ご飯の『だらだら食べ』って?
ご飯をなかなかたべてくれない
『ご飯を出しても、ちょっと食べては離れて遊んで、またしばらくすると少し食べたりと、なかなか全部食べないのでかたずけられない』という悩みを良く聞きます。
元気で健康に問題がないのにご飯を食べない原因は、単に空腹感がないからです。
家庭犬は飢える心配もなく、フード以外にもおやつや人の食べ物なども食べているので、フードよりおやつのほうが魅力的なのでしょう。
食べないからといって出しっぱなしにすると、いつでも食べられると学習してだらだら食べが定着してしまいます。
また、生後6か月位の仔犬で、それまでは食べていたのに急に食べ方が変わってきたという場合は、成長期の必要なエネルギー量が減ってきた時期ということも考えられます。
こんな時に食べないからといって嗜好性の高いものばかりあげないように注意しましょう。
ご飯を食べ終わってもまだほしがる
体重に合わせてちょうどよい量をあげてもまだまだ欲しがるというのは、実はご飯の量としてはちょうどよいのです。
犬も他の動物も食べられるときに食べて蓄えるという修正が残っているので、食べてもまだ欲しがるのは当たり前の行動といえます。
ですので、欲しがるからといつまでもだらだら食べさせないように管理しましょう。
だらだら食べをしているとこんなことに!
空腹感がおこりにくくなる
食べ残しを片付けないで好きな時に食べさせていると血糖値が下がらず、空腹感が起こりにくくなります。
おやつをたくさん食べている場合もおなじです。
血糖値が下がりきらないと『食事をとりなさい』と脳に命令をだす摂食中枢への刺激が弱くなってしまうのです。
偏食が定着してしまう
ご飯を残すのでおやつや他のものをあげていると、食べなくても他のものをもらえる事を学習して偏食がエスカレートしてしまいます。
人間のご飯とおやつしか食べなくなったという犬も少なくありません。
健康上のデメリット
空腹感がおこりにくくなる、偏食が定着する、そんな状態を改善しないでいると栄養の偏りにより、被毛の状態が悪くなったり、歯石がつきやすくなったり、アレルギーの引き金、慢性の病気などのリスクが高まります。
正しいごはんの上げ方
食事の時間を決めよう
ご飯の時間は毎日なるべく同じ時間にあげて、食べ残しはすぐに片づけてしまいます。
成犬の場合一日分を朝夕2回に分けて与えるのが普通ですが、消化が苦手な弱い体質の犬は一回の量を減らし、回数を3回くらいに分けてあげます。
おやつの量や種類を工夫しましょう
おやつの時間は犬にとっても飼い主にとっても楽しいものですが、食事に影響が出ないように量や質を工夫しましょう。
食事のカロリー計算をしていても、おやつのカロリーを考えずに与えていると、その分カロリー過多になりがちです。
しつけなどでおやつを使う場合は、小さく切るなどの工夫も大切です。
また、おやつの種類を変えるのも効果的で、ジャーキーのような肉や油を多く含むものや、甘いものはカロリーも高くおなかに端り易いです。
薄く切った果物やスティックの野菜、干し芋や、塩無添加の煮干し(ただし、結石になりやすい犬種は注意)など人間用のものでも安心です。
家族がおやつを食べている時に、わんちゃん用としてそういうものを少量用意しておいて、一緒におやつタイムにして、その他の時間は与えないという方法もあります。
おやつの回数を徐々に減らして、おねだりされても「もうないよ」と言って犬から離れてしまいましょう。
食べているフードを見直そう
フードをだらだら食べをして残す場合は、フードを見直す事も大切です。
ドライフードをだらだら食べするけど、ジャーキーなどのおやつは食べるというのは、フードよりもおやつの方が嗜好性を高めるため、犬の臭覚が反応するような香料が強いのかもしれません。
気をつけないと天然ではない香料をつかっているものも多いので、そういうものを日常的に与えるのはあまり良くありません。
また、おやつが人口的香料の強いものを与えているせいでフードを食べないので、フードも強い香料を使用したものを与えないと食べてくれないという悪循環にもなってしまいます。
ヒューマングレードのフードを選ぼう
ヒューマングレード、つまり人間が食べられる基準と同等の素材で作られているということです。
フードの原材料に『家畜副産物』『お肉の種類がなく、ミールやパウダーという表示のもの』は避けた方が良いでしょう。
価格が高くなりますが、自然素材の香りと味は犬の食いつきも良くなりだらだら食べの改善につながる可能性があります。
手作りご飯をとりいれる
手作りごはんは敷居が高そうと思われがちですが、人間も犬も毎日完璧な栄養バランスのご飯を食べなくても大丈夫です。
1・2週間のサイクル内で、総合的にバランスが取れていればいいと考えると、比較的楽に続けられますよ。
ヒューマングレードと考えると手作りごはんほど安全なものはありません。
犬にとっても美味しいので良く食べるようになりますし、ドライフードで物足りない犬も水分が多くて量的にはドライフードよりも食べ応えがあるので満足感があり、だらだら食べの改善につながります。
適切な運動で食欲アップ
だらだら食べをする原因には、それほどお腹が空いていないということがあるかもしれません。もしいつも散歩よりも前に食事を与えているようでしたら、食事よりもお散歩の時間を先にしてみましょう。
お散歩は草の匂いなどを嗅ぎながらゆっくりと楽しむように、小型犬で30分、大型犬でも30~60分を目安に歩きます。
リラックスして外の空気の中を歩くことで消化器官の働きもよくなり、正常な食欲がわくようになります。
まとめ
だらだら食べは定着してしまうと健康にも良くないので、早めに改善しましょう。
そのためには家族で愛犬のことを話し合って、一日のおやつの量やご飯の食べ残しを片付けることなどを徹底できるようにしましょう。
ご飯を喜んで完食してくれるようになれば、精神的にも安定して落ち着いてきます。
また逆もあり、普段の生活のストレスからだらだら食べになっていることも考えられますので、お散歩やお留守番時間なども合わせて見直してみるのも大切です。
必ず改善できることなので根気よく取り組みましょう。