犬社会のルール、群れのルールとは?
犬は群れで暮らしていた動物ですが、人間と暮らすようになった今も、群れで暮らしていた頃の本能が残っており、仔犬は母犬から犬社会のルールを学びます。
そのため、早くに母親から離され、母親から十分な教育を受けることができなかった犬は、犬同士で上手くコミュニケーションをとることができなかったり、犬同士で上手く遊ぶことができなかったりなど、犬社会のルールを知ることなく育ってしまうことがあります。
犬の本能が持つ、群れで暮らすためのルールの中には、人間と暮らすようになった今も大切にしなければならないルールがあります。たとえば、リーダーに服従することや上下関係です。
家族(人間)の中のリーダーが誰なのか、家族の中で自分がどの位置にいるのかを理解しています。
家族(人間)の中にリーダーがおらず、あまりにも甘やかされて育った犬や、上下関係がなく、自分(犬)の方が上だと思っている場合など、群れのルールや上下関係がしっかりしていない場合、人を襲ったりなどの問題行動がみられることが多くあります。
群れには必ず順位がある!
犬社会にも群れの中に順位があります。犬同士が嫉妬し合うこともありますし、弱い者いじめをすることもありますし、ケンカをすることだってあります。
群れの中でケンカが起こる一番の理由は、リーダー(飼い主)の愛情を自分だけのものにしたいからです。飼い主さんが他の犬を可愛がっていると、嫉妬してケンカになってしまったりしますよね。
犬社会には、人間社会のような理性がないのです。群れには必ず順位があり、しっかりとわきまえ、犬社会にも先輩後輩が存在します。
子供のいる家庭では、犬が兄弟姉妹のように一緒に育ちますが、兄弟姉妹(犬と子供)の中でも先輩後輩が存在しているはずです。
犬社会や群れの平和のために順位が存在し、犬が決めた順位に従って過ごすことが何よりも平和を守るために必要なことなんです。
人間と暮らす犬の本能と習性について
犬と暮らすうえで、犬の本能や習性について知ることはとても大切なことであり、お互いが幸せに暮らすためのルールでもあります。
犬の本能や習性を知らず、誤ったしつけや接し方をしてしまうと何等かのトラブルを引き起こす原因になってしまうことがあります。
もっとも恐ろしいことが「人を襲う」「他の犬を襲う」ということですよね。近年、犬による死亡事故が増えているという背景もあります。
犬はリーダーになろうとする!
飼い主さんに甘やかされ、自由に勝手に気ままに育てられた犬は、とてもワガママな犬になってしまいます。飼い主さんの言うことを一切聞かず、ワガママで悪い犬、そんな印象を受けてしまうこともあります。
飼い主さんのことをリーダーであると認識しておらず、自分の方が上だ、そう思っている可能性があります。リーダーである自分(犬)に対して、下の者である飼い主さんが従わない場合、唸ったり噛みついたり、問題行動の原因になってしまうことがあります。
犬はリーダーに従う!
群れのリーダー(飼い主さん)が信頼のできる存在であり、自分(犬)にたっぷりの愛情を注いでくれる存在であると理解している場合、リーダーの指示にしっかりと従い、どんなことも喜んで従います。
これは、そのリーダーが率いる群れの中で安全に平和に安心して暮らすための本能であり習性です。
愛犬からリーダーとして認めてもらうためには、適切なしつけと飼育を行い、たっぷりの愛情を注ぎ、信頼できる存在になることが必要なのです。
テリトリーを守る!
犬は群れのテリトリーをしっかりと守り、縄張り意識の高い動物です。他の群れの者が自分の群れのテリトリーに入ってこようものなら、唸り、吠え、威嚇し、攻撃することもあります。
来客があったとき、インターホンの音や来客に対して吠えたり攻撃したりすることは、群れのテリトリーを守ろうとする本能であり習性なのです。
例外として、本能や習性ではなく、単に怖がりな性格である場合もあります。
まとめ
ご紹介した本能や習性以外にも、群れのルールや犬社会のルールによって、犬が見せてくれる本能や習性はたくさんあります。
穴を掘ること、何かを追いかけること、マーキングをすること、これらも本能や習性によるものです。
私たち人間にとっては、困るな…と感じてしまう本能や習性もありますが、犬の本能や習性をよく知り理解することで対処することができる場合もあります。
私たち人間が理解することのできない群れのルールや犬社会のルール、本能や習性もありますが、知れば知るほど興味深いものばかりです。