フードガーディングは信頼関係を深める事で改善できる
皆様は『フードガーディング』という言葉を知っておられるでしょうか?
これは犬の持つ習性の一つで、自分が捕らえた獲物を奪われない様にするための防衛本能です。
現代のワンちゃんにもこの習性が残っています。
これは野生の世界で生きて行く大事な習性ですが、家庭で飼われているワンちゃんには必要ない行為です。
フードガーディングとは具体的に言いますと、ワンちゃんがフードやオヤツ食べている最中に、飼い主や家族のどなたかが近づいたり食べ物を取り上げようとしたりすると、唸ったり噛みついたり食べ物を咥えて逃げたりする行動です。
しかし愛犬との信頼関係があればフードガーディングはしなくなります。
もしワンちゃんがフードガーディングの行動をとる様でしたら、飼い主との信頼関係は不十分だと言えるでしょう。
フードガーディングは信頼関係を深める事で改善できますので、諦めずに躾をして行きましょう。
フードガーディング対処法は驚くほどシンプルな方法
私の愛犬も生後6ヶ月までフードガーディングをしました。
その時の私はフードガーディングの対処法を知らなかったのです。
フードガーディングと言う言葉さえ知らない状態でした。
『犬が食べている物を急に取り上げようとしたら怒るのは当たり前だ』と思っていました。
長めの骨ガムを与えた時、1本は愛犬には多いと思い途中で取り上げようとすると、その都度私に対して唸るのには困りました。
その当時、自分としてはある程度愛犬との信頼関係が築けていると思っていましたので、
『何で怒るのだろう?』
『私の事が好きではなのか?』
とさえ思っていました。
犬が唸るのは『これ以上調子に乗ると噛み付くぞ』と言う警告ですからね。
その頃の愛犬と私の信頼関係は私が思っていたほど深くなかった様です。
このままでは真の信頼関係は築けないと感じましたので、愛犬のブリーダーさんに相談して対処法を教えてもらう事にしました。
対処法を教えて頂く際に、私はブリーダーさんに叱られてしまいました。
『フードガーディングの躾をせずにオヤツを取り上げようとしたら噛まれて怪我をします』
『失礼ですが犬との信頼関係が全く出来ていません』
『その様な事は絶対しないで下さい』
『躾に大切なのは愛情です』
『愛情を持って躾をし、強い信頼関係を作って下さい』と・・・
そのブリーダーさんは私の尊敬している人の一人で、犬の訓練士をもされていて数多くのワンちゃんを見て来た経験豊富な女性の方です、
その様に叱咤激励を受けた後、早速フードガーディングの対処法を教えて戴く事になりました。
驚いたのは、対処法がびっくりするほどシンプルな方法だったのです!
これなら私にも出来ると確信しました。
ただし少し時間が掛かりましたが・・・
フードガーディング対処法
長いオヤツ、例えば馬のアキレス腱の様な棒状ジャーキーを用意します。
そしてオヤツを自分の手にも持って、愛犬にオヤツの先端をカジらせてみます。
犬は飼い主がオヤツを落とす事に不安を持ちながら慎重に食べ始めます。
愛犬が少しでもオヤツをカジる様なら『いい子だね』や『偉いぞ』という様な誉め言葉をかけて自信を与えてあげます。
愛犬がそのうち慣れてきて本格的にムシャムシャカジる様になったら、そのままオヤツを持った状態で食べさせ続けます。
オヤツが少なくなって、持てなくなるギリギリの状態になるまでオヤツを手放さない様にします。
限界まで来たと判断したら手を離して残りを全て食べさせます。
これを何度も繰り返すのです。
そうする事により、犬は『ご主人様がオヤツに手を掛けているのは落とさない様にしてくれているのだ』と思う様になります。
つまり、犬が食べている物を取られないと思えばフードガーディングはしなくなります。
数日間この方法を繰り返したら、今度はオヤツを途中で取り上げてみましょう。
その際は関連付けのため愛犬にどんな言葉でも構いませんので、なるべく短めの言葉を掛けて、犬の口からスッとオヤツを抜く様に取り上げます。
私の場合は『オシマイ』と言う言葉を掛けています。
私の愛犬は気が強く、食べ物に対し執着心が強いので、改善までに約1ヶ月くらい掛かりましたが、これは結構時間が掛かった方だと思います。
通常だと1~2週間で改善できるらしいですね。
今では普通に取り上げることができるようになりましたが、私以外の第三者が、それをやったらどうなるか分かりません。
ですが、少なくとも飼い主である私に対しては大丈夫です。
『それで良いのか』と言われたら答える事が出来ません。
これで良しとしたいです。
愛犬と効果的に遊んで信頼関係を深める
フードガーディングを防止するには、愛犬と遊びながら信頼関係を深めて行くのも一つの方法です。
それには効果的な遊び方をしはくてはなりません。
効果的な遊びとしては勝敗をつける遊びが良いでしょう。
例えばタオルまたはロープの取り合いです。
この場合、必ず飼い主が勝って終わる様にします。
【ご主人様には勝てない】と思わせないと犬はリーダーとして認めてくれません。
また、遊ぶ時は常に飼い主が始めて飼い主が終わらるようにしましょう。
そして、遊ぶ前に『オスワリ』か『スワレ』と指示を出して座らせてます。
その後『マテ』を愛犬に指示して少し待たせます。
その後『ヨシ』と言ってタオル与え取り合いを開始します。
終わる時には『オシマイ』と必ず声を掛けて愛犬からタオルを取り上げます。
タオルを取り上げたら愛犬の見えないところに片付けて下さい。
取り上げたオモチャが見えていると、ストレスの原因となる可能性がありますのでご注意下さい。
まとめ
フードガーディングを改善させるには何と言っても信頼関係です。
信頼関係があれば食べ物が奪われると言う不安が無くなり、フードガーディングなどしなくなります。
出来れば子犬の時代から訓練をしておけば、フードガーディングは心配ないでしょう。
私は信頼関係を深めるために愛犬と良く遊び、出来る限りスキンシップをして来ましたし、それは現在でも行っています。
私と愛犬との信頼関係は非常に良好だと思いますが、未だ深める余地が残っていると考えられます。
今では以前の様にオヤツを取り上げても唸らなくなりましたが、取り上げたオヤツを片付けると鼻で『フン』と言って顔を背けます。
きっと気分が悪いのでしょう。
私は当初、犬の躾けはオヤツを使うものだと思っていました。
オヤツを食べさせる癖をつけてしまった私が悪いのですが、でも後戻りは出来ません。
本来は躾にオヤツは必要ないですからね。
それはブリーダーさんも言っておられました
この事は本当に後悔しています。
ですのでオヤツを購入する場合、愛犬の健康を阻害しない物を慎重に選んでいます。
愛犬に長生きしてもらうために、ストレスを感じさせない一生を送らせて上げたいと思いながら毎日過ごしています。