犬がイタズラする理由
イタズラの原因はさまざま
生後間もない子犬なら、その好奇心や歯の生え変わりなどから噛む欲求を満たすためにイタズラしてしまうことがあります。
また、成長してからも飼い主さんの帰りを待ちながら不安な気持ちを紛らわそうとして部屋を荒らしてしまう、あるいは飼い主さんの気を引きたくて同じイタズラを繰り返してしまう子もいます。
シニア犬の認知症による行動も、場合によってはイタズラの中に入るかもしれません。このように、イタズラといっても原因や状況はさまざまです。それぞれにあった対応策を立てる必要があります。
犬がイタズラする原因と対処法
例えば、お留守番中のイタズラはわんちゃんだけが悪いのではないかもしれません。人間の赤ちゃんと同じで、触られたくないものは手の届かないところへしまっておくのは大前提です。
また、わんちゃんが退屈な環境にいませんか?お出掛けの前に少し散歩をするとか、留守中に遊べるおもちゃを与えておくなど、コミュニケーションを取っておくのも対策の一つです。
対処法
我が家の愛犬たちは毎日5時間ほど留守番するため、仕事に行く前の散歩や室内遊びの時間を必ず取るようにしています。
コミュニケーションを取り、しっかりと食べてトイレも済ませ、遊び疲れたら満足していい子でお昼寝して待っていてくれます。
いい子で待っていられたら、私が必ず帰ってくるとわかってくれているようです。私も安心して出掛けることができます。
心の病気が原因「分離不安」の場合
留守番中のイタズラは、心の病気が原因で起こる「分離不安」の場合もあります。
この病気は、「飼い主さんがいつ帰ってくるのか不安でいてもたってもいられない」そんな気持ちから、物を壊したり暴れたりしてしまうのです。なので、叱って治るものではありません。
対処法
日頃の飼い主さんとわんちゃんの関係を見直しつつ、場合によっては獣医さんやトレーナーさんに相談する必要があるかもしれません。
また、シニア犬の認知症による症状からの行動も注意が必要です。こちらも、わんちゃんを注意深く観察し、様子がおかしいと感じたら獣医さんに相談してください。
監修ドッグトレーナーによる補足
大切なのは、愛犬が不安を感じている原因を見極めてそれに応じた対策を取ること。
分離不安にさないための対策で一般的に言われているのは、「離れる練習」「何も言わずに外出する」「留守番環境を整える」「運動不足にさせない」「トレーナーや獣医師に相談」です。
ただし、個体差があるので症状がなくなるまでの時間は一概には言えませんが、1,2か月で大きな成果が出ることは稀です。長期戦になることもあります!しつけは根気よく継続することが大切。結果は自然と伴っていきますよ。
本能が原因の場合(穴を掘る・おもちゃを振り回す)
ひとくちにイタズラと言っても、人間の都合でイタズラになってしまう行動もあります。
例えば、大好きなおもちゃをくわえてブンブン振り回したり、穴を掘るような仕草を室内でされると人間にとってはイタズラに見えますが、わんちゃんにしてみれば狩猟本能から出てくる衝動的な行動なのですから、叱られても理解できません。
対処法
犬の狩猟本能からくる行動について知っていれば、叱ったりせずに見守れる飼い主さんがほとんどだと思いますが、知らずにただのイタズラだと叱ってしまうことで、愛犬の信頼を失うことにもなりかねません。家族で理解していればしつけの行き違いもなくなりますよね。
監修ドッグトレーナーによる補足
床を掘ってしまう子には、床を硬い材質に変えることで掘ることを諦めてくれる場合があります。床の上にマットやシートを置く、フロアコーティングなどで掘っても傷つきにくくするなども効果があるかもしれません。
また、室内に汚れたり破れてもかまわないタオルや毛布などを置いた場所で、飼い主さんが穴を掘るしぐさを見せて犬に掘っても良い場所を作ってあげるのもポイント。穴掘りは犬の本能からくる行動なので、犬自身がしなくなるようにするのがベストです。
退屈・気を引こうとしている場合(ティッシュ引っ張り出す・スリッパをかじる)
飼い主さんの気を引こうとして、ティッシュを箱から全部出してしまったり、スリッパを持ち出してかじったりするのも、私たちにとっては困ったイタズラになってしまいます。
こんなことをされた時、つい大きな声で怒鳴ったり騒いだりしていませんか?わんちゃんにとっては、それは遊びで「喜んでくれた!楽しい!」と思ってしまい何度も繰り返してしまいます。
対処法
状況に応じた対応が必要ですが、とにかく怒鳴ったり騒いだりしないことです。まずは、ティッシュなどイタズラされたくない物は犬の手の届かないところへ片付けておきましょう。
ただし、好奇心旺盛で賢いわんちゃんなら、片付けても新たに遊べるものを見つけてイタズラしてしまうことも。イタズラされてから時間が経過してしまえば、叱ったところでわんちゃんには理解できません。
体罰はもってのほかです。どうしても叱る必要がある場合は、なるべく低い声で、短い言葉で「いけない!」と注意してください。
みんなのアイディア「私のしつけ方」 -犬のイタズラ編-
「イタズラのしつけ」を犬の飼い主さん達に聞いてみました。
女性 20代
犬のいたずらで一番驚いたのは、家をかじること。
自宅が木造のため、梁や床の段差のある部分はすべて木です。愛犬は成犬になっても何かを噛みたくて仕方がありません。しつけた今でも、暇になると隠れてかじっているようです(しつけきれていませんね)。
現行犯でしかる事が重要!
さまざまな方法を試したのですが、一番効果的だったのは家をかじっている犬を見かけたら、かじっていた木の方をしかる方法です。木をしかっている最中、犬は飼い主の私に注目してじゃれてきますが、無視して木を叱り続けます。しばらくすると犬は驚いた表情をします。
何度かこの方法でしつけをつづけた後は、犬が木をかじっている場面に遭遇しても、目があっただけでもかじるのをやめ、私の表情をうかがうようになりました。
女性 30代
愛犬のイタズラはパピーの時によくありました。次から次にクッションをボロボロにしてみたり、リクライニングチェアをボロボロにしたり・・・(-_-;)イタズラだけでなく、オモチャは新しいものを与えても5分ほどで破壊!!
飼い主が正しいしつけを学ぶ事が重要
解決方法は、しつけ教室に通っていたのでしつけ担当の先生にご相談をしてその解決法と対処法を習いました。クッションなど家具類を破壊する場合には、犬は暇を持てあましていることが大半だそうです。
ですから、犬の好きなオモチャを探して与えたり、遊んであげられる時は遊んであげましょう。
我が家では、ご褒美を入れて頭を使わないと出せないコングだと長時間夢中で遊ぶのでこれはかなりオススメです!オモチャについては、コングやロープ系の頑丈なものでカミカミ解消オモチャが良いです!
それらに夢中になれば、自然とオモチャで遊ぶようになります。また、一人で遊んでいる時には、そのことを褒めてあげましょう。
お留守番が長い犬もいると思いますので、その場合もこのしつけをしておくと解決策につながります。それでもイタズラをやめない場合には、クッション等は片づけましょう。お散歩での行動欲求を満たすことも忘れずに!
女性 40代
柴犬がいるわが家。2歳になった現在はだいぶ大人しくなりましたが、1歳半ぐらいまでは好奇心旺盛なイタズラ娘でした。一通りのイタズラはしてきたのではないかと思う愛犬ですが、なかでも一番悩まされたのは『噛む』イタズラ。
ダイニングテーブルの脚、壁、そしてなぜか床にまで!愛犬が噛んだ跡が今でも残っています。
しつけは「根気」!決め手の「ビターアップル」も効果的
噛むイタズラは、犬がやらかすイタズラのなかでも被害甚大なので、必死でしつけに取り組みました。
何かを噛んでいる現場を押さえたら即刻叱り、その噛んでいたものに「これでもか!」というぐらい犬の前でビターアップルを吹き付けまくりました。そうすると、愛犬はにおいをクンクン嗅いでしばらくしょんぼり。ビターアップルのにおいを嗅ぐと、なぜか落ち込んでしまう愛犬なのでした。
噛む→叱る→ビターアップルを繰り返して、噛むイタズラは徐々におさまってきたのですが、もうひとつ、対策としてやったことが。それは、思いっきり噛めるおもちゃを与えたことです。
噛むことが大好きな愛犬は、その辺のおもちゃでは数分で破壊してしまうので、硬質プラスチック製のハードタイプのおもちゃを与えました。小さな破片であれば、飲み込んでも便と一緒に排出される安全なおもちゃです。
思いっきり噛めるおもちゃを与えたことにより、噛みたい欲求が満たされ、尚且つ噛んで良いものといけないものがあることも理解できたようです。
今では、子供のおもちゃやぬいぐるみが転がっていても、においだけ確認して終わりです。こんな日が来るなんて、イタズラ娘時代には想像もつきませんでした!
このように、わが家の犬の噛むイタズラはビターアップルとハードタイプのおもちゃ、そして飼い主の根気で解決できました。
女性 30代
うちの愛犬は生後3ヶ月で家にきました。うちに来た頃は本当にやんちゃでカーペットを剥がしたり、クッションをちぎって中の綿を出したり、ふすまを破いたりと凄く大変でした。「犬のしつけ方」を検索しては試して、失敗してはまた試しての繰り返し。
思わぬしつけ道具で解決!
なんでこんなにイタズラっ子なんだろうと毎日悩んで育犬ノイローゼ状態でした。よく「犬が悪いことしたら大きい音を出す」と聞きますが、愛犬の場合、その音にもすぐ慣れてしまって効果は最初だけでした。
そんな中、愛犬のイタズラを解決する方法が見つかりました。それは、100均で売っているプラスチックボールの中にもう一つ小さいボールが入っているおもちゃです。
最初は遊ばせるつもりで買ってきたんですが、遊ぶどころかむしろ怖がって逃げてしまいました。これは!と思い、ひそかに自分の近くにボールを隠しておき、愛犬がイタズラをした瞬間にボールを近くに投げると、ビックリしてすぐ止めるようになりました。
このボールの音には全く慣れることなく、今だに効果抜群です。途中からボールの音と共に「コラッ!」と声も添えるようにしていき、今では声だけで言うことを聞きます。
振り返ってみるとイタズラには困りましたが、正直、嬉しそうにイタズラしてる姿も可愛かったなと今では思い出しては笑ってしまいます。
女性 40代
これまで犬と暮らした経験上、家具や壁をかじる子がいるとわかっていました。すべての子ではありませんが、かじるのが好きな子がいたのです。
新しく迎えたマルチーズ×プードルMixの女の子。この子はどうかしら?生後2ヶ月半ほどで我が家に来たのですが、なかなかおてんばそうな性格。
3ヶ月になるころ、歯がむずかゆいようでケージやおもちゃを噛んでいました。家に慣れてきたころ、そろそろ来るぞ……と思っていたら、案の定!この子はダイニングのイスの脚に目をつけました。
柔らかめの無垢の木なので歯がほど良く食い込み、かじり心地が良い様子。正直、安価なダイニングセットなので傷ついてもいいのですが、リビングのセットだけは絶対かじられたくない!
これは噛んでもいいけどあれはダメ、というのは犬には通用しません。しつけ開始です!まずは普通に現行犯で「ダメ」と言い、イスから引き離すことを繰り返しました。
この子はもう「ダメ」が禁止を意味することを理解していましたが、心地よくてガジガジがやめられないようです。しばらくすると、またイスをかじりはじめました。
でも、1回や2回で覚えられるはずがないので、毎日根気よく「ダメ」を繰り返しました。おもちゃで気をそらすのと合わせ技で。なかなか強情なこの子、ダメと言われると意地になるようでした。
犬式訓練法でしつけました!
ここでわたしの最終兵器登場! 犬式訓練法です。
自分が上位の犬として振る舞うことで、子犬の悪さを正します。
イスをガジガジしている子犬に顔を近づけ、「ガウッ!」と低い声で言って「イスはわたしのものだ!」と主張します。
そうすると、子犬はかじるのをやめます。ここで人間に戻って、「いい子!」とほめるのです。
「ガウ」だけでやめないときは「ガウガウッ!」と言いながら、子犬の首に噛みつくふりをして歯を当てます。ほんとに噛んじゃダメですよ!これは効果てきめんです。何日か繰り返すことで、「家具は人間のものなんだ」と理解してくれます。
もう成犬ですが、イタズラをやめないときは今でもたまに犬式で怒ります。ただし、本気の攻撃性を見せる犬にはやらないこと。逆に噛まれてしまいます。子犬のときには本当に効果がありますよ!
まとめ
イタズラも、未然に防げるものは極力飼い主さんの心がけで改善していくことができます。
なかには、きちんと叱ることが必要な場合もあると思いますが、怒鳴ったり叩くなどの体罰はせず、まずどうやっていけないことを伝えるかを考えてみてください。
気を引こうとしているのか、退屈なのか不安なのか、あるいは本能なのか。もしかしたら、まだあなたの知らないメッセージがそこに隠れているのかも知れません。
ユーザーのコメント
女性 ケンケン
とにかく、起きているときは、ひたすらうろうろ歩いて、いたずらするものを探しています。
あのエネルギーには、本当に頭がさがります。
我が家の場合、犬に噛まれて困るものと、そうでないものを犬自身が
きちんと分けているように思います。
最初は、やたらにそこら中のものを噛み、こちらの反応をじっと伺います。
ぐちゃぐちゃにされて困るものは、即座にこちらが反応をしてしまうので、それをたくみに、瞬時に読み取り、逃げ回るか、そうでないか、決めているように思えます。
きっと飼い主のほうが遊ばれているんでしょう。
とにかく、飼い主がキャーキャー言うのが楽しくてしかたないようです。
コメントにもあったように、噛まれて困るものは、きちんと片付けておく、というのが
大基本なんでしょうが、なかなかそれも100パーセント完璧にできるものではなく、ついうっかり置いてしまったものを、犬はじっと眺めているんですね。
今はまだ1歳なので、いろんなことでいたちごっこの毎日です。でもそれもなぜか楽しんでしまうと、最後には笑いが出てきて、怒る気持ちも吹き飛んでしまうようです。
ただ、一度だけ、人間の薬をうっかり見えるところにおいてしまったことがあり、くわえて逃げられて、青くなったことがありました。
人間の薬は、犬には毒でしかないでしょうから、それは、本当に心から反省をしました。
これからもいたずらを楽しみながら、危険なものはきっちりと隠し、あとは、もう少し犬が大人になるのを待つしかないようです。
女性 ぴーち
我が家でも飼いだしてから色々ありましたよ〜〜。可愛くて仕方ないな〜なんていたずらもあれば、不注意から危険に繋がるいたずらもあるので、内容によっては注意やトレーニングなど改善することが大事になってきますよね。
我が家のわんこは充電器のコードを噛んで、しまう癖がありトイレに行く間に噛んでしまうくらい目を離すと噛むので、常に立ち上がる時はコードを隠すか、愛犬の届かない高さで充電していました。
いたずらのほとんどは、室内を工夫したり対策する事でいたずらを不可能にすることが大事かなぁと思います。噛んでしまうものは愛犬の届かないところに。
我が家では、元々留守番の際は室内をフリーにしていたのですが、棚からインスタントラーメンを取り出し、破って食べていたことがあってからは、お留守番部屋かケージでお留守番を、させています。
いたずらをしてしまうのは、ただたんに楽しいから、寂しいから、気を引きたいなど理由があることも多いので、本当はその辺りを改善してあげたいのですが、なかなか難しいですね。
女性 EHA
がいけないのですが、床にお菓子の入ったカバンを置いておいてしまったのです!
悔しいですが、うっかりしていました。帰宅後、やたら愛犬の愛想が良いのでまさ
か!と思ったら、カバンはボロボロでもちろんお菓子も食べられていました。床に
何かを置いて出かけるのは危険です!