アルファシンドロームとは?
アルファシンドロームは家族の中で、犬が一番偉く他の家族は自分よりも下だと勘違いしている状態のことです。
アルファシンドロームのアルファとは順位が頂点の犬のことをさします。
犬は順位を決めたがるので、飼い主さんは犬の上に立たなければなりません。
しかし、飼い主さんが犬よりも下の行動をとっていたり、犬が従わなかったりすると、犬は自分が飼い主さんよりも上だと勘違いしてしまいます。
犬は自分が優位だと思っている場合は威嚇をすることがあります。歯をむいて唸り声をあげます。
犬に対して飼い主さんが物を取り上げたり、体を触ったり、目線を合わせたりといった優位の行動をとると威嚇されます。
犬の中では飼い主さんは順位が下なので、威嚇をして自分のほうが上だとわからせようとするのです。
アルファシンドロームの原因
アルファシンドロームになる原因は、飼い主さんがリーダーシップを確立できなかったことにあります。
犬の要求に対して飼い主さんが全て応える状態のときにアルファシンドロームになりがちです。
- 唸ったら物を譲る
- 鳴いたらご飯やおやつをあげる
- 肩より高い位置で抱く
- 一緒に寝る
- 散歩のときに犬が引っ張る
こういった行動を積み重ねることで、犬は自分が家族のリーダーだと勘違いしてしまいます。
そして飼い主さんが優位だということを示そうとすると、自分への挑戦だと思い威嚇して言うことをきかせようとします。
アルファシンドロームになってしまっている場合は、リーダーシップの再確立が必要です。しかしやり方を間違えると飼い主さんが怪我をしてしまったり、犬が余計に威嚇するようになってしまうので少しずつやっていきましょう。
人間がリーダーになるためのトレーニング方6つ
飼い主さんがリーダーになるためには犬の主導権を認めず、犬の要求に従わないといったことが必要となります。
どのような行動で主導権を握ることができるのか見ていきましょう。
①食事は飼い主さんが先に食べる
飼い主さんと犬の食事時間が重なるような場合には、必ず飼い主さんから食事を始めてください。
犬の食器は飼い主さんや家族の食事が終わるまで、犬の口の届く場所には置かないようにしましょう。
食事が始まって数分たてば犬に食事を与えてもOKです。
②遊びの主導権は飼い主さんに
犬と遊ぶときは必ず飼い主さんが主導権を握るようにしましょう。
例えばボールで遊ぶ場合は、飼い主さんがボールを持ち出してきてスタートします。そして飼い主さんの意思でボール遊びを終わらせましょう。
犬がまだ遊びたいようであれば別の遊びを行って下さい。
また、引っ張りっこは必ず勝つようにしましょう。もし勝つ自信がないのであれば避けたほうが良いでしょう。
③マズルコントロール
犬のマズルの上に手を置き、そのまま数秒間軽く押さえてみて下さい。
嫌がらないようであれば飼い主さんをリーダーと認めているのかもしれません。
犬の社会では順位が上の者が下の者のマズルを軽く噛んでお互いの信頼関係や上下関係を確認します。
ただし、これを行ったときに噛んだり怒ったりするようであれば無理に続けるのはやめましょう。
マズルコントロール以外の方法で犬と上下関係を築いてからトレーニングを行うと良いでしょう。
④グルーミングに慣れさせる
犬の体を定期的にグルーミングしてあげることで、どこを触っても大丈夫なように慣れさせてください。
うまく大人しくできていればおやつなどをあげて、徐々に慣らしていきましょう。
犬が床の上でグルーミングを受けることを受け入れるようになったら、今度はテーブルやベンチの上にあげてグルーミングをしてみましょう。これは動物病院の診察台やドッグサロンでの手入れのときに役に立ちます。
また犬が3ヶ月に満たない場合は腕の中で仰向けにして、大人しくしているようであれば褒めたりご褒美をあげたりしましょう。暴れるようであれば少し落ち着くまで抱いて、静かなったら床に戻してあげると良いでしょう。
暴れても自分の自由にならない、ということを覚えさせてください。
⑤ふせや仰向けにさせる
ふせを一回の命令できくようになったら、数分待てるようにトレーニングしてください。
支配的な犬の場合はふせの命令をきかず、無理にさせようとすると嫌がって怒ったりします。
そのためふせの命令はある程度訓練が終わった後でやると良いでしょう。
ふせをしてくれるようになったら、次は仰向けになるようにトレーニングをしてください。
まずは太ももの内側を触ってあげたりするところから始めて、最終的にはお腹を見せてくれるようになるところまでもっていきましょう。
お腹を見せるのは服従の証なので、お腹を見せるようになったら飼い主さんをリーダーと認めている証のひとつになります。
⑥態度は一貫する
リーダーは常にです。
すぐに怒ったり、極端に甘やかしたりと態度をコロコロ変えてはいけません。
そのため飼い主さんが精神的に不安定だと感じる時はトレーニングを行わないほうが良いでしょう。
安定して犬に接することができるときに行って下さい。
まとめ
犬がアルファシンドロームになるのは飼い主さんとの上下関係がしっかり築けていないことが原因です。
その原因を理解して、トレーニングを行うことで改善させる可能性が高いので諦めずにトレーニングを続けていきましょう。
ユーザーのコメント
40代 女性 ヘソ天
うちの家庭はどちらでも良いわと言うのなら、食事はどっちが先でも良いのです。一緒に寝るのは、こんな幸せな気持ちは他に無いほど気持ち良いもの、一緒に寝たいなら一緒に寝たら良いと思います。
要は、どんなルールでも、YesとNoの意味を教え込む事だと思います。 飼い主がぶれずに。
Noの意味はNo。 何があってもNoです。
一旦Noで辞めさせ、辞めたら褒める。そして、Noで辞めさせた事を、やっても良いよと、Yesでさせも良いのです。
50代以上 女性 プーチ
犬が飼い主さんをリーダーと認めていない、下位に見ている、挑戦してきているなど、まったく根拠のない説明は、犬と飼い主さんの関係を良くするどころか、敵対関係を生じさせる危険がありますね。
服従させて従わせるのではなく、犬の心を育んで育成しましょう。