ついつい構い過ぎていませんか...?
見た目も動作もまだまだ幼くて可愛らしい仔犬を迎えたばかりの頃は、どうしても構いたくなってしまいますよね。要求されるがままについついたくさん遊んで、いつでも相手をしてあげたくなってしまうものです。
でも要求されるまま、遊んでしまって大丈夫なのでしょうか?
将来我慢のできない犬になってしまうのですが...なんて心配がよぎりつつも、なかなか上手に「無視」することのできない飼い主さんへ。
可愛いからと仔犬を構い過ぎると、こんなことが起きてしまうかもしれません。
自立心が育たない
犬は常に仲間と群れることを好む生き物です。
リーダーとなる犬を中心として群れで暮らし、集団で生きて行くことによって単独では難しいこと...狩りなどでの食物確保、外敵からの攻撃から身を守るなど...を集団で行うことによってクリアし、安心して暮らせるように進化してきた過程があるからです。
その反面、単独でいることには不安を感じてしまう生き物であるともいえるのです。
ですが飼い犬となって人間と生きているとなった以上、独りでいること(お留守番)にも慣れる必要があります。
いつでもどこでもずっと構い続けているのでは、こういった独りの時間が育む自立心の成長の妨げになってしまいます。
とにかく吠える!
構われ過ぎる犬から見てみれば、常に構われることが当たり前となってしまいます。
これが構ってもらいたいのに構ってもらえない、お腹が空いた、おやつが欲しいなど...何かしらの要求が通らない状況にある場合、今度は自分に皆の注目を集めたり、要求を通してもらおうと吠える行動に出ます。
これでは飼い主さんの日常生活に支障が出てしまいますよね。
その他、常に構われることによって褒められることに鈍い犬になってしまい、褒められても喜ばない、反応の鈍い犬になってしまうこともあり得るのです。
適度な構い方と無視の仕方とは
それでは、どのようにして仔犬の相手をすれば良いのでしょうか...?
仔犬にとって何よりも大切なのは、遊ぶこと。
仔犬にとっての遊びとは、ただ楽しく時間を過ごしたり運動をするためのものだけではありません。遊びを通してやって良いことや悪いこと、力の加減、人間との社会性を学び成長していきます。
同時に一緒に暮らす飼い主さんと遊ぶことによって、飼い主さんが自分にとってのリーダーであることを学び、遊びを通して飼い主さんとコミュニケーションをとることによって信頼関係を築き、絆を強めるという意味合いもあります。
ここまででもわかる通り、仔犬にとっての遊びとは肉体と精神、両方の成長のためには欠かす事のできないことであるといえるでしょう。
そしてこうした遊びを通しての信頼関係があってこそ、初めて「無視」することの意味が出てきます。
構うことと同じくらい重要な「構わない時間」。
仔犬の一挙手一投足にずっと注目しているのでは、犬にとっては褒められたり注目されたりすることが当たり前のことになってしまいます。これは褒められることに慣れてしまい、逆に言えば自分に常に注目が集まらなければおもしろくないということになり、ひいては吠える、暴れるなどの問題行動に繋がりかねません。
これでは飼い主さんも困ってしまいますよね。
本来ならば、注目されるべきはリーダーである飼い主ということになります。
先述のような勘違いを生まないためにも、適度に構わない時間を作るようにしましょう。
ですが、長時間無視し続けるのは良いことではありません。
仔犬は不安を感じるようになりますし、またこういった状況が続いてしまうと飼い主に何も期待しない、構われることを嫌がる、、無気力・無感動の犬になってしまいます。
大切なのは構ってあげる時間とそうでない時間(=良い意味での「無視」する時間、構わない時間)のメリハリをつけること。
上手にバランスをとることが非常に難しいことですが、愛情をもってたっぷりと遊んだ後は、意図的に構わない時間を作る等するようにしましょう。
ただし、構わないと判断した時間に犬から遊ぶことを要求してきた場合には、無視するようにしましょう。
これは飼い主さんがリードして良い場面ですので、ぜひ上手に仔犬をリードしてあげてくださいね。
まとめ
犬は、決して勝手に学び良い方向へ成長するものではありません。
その過程で何かの勘違いをさせてしまったり、問題行動を起こすようになってしまった場合、責任は飼い主さんにあるといえます。
年を重ねた犬でも十分に勉強し直すことが可能ですが、できればそれは避けたいもの。。。
そうならないためにも小さなうちから思い切りたくさん遊んで、同時に社会性と自立心を上手に育て、たくさんのことを学ばせてあげたいものです。
いっぱいの愛情と、しっかりとした節度を持ってかわいがるようにしましょう。