノーズワークは体力もあまり使用することなく、また犬が本来持ち合わせている「嗅ぐ」という行為だけを使用して行うスポーツのため、ほとんどの犬が遊ぶことができるのです。優れた嗅覚を持っている犬だからこそ楽しめるスポーツと言えるでしょう。
実際にどのようなスポーツか、具体的に説明していきましょう。このノーズワークは、簡単に言ってしまえば、ある特定の匂いを嗅がせ、その匂いを探させるというスポーツです。実はこれ、警察犬が訓練に行うスポーツの1つなのです。
もちろん、最初は「何をすればいいの?」と犬も「匂いを嗅ぎ探す」という行為がわかりません。しかし何度か行う内に自分で嗅いだ匂いを探すという行為を自然と覚えていきます。これは元々犬が持つ習性が関係しているようです。
保護犬たちの遊びが流行に!
そしてこのノーズワークは、元々アメリカの保護施設で保護された犬たちを対象に行われていた遊びであるというところが発祥元です。様々な理由で心身共に傷ついた犬たちに、娯楽として楽しんでもらうために生み出された遊びなんだそうです。
これが次第に世間に知れ渡るようになり、「実際にうちの犬にもやらせてみよう!」と遊ばせる家庭が増え、流行となっていったのです。
散歩は運動不足解消だけでなく、犬の野性的本能を満たすためにも効果的という話は有名ですが、このノーズワークも「嗅ぐ」という行為を存分に楽しむ遊びですので、行った後は犬が本能を満たすことができ、満足状態に浸ることができるといいます。
高齢犬でもできる遊び
ここまで紹介してきたように、ノーズワークは嗅ぐことで、その匂いがどこにあるかを探すスポーツです。そのため、基本的には激しい運動ではなく、体力もあまり使わないことから、どんな犬であっても遊ぶことが可能です。
老化が進んでしまったシニア犬の場合、なかなか外に出てスポーツをさせるというのは難しいですよね。しかし、家の中でノーズワークを行う程度であれば、嗅覚と歩行ができれば問題ないため、高齢犬であっても楽しむことができるのです。
また最初にも話したとおり、難しい指示などを覚えさせる必要がないことも特徴の1つです。ただ犬に匂いを嗅がせ、手で「行きなさい」と合図をすれば良いのです。最初はこの合図も理解することができないかもしれませんが、やっていく内に徐々に方法を覚えていきますので安心してください。
ノーズワークの基本のやり方をご紹介!
では、ここまでノーズワークについて様々な説明をしてきましたが、いよいよノーズワークの基本のやり方をご紹介します。ぜひ今日から愛犬と一緒に楽しんでみてくださいね!
犬に探させるおやつは1種類に限定
まず探させる匂いの元はおやつが有効です。特に最初はなるべく匂いの強いおやつを選ぶようにしましょう。また、何種類も用意してしまうと探しにくくなってしまうという欠点が浮上する上、今後飼い主が留守中に自分で探し始めてしまうという危険性も考えられます。
したがって、ノーズワークに使用するおやつは必ず1種類と決め、毎回同じおやつを使用するように心がけましょう。ノーズワーク用のおやつを用意しても良いかもしれませんね。
最初は狭い範囲内で行う
次にノーズワークをするため、飼い主の手元に持つおやつと、それと同様のおやつを隠す必要があります。しかし、始めから広範囲の中に隠してしまうと、犬も何が何だかわからなくなってしまいます。
そこで、柵などを使用して狭い範囲を対象にし、その中に障害物となるような段ボールなどを入れて行います。障害物のいずれかにおやつを隠し、愛犬に匂いを嗅がせ、準備ができたらさっそくサークルの中に入れて探索開始です。
これだけでは探さないのでは、と思う方もいるかもしれませんが、犬の嗅覚は非常に優れているため、近くにおやつの匂いがすれば、すぐに気付くことができます。「おやつだ!」とわかれば犬の本能的にそちらに向かいますので、これでノーズワークは達成です。
探すことができたら褒める
そして最後に、愛犬がおやつを探し当て、食べることができたら愛犬に伝わるように褒めてあげましょう。「よくできたね~!」と撫でてあげることで、本能を満たされた上、飼い主さんに褒められたという喜びを実感することができます。
また狭い範囲で慣れてきたら、少しずつ範囲を拡大していき、最終的には広範囲でノーズワークを行わせるようにしましょう。そうすることで、より犬としての本来持つ嗅覚の本能を満たすことができますよ!
まとめ
いかがでしたでしょうか。スポーツと言われると難しいように感じますが、ノーズワークであれば狭い範囲でもできる上、難しいルールや指示もないため、どのような犬でも楽しむことができます。ぜひ時間が余った際に試してみてくださいね!