愛犬に友達を作る必要はあるの?
あなたの愛犬に友達はいますか?愛犬に友達がいない場合、よその犬同士が楽しそうに遊んでいる様子を見ると、「やっぱり犬にも友達って必要なの?」と考えたり、「うちの子にも友達を作ってあげたい!」なんて考えてしまったりする飼い主さんは少なくないと思います。
では、愛犬に友達を作る必要はあるのでしょうか?上手な友達の作り方や注意点は?それぞれご紹介していきます。
社会性を身につけるために友達は必要
子犬は犬同士のじゃれ合いや遊びの中で、犬同士のあいさつの仕方やカーミングシグナル、じゃれ合うときの力加減など、犬社会の大切なルールを多く学びます。
こうしたルールは、犬ひとりでは学ぶことができませんし、飼い主さんでは教えられないこともあります。ですから犬にとって友達は、遊び仲間として以上に社会性を身につけるために必要と言えるでしょう。
子犬のときに犬同士で遊んだ経験が少ないと社会性が十分に身につかず、他の犬に対して攻撃的になったり怯えたりすることがあります。また、他の犬と会う機会の多い散歩がストレスになってしまうかもしれません。
成犬になってからの友達は必ずしも必要なわけではない
社会性を身につける社会化は継続していく必要がありますし、犬同士での遊びには飼い主さんとの遊びとは違った楽しさがあるので、成犬になってからも友達はいたほうがいいでしょう。
ですが、中には性格的に犬が苦手という子もいます。そういう子には無理に友達を作る必要はありません。散歩中に他の犬と出会ったときに、攻撃的になったり怯えたりせずにすれ違うことができれば問題ないでしょう。
上手な友達の作り方は?
愛犬に友達を作る場合、飼い主さんはどうしてあげたらいいのでしょうか?
子犬には多くの犬と接する機会を設ける
子犬の場合は、多くの犬と接する機会を設けてあげましょう。パピークラスやパピーパーティーに参加したり、散歩で出会った犬や知人の犬と触れ合ったりすることで、社交性を身につけることができます。
子犬のときにしっかり社会性を身につけておくと、成犬になっても犬見知りせずにいろいろな犬と仲良しになれるでしょう。
成犬の友達作りは焦らず、無理をさせない
社会化不足のまま成犬になってしまったり、性格的に他の犬と接したりすることが苦手な場合は、友達を作るのに時間がかかることがあります。大切なのは飼い主さんが焦らないことと、愛犬に無理をさせないことです。
愛犬が嫌がっているのに無理やり他の犬に接触させると、他の犬との接触が嫌な体験となって、他の犬がさらに苦手になってしまう可能性があります。逆に相手の犬のほうが怖がっていたり嫌がっている場合や、どちらかが興奮しすぎている場合も接触は避けたほうがいいでしょう。
愛犬に友達を作るときはいきなり遊ばせるのではなく、愛犬と相手の犬の様子をしっかり観察して、お互いに落ち着いているときにあいさつをさせるところから始めましょう。
あいさつをさせる前に、相手の犬が落ち着いている状態なのかを確認する意味でも、あいさつをさせても大丈夫か相手の飼い主さんに聞くことを忘れないでくださいね。
愛犬に友達を作るときの注意点は?
愛犬に友達を作るときの注意点を4つご紹介します。
①犬同士の相性を見極める
犬同士にも人間と同じように相性の良し悪しがあります。相性が悪い犬同士はケンカになる可能性が高いので、犬同士の相性を飼い主さんがしっかり見極めてあげる必要があります。
性格だけではなく体格や年齢なども含めて、愛犬との相性を見極めてあげましょう。ちなみに、同じ犬種同士は比較的相性がいいと言われています。
②無理強いをしない
先ほども触れましたが、愛犬に無理強いをしてはいけません。
散歩中に他の犬と出会い、愛犬が嫌がっているのに「ほら、お友達よ~」と無理やりリードを引っ張って相手の犬に近づけるのはNGです。ますます他の犬が苦手になってしまうばかりではなく、飼い主さんへの信頼度が低くなってしまう可能性もあります。また、場合によっては愛犬の恐怖が頂点に達して、相手の犬を攻撃してしまうこともあります。
「友達を作ってあげなきゃ!」と焦らずに、愛犬のペースに合わせてあげましょう。
③犬同士をあいさつさせるときはリードを長めに持つ
犬同士が仲良しになるには、まずはあいさつから始まります。犬同士のあいさつとは、お互いのお尻のにおいを嗅ぎ合って情報交換をすることです。
相手の飼い主さんからOKをもらって犬同士をあいさつさせるときに、飼い主さんがリードを短く持ってしまっては相手のにおいをきちんと嗅ぐことができません。また、犬が後方に引かれて胸を張った姿勢になってしまいます。この姿勢は攻撃を意味するので、ケンカを仕掛けようとしていると相手の犬に誤解される可能性があります。
犬同士をあいさつさせるときは、犬がある程度自由に動けるようにリードは長めに持ちましょう。
④犬たちから目を離さない
初めのうちは犬同士友好的にあいさつしたりじゃれ合ったりしていても、次第に興奮してきてケンカになってしまうこともあります。
飼い主さん同士がおしゃべりに夢中になっている間に犬同士のケンカが勃発!などいうトラブルを防ぐために、犬たちから目を離さないようにしましょう。そして、どちらかの犬に興奮している様子が見られたときは、相手の犬から離れるようにします。愛犬を制止したり呼び戻したりできるように、普段からトレーニングしておくことも大切です。
もし制御不能なくらいのケンカになった場合は、仲裁しようとして下手に手を出すとパニック状態の犬たちに噛まれる恐れがあります。こういう場合は、飼い主さんの上着などで犬と犬の間に壁を作りましょう。
まとめ
社会性を身につけるために愛犬に友達は必要です。友達がいれば、犬同士でしかできない遊びを楽しむこともできます。
愛犬の友達作りには、飼い主さんの冷静な観察と適切な判断が欠かせません。ぜひ、愛犬の友達作りに協力してあげましょう。
とはいえ、中には他の犬が苦手な犬もいます。他の犬が苦手な場合は、無理に友達を作る必要はありません。他の犬と出会ったときに、落ち着いた状態ですれ違うことができれば、「良し」としましょう。