なんでも怖がる愛犬、安心できるのはお家だけ
何でもかんでも怖がる犬と一緒に暮らしていると、リラックスさせてあげられない事に心を痛めている飼い主さんも多いかと思います。
「この子は、あと○年をずっと怖がったまま生きるの?」
なんて心配になりますよね。
犬自身が持って生まれた性格でもあるので、「なんにも怖くない!」な犬にはなれませんが・・・
少しでもそんな『怖がり』を緩和して、安心を増やしてあげたいと思うのが親心。
もちろん無理をしてストレスを与えるのは本末転倒ですが、犬の気持ちに添って出来ることを探してみましょう。
※この記事はすでに飼い主さんと信頼関係のできている、大人の犬向けの記事です。社会化期の子犬や、引き取ったばかりの大人の犬にはあてはまらない場合があるのでご注意ください。
あなたの愛犬は本当に怖がりですか?
犬達の表情や行動は、同じに見えても状況や個性によって意味が違うことがあります。
愛犬をしっかり観察している人なら・・・お腹を出して転がっていれば降参の合図かといえば、そうではない事もあると知っていると思います。
お腹を出しているのは愛情表現だったりリラックスしているだけだったり、その子の性格や状況によっても意味が違いますよね?
それと同じように、怖がって震えているようでも実は緊張感が高まって興奮している状態なのか、本当に怖がっているのかをしっかり見極める必要があるんです。
行動や表情をしっかり把握して、その気持ちの理由を考えるところから怖がりのケアはスタートします。
犬の感情表現は本当に豊かで複雑なので、自信がない場合は専門家に手伝ってもらうことも必要かもしれません。
愛犬の怖いものを正確に把握できていますか?
例えば、「うちの子は自転車が怖いんです」という犬がいたとします。
散歩中にすれ違う自転車に反応して震える愛犬を見て、当然「自転車が怖いんだな」と思います。
しかし、もっとよく観察してみると・・・
- 自転車はすべて怖い
- 走っている自転車はすべて怖い
- 正面から向かってくる自転車は怖いが、追い抜かれるのは平気
- 大きい自転車が怖いが、子供用のは平気
- 止まっている自転車なら、近寄らないがパニックにはならない
などなど、「怖い」のレベルや場面を分解していくことができます。
まずは愛犬の苦手なものを掘り下げて、じっくり観察してみましょう。
怖がり犬は社会の経験不足
人間からみたら大したことのないものでも、なぜそんなに怖がるのか?
それは、「実は怖くない」ということを知らないからです。
もしくは数回の「すごく怖かった!」という経験が後を引いたまま、「怖くなかった」学習をしていないからです。
そういう犬でも「実は怖くない」という事を教えてあげる事はできるし、
「1回怖かったけど10回怖くなかった」という経験によって塗り替えることも可能です。
怖がる愛犬をどうしたいのか考えよう
犬の性格や怖がりレベルが把握できたら、次はどうなりたいかを考えましょう。
日常の生活でそれほど困る事がない「怖がり」ならば、いさぎよく諦めてしまうのもアリです!
克服や緩和を目指すためには、たくさんの時間と手間と、犬の我慢が必要になります。
普段は出てこないようなもののために、たくさん我慢させてストレスを与える必要はありません。
信頼関係ができていない犬の場合は、まずはしっかり安心感を与える事から始めてください。
信頼しきれていない、安心できない人から怖いことをされたら?
そりゃもう、大っ嫌いになってこじれる事は確実です(^^;)
克服・緩和を目指すなら
まずは飼い主さんが第一にリラックスしてください
信頼関係がしっかりできている犬であれば、飼い主さんの顔色や気持ちを敏感に受け止めています。
「これはウチの子は大嫌いだから、どうだろう?怖がるかな?」
と怖がりながら対応していたら…。
「ママ(パパ)が警戒してる!これは危ないヤツだ!」と、逆効果になってしまいます。
まずは飼い主さんが、「こんなもん平気だよ。大したことないよ。」と態度で示してあげてください。
怖いものに興味を示したら、それが一瞬でもへっぴり腰でも誉める!
怖がり犬にとっては、怖いものを観察することも大仕事です。
遠くからでも、腰が引けてても、一瞬でも、自分から行けたことを誉めてあげてください。
食べられるようなら、トリーツをあげちゃってもいいです!
「ママ(パパ)はこれが怖くないみたい。においをかいだら誉められた。
もしかしたら、怖くないのかも?もうちょっとだけ近寄ってみようかな・・・」
その犬の小さな頑張りが、怖さレベルを下げていく取っ掛かりになるんです。
まずは小さな勇気を誉めて、ちょっとずつ自信につなげていきましょう!
絶対に押し付けない・無理強いをしない
いくら慣れてほしいからといって、犬に頑張る気持ちがない状態で押し付けるのは逆効果です。
犬も自分のペースで「大丈夫かな?やっぱり危ないかな?」と考えながら頑張っています。
そこを急かしてしまうと「怖いもの+飼い主さんの押し付け」によって怖いイメージは強化されてしまいます。
犬がいつでも自分で中止できるような逃げ道を作ってあげて、無理のないように進めましょう。
怖がっているときには誉めない、慌てない!
犬が怖がって吠えているとき、ついつい「よしよし、大丈夫だよ」なんて言っていませんか?
それは「怖がることを肯定している・怖がるのが正しい」という風に伝わってしまいます。
また、飼い主さんが慌てて引きはなしたり一緒に逃げてしまうと、「ほらね!ママも慌ててる。やっぱり危ないと思った!」と強化してしまう可能性があります。
その場を離れるときも、飼い主さんはあくまで冷静な態度のままに、しれーっと動きましょう。
怖がり犬を克服・緩和のための具体的な手順
分解した「怖いもの・状況」からヒントと妥協点を探し出す
先ほどの自転車が怖い犬の場合の対応なら・・・
※各々の犬の「怖いもの」に置き換えて考えてください。
- 自転車はすべて怖い
まずは犬が怖がらない距離から止まっている自転車を見せ、怖がらないでいられたら誉めてあげましょう。
「止まっている自転車なんて、そのへんの電柱と変わらない」と思えるまで、ゆっくりじっくり様子を観察しながら、近づいて誉めての練習をします。
- 走っている自転車はすべて怖い
犬が反応しない程度の距離で、走っている自転車を見せてみましょう。
犬が「怖い!」と反応しないギリギリの距離を見定めて、ちょっとくらい気にしても、冷静でいられたらたくさん誉めてあげましょう。
そしてだんだんと「ギリギリ反応しないでいられる距離」を近くしていく練習をします。
飛びのいてしまったりパニックになるほど近づけるのは、完全にやりすぎなのでご注意を!
- 正面から向かってくる自転車は怖いが、追い抜かれるのは平気
これも「走っている自転車」の対応と同じように進める事もできますが、飼い主さんと犬の立ち位置の工夫で緩和できる場合があります。
自転車が前からくるのが見えたら、自転車と直接すれ違わないように飼い主さんが間に入ってあげましょう。
安心できる飼い主さんが守ってくれるなら、直接すれ違うより気持ちは楽です。
犬もその感覚を覚えると、自分でサッと飼い主さんの後ろに逃げてやりすごせるようになります。
愛犬の怖がり癖を無理せず緩和・克服を目指す
このように、怖い状況やレベルをしっかり観察することによってケアするための方法が違ってきます。
愛犬の性格や怖いレベルをしっかり見極めて、じっくりじっくり取り組みましょう!
ただでさえ怖がりの犬・・・すんなりいくはずがありません。
1つの事を克服するのに何年もかかるかもしれません。
しばらく練習を休んでいたら、フリダシに戻ってしまうこともあるかもしれません。
でも、一緒に暮らしている家族の一生のことだから・・・
安心して気持ちよく生きられるようになるには飼い主さんの努力が不可欠です。
愛する家族のため、毎日すこしずつ一緒にがんばりましょう♪
怖がりな犬たちが、少しずつでも安心して楽しく暮らせますように♪
ユーザーのコメント
女性 みゆりん
(音が苦手なようです)なので
音がきこえてきずらい
てあらいばに避難してます
でなり終わると出てくるので
まぁいっかみたいな感じですね
犬小屋はテレビの隣なので
万が一かんせんするよりは
逃げていたほうがいいのかなって
思ってます