大型犬を室内で飼うために
大型犬だからといって室外で飼うなんてもったいない!
一緒に室内で過ごすとコミュニケーションは思う存分とることができ、離れて過ごすと分からなかった表情や感情に気づくことができるのも、かけがいのない存在なんだと改めて感じられます。
自身の経験も織り交ぜながら、大型犬を室内で飼育するときのちょっとした心構えをお伝えします。
必要なもの。部屋代わりのケージ
大型犬がゆったりとオウチの中を歩き回る姿は、犬好きの方にはたまらない魅力がありますよね。
でもまず最初はケージを用意して、その中で生活させましょう。
小さくて狭いスペースに押し込むのはかわいそうだと思いがちですが、犬は元々テリトリーを持つ動物です。
それなので初めから「家中どこをウロウロしてもいいよ」と言うのは、犬にとってはいきなり広いテリトリーを与えられてしまい、どうしよう?この広いテリトリーを守らなきゃ!と困った状況に陥ってしまいます。
また最初にケージの中で生活をさせるとしつけもしやすいので、閉じ込めるのがイヤだと感じるのであれば、おもちゃを入れてあげたり、ケージの中で楽しそうにしていたらオヤツをあげたりして、犬にとってケージの中は楽しくて安心できる場所なんだと思わせてあげてください。
私はケージを用意せずに愛犬(シベリアンハスキー)の室内飼いを始めました。
経験上、子犬の時には必要性を感じます。ケージがないと、少しの留守の間にありとあらゆるイタズラをされました。
しかも大型犬の子犬は体は小さくても破壊力は半端ないです!可愛いのでついつい許していましたが、今考えればイタズラよりも室内で起こる事故や危険に遭遇しなくて良かったと感じています。
最初はケージの扉を閉めて生活させていても、しつけが終わり慣れてくれば扉を開けていても、遊びたくなれば出てきて眠くなれば戻りますし、お客様が来られた時も「ハウス」と言われれば中に入って大人しくするようになります。
必要なもの。健康チェックも兼ねたトイレ
子犬のときは排泄の回数も多く、トイレトレーニングが済むまではケージの中にトイレトレーも一緒に入れましょう。
大きくなったらトイレはケージやベットからできるだけ離して、掃除しやすい場所に置きましょう。
犬は人間が思う以上に自分の生活スペースを汚すのを嫌います。
ですから生活スペースとなるケージやベッドからはできるだけ離して置くほうが、気持ちよく過ごせると言うことになります。
散歩に行ったときに排泄させるから、わざわざトイレを置く必要はないのでは?と思われますか?
犬も我慢をさせると人間と同じ様に体調を崩したり、ストレスを貯めこんだりと良いことはありません。
また室内で排泄をさせると、自然と排泄物のチェックができるので健康管理にもなり、病気にいち早く気づけるという利点もありますよ。
我が家では、人が家にいるときの日中は駐車スペースにトイレを置いて、トイレに行きたくなると玄関まで歩いて行くのでドアを開けて終わったら帰って来る。
夜は玄関の土間部分に新聞紙を敷いて、その上にトイレトレーを置いていました。
室内飼いでの注意点
家の中だから危険はないと思われがちですが、意外とある様々な危険や注意してあげたいことを記しますので、事前に危険回避してあげてください。
誤飲や誤食
掃除はしていても室内には普段目にしない場所、ソファーや家具の後ろの狭いスペースなどに色々なものが落ちている可能性があります。
子犬のときは体が小さいので直接その狭いスペースにもぐり込んだり、大きくなったら手や鼻で掻き出したりして出てきたものを、とりあえず口に入れてしまいます。
またゴミ箱や灰皿などをひっくり返して口に入れた場合、タバコはもちろん食べると危険です!
ゴミの中には焼き鳥の串やアイスクリームの棒など飲み込むと非常に危険なものもあります。
棒状のものは排泄するときに、そのままの形で腸を傷つけずに出てくるのはまれなことで、最悪の場合は皮膚を突き破って出てきてしまい手術が必要になる場合があります。
テーブルの真ん中に置いてあるから、高い場所に置いているから安心というわけにはいきません。大型犬の場合は立ち上がると背も高く、少々の高さではとどいてしまい結局口に入れてしまうということになりかねません。
誤飲や誤食を避けるためには、ゴミ箱を置くのであれば足で踏んで開けるタイプや蓋付きのものを設置して、口に入れると危険なものや壊されたくないものは、他の部屋に置いてしっかりとドアを閉めてください。
恥ずかしながら我が家の愛犬も誤食をしてしまいました。
ガスコンロに置いていた鍋に入ったハヤシライスを、鍋ごとひっくり返して全部食べてしまいました。
玉ねぎアレルギーがあると大変なので焦って獣医師に相談し、どうやら玉ねぎアレルギーはなかったので大事には至りませんでしたが恐ろしかったのを覚えています。
一体どうやって鍋を?ガスコンロの上なのに?でもとどくのです、立ち上がれば。
滑る廊下
犬の足の裏には毛が生えているためフローリングの廊下は、人間で言えば氷の上を靴で歩いているようなものなので大変危険です。
飼い主さんが帰ってきて喜んで廊下を走り、そのまま滑って玄関に落ちてしまったり、滑って歩きにくいため足や股関節などに負担が掛かってしまう恐れがあります。
これらの危険を考えると、廊下には滑りにくい素材のもの、例えば毛足の短い絨毯(ループ状になっていないもの)や100均などでも購入できるジョイントマットを敷いてあげると歩きやすくていいでしょう。
階段は上り下りさせない
外の階段と違い、家の階段は幅も狭く傾斜が急なため、途中で滑って落ちてしまい大変危険です。
しつけのために子犬のうちから階段は上らせないように、大きくなってから室内飼いを始める子も、階段用のペットゲートなどで防いで上らせないようにしてください。
我が家の愛犬は子犬の頃は階段を上って2階に行きたがりましたが、大きくなってからは興味がなくなったのか、上りにくいのか全く上らなくなりました。
電気のコード
犬から見れば電気のコードもヒモも同じで、おもちゃのようなものに見えてしまいかじってしまう恐れがあります。
コンセントに繋がった状態の電気のコードをかじると感電してしまい大変危険です。
電気のコードは壁沿いに這わせて固定したり、カバーをしてかじられないようにしてください。
気をつけてほしいこと
食事は別で
家族で一緒に食卓を囲みたくなる気持ちは分かりますが、人間の食べ物は犬にとっては毒でしかありません。
犬のご飯には味付けというものが全くというほどされていませんが、人間の食べ物には塩や砂糖などの味付けがたっぷりで、どちらがおいしいかと言うと、やはり人間の食べ物になります。
1度濃い味付けのものを口にすると味のあまりないドッグフードを食べなくなってしまう子もいます。
そうなると体のことを考えても良い事はありません。
特に小さなお子さんがいる場合は食べこぼしを食べてしまう可能性もありますので、食事の時間はケージで大人しくするようにしつけてください。
ドアの開閉には注意を
玄関のドアを開けるときは外に走り出したりしないように、門扉がある家の場合はきちんと閉めてからドアを開けるようにしてください。
飼い主さんの帰宅が嬉しいあまり外に飛び出したら大変危険です。
また部屋のドアの開閉も犬が近くにいないか注意しながら行ってください。
ドアのすぐ近くにいるのに気づかずに開閉すると、ドアがあたってケガをしたり、手足を挟んでしまう可能性もあるので注意してあげてくださいね。
抜け毛の問題
飼い主さんにとったら可愛い家族なので抜け毛も気にならないかもしれませんが、お客様は気になります。
普段からこまめにブラッシングをしていれば、気になるほどの大量の抜け毛などは防げますよ。
ブラッシングは飼い主さんとのコミュニケーションにもなりますので、柔らかいブラシで話しかけながら愛犬との時間を楽しんでください。
散歩は大切
室内を歩き回っていても、ボールを使って遊んでも、それは運動とは言えません。
適度な運動は犬にとって大切なこと、元気で長生きしてもらうために外でのコミュニケーションも大事にしてください。
まとめ
しつけをしっかりとすれば、大型犬を室内で飼育することは全く難しいことではありません!
心得も難しいことではありませんよね?
室内で飼育をすると一緒に過ごす時間もグンと増えて、飼い主さんとの信頼関係もより一層深まるはずです。
大切な家族の愛犬との楽しい時間をより充実したものに変えてくれる室内飼いに、ぜひチャレンジしてみてくださいね。