品評会では必須である「ヒール」のトレーニングですが、普段の生活においても愛犬の「事故を防ぐ」効果を発揮するといわれています。
今回はそんな犬の安全を守るトレーニングのひとつである「ヒール」について、その役割や必要性などを紹介します。
ヒールって?
ヒールとは、飼い主の合図で「犬が飼い主の左側にお座りすること」です。「ツイテ」とも呼ばれるトレーニングですが、一般的には飼い主の左側にお座りすることを『ヒール』。右側に付くことを『サイド』と呼びます。
品評会に出るうえで必須なのは想像できますが、実際の生活においてもヒールができると犬を不慮の事態から守ることができます。特に散歩中に発生する可能性がある犬の飛び出しや飛び掛かりなどの際に、ヒールをかけることで犬の注意を飼い主に向かせることができ、不慮の事故を未然に防ぐことができるのです。
なぜ左側?
「ツイテ」とも呼ばれる”犬を飼い主の横につかせる”とレーニングですが、「ヒールは左側」「サイドは右側」にそれぞれ犬をつかせるといわれています。なぜ「ヒールは左側」なのでしょうか。
ヒールのトレーニングに限らず、犬を散歩させる時は「飼い主の左側を歩かせる」と聞いたことがありませんか。これは犬が軍用犬や警察犬として活躍してきた名残だといわれています。人間が右側に銃などの武器を持って歩くため、犬は左側を歩かせるように訓練していたのだそうです。
また、血統書を発行しているような訓練競技会においても「犬が人に従って左側を歩く」という課目があるため、「犬は左側」という訓練が広まったといわれています。
しつけ方
トレーニングの中でも難しいといわれるヒールのしつけ。まずはオスワリなどの基本的な動作ができるようになってから、トレーニングしてみましょう。
ヒールのトレーニングでは基本として「罰を与えるしつけ」ではなく、「ご褒美を与えるしつけ」を行いましょう。「飼い主の横にいることが嬉しい」というように喜びに変えることが大切です。
1.ご褒美を見せる
できるだけ犬が気が散らない環境を用意しましょう。ご褒美としておやつなどの愛犬がお気に入りものを準備、愛犬に見せます。
2.「ヒール」と合図をかける
ご褒美を見せながら、愛犬を飼い主の左側へ誘導します。
3.左側につけたまま歩く
左側に誘導したらリードを短く持ち、愛犬を左側につけたまま少し歩きます。
4.ご褒美を与える
愛犬を左側につけて歩くことができたら、しっかりと褒めながらご褒美を与えます。
「ヒール」のトレーニングで重要なのは、愛犬が「飼い主の横にいれば嬉しいことが起きる」と感じることです。何度も繰り返すうちに「褒められる=嬉しい」といった具合に、ご褒美がなくても合図を聞けるようになります。根気強くトレーニングを続けてみてください。
まとめ
しつけを行う際はくれぐれも「叱って教える」のではなく『褒めて教える』を大事にしましょう。また、合図をかける際は『合図の掛け声を統一させる』ことも重要です。犬が集中できる時間は『5~15分』だといわれているため、長々とトレーニングをするのもおすすめできません。
犬が突然飛び出して事故にあう。突然他の犬や人に飛び掛かって怪我をさせる、怪我を負う。こういった事故もヒールなどのツイテのコマンドができるようになると、未然に防ぐことができます。何より飼い主さんの隣が好きな場所、嬉しい場所になるのは、飼い主にとっても喜びですよね。
トレーニングも重要なコミュニケーションの時間になります。ぜひ楽しみながらトレーニングを行い、より良い愛犬との時間を過ごしてくださいね。
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30代 女性 ルイス