犬が朝ごはんを食べない理由
犬の成長や健康に欠かすことのできない日々の食事。突然何の前触れもなく、愛犬が朝ごはんを食べなくなることはありませんか?
犬は、2~3日程度なら食べなくても大丈夫だと言われていますが、それでもやはり、愛犬が食べなくなると心配になってくるもの。
そこで今回は、犬が朝ごはんを食べない理由についてご紹介します。
運動量が不十分でお腹が空いていない
理由の1つとして、その犬にとっての運動量が足りないことによりお腹が空いていない場合があります。
犬種によって運動量は様々ですが、小型犬の場合は1日2回、30分~1時間が目安と言われています。愛犬が必要な運動量をこなしていない場合、お腹が空いておらず、朝ごはんに手をつけない可能性があります。
特に離乳食から、普通のドライフードに切り替わるタイミングの子犬などは、散歩や消化器官なども不十分で、前日に食べた夜ごはんが消化しきっておらず、お腹が空いていないとことが考えられるでしょう。
成長過程による必要なエネルギーの変化
子犬期は成長が著しいため、たくさんのカロリーを必要とします。生後5ヶ頃には、成犬のおおよそ半分の体重にまで成長し、その後1歳になるまでに急速に成長します。
成長とともに、徐々に摂取カロリーが落ち着きを見せる時期にも差し掛かってくるため、同じ量を与え続けた場合、食べきれず残してしまう可能性があります。
代謝エネルギー量の低下による食欲減退
老犬になり、代謝エネルギー量の低下による食欲減退が原因の場合があります。
犬も人と同じ様に、年齢を重ねるごとに代謝エネルギーは減っていきます。運動量が減り、代謝エネルギーも減る7歳齢以降のシニア期になると、朝ごはんを食べない場合が増えることがあります。
若い頃のように、早朝から散歩に出かけるのも比較的難しい老犬の場合、フードを変えるなどの工夫が必要になるでしょう。
フードの好き嫌いやわがままによる自己主張
人と同じ様に犬にも好き嫌いがあります。一般的に、鶏肉などが好きだと思われがちですが、同じ動物性タンパク質でも魚の方が好みな子も存在します。
また、お肉もお魚も両方同じくらい好きという子もいます。与えているフードが好みでないことが原因で食いつきが悪くなっているかもしれません。
それ以外では、おやつを与えすぎてしまったり、普段のフードと違うものを与えていたりすることで、犬は「朝ごはんを食べなければそれよりももっといい物が食べられるのではないか?」という期待から食べなくなることもあります。
生後5ヶ月~8ヶ月頃にかけて、犬の反抗期が出てくることがあるので、かわいいからと甘やかし過ぎずに、しつけも行うことが大切です。
犬が朝ごはんを食べない時の対策
具体的に犬が朝ごはんを食べない時の対策にはどのようなことがあるのでしょうか?
朝ごはんを食べない場合、直ぐに食器を下げる
犬はその日の体調や気分などで、朝ごはんを食べなくなることがあります。
食べないからと言って「気が向いたら食べるかも」とそのまま置きエサ状態にすると、いつでも食べられる状況が日常になってしまい、朝ごはんを食べない原因になることがあります。
愛犬が朝ごはんを10分~15分経っても食べない、食べきっていない場合は、中身が残ったまま食器を片付けましょう。
「決まった時間に食べないと、その後食べられない」という状況を作ることで、食べられる時に食べないとなくなってしまうと認識して、食べてくれるようになるかもしれません。
食事前に散歩に出かけてお腹を空かせる
犬が寝起きすぐの朝ごはんを食べない場合の対策です。
運動量が不足していると、お腹が空いておらず全く手をつけない場合があります。朝ごはんをあげる前に、朝の散歩を行うようにしてみましょう。
犬種や体調によって散歩時間は異なりますが、最低30分は散歩してあげるとお腹が空いて朝ごはんに手をつけてくれるようになるかもしれません。
ワガママで食べない場合は朝ごはんにフード以外は与えない
朝ごはんを食べないことで別のものを期待するワガママが原因の場合の対処法です。
フードを食べてくれない事に不安を抱き、食べて欲しい思いからフードとは別に、おやつなどを与えてその場をしのぐ飼い主さんもいるのではないでしょうか?
食べないなら食べないで、ある程度時間が経ったら食器ごと片付けましょう。そして、次の日の朝ごはんもドッグフード以外は与えないようにすれば、自然とお腹が空けば食べてくれるようになります。
ただし、味の好みや体調不良などの理由が隠されている可能性もあるので注意深く観察し、フードを変えるなどの対策も必要かもしれません。
食欲減退した老犬の場合はフードの固さや粒の大きさを変えてみる
老犬になるとどんなに元気に見えても、基礎代謝や食欲などは衰えてきます。
また、ドッグフードの固さや粒の大きさなどが食べづらさに繋がり、朝ごはんだけではなく、夜ごはんにまで影響を及ぼしかねません。
食べづらそうにしていたり、急に食べなくなったら、お湯でふやかして柔らかくしたり、粒の小さいフードに変えるなど工夫してあげましょう。
ドッグフードをお湯でふやかすと、柔らかくなるだけではなく匂いも際立つので、食欲が刺激されて朝ごはんを食べてくれるようになるかもしれません。
犬が朝ごはんを食べない時の注意点
上記で紹介した対処法でも朝ごはんを食べない場合、他の原因で食欲不振に陥っている可能性があります。
体調不良やストレスが原因
犬が朝ごはんを食べない期間が長く続く場合、体調不良やストレスなどが原因かもしれません。環境の変化などによるストレスは、食欲不振だけでなく、体調不良の原因にもなります。
夜は問題なく食べたとしても、朝食べない状態がクセになってしまうのもあまり良いことではないので、状態が長引く前に獣医師に相談することをおすすめします。
いつもと違う症状がある場合は病気を疑う
犬は本来、食べられる時に食べる動物です。人と暮らすようになり、決まった時間に食事を取れる環境が容易になったにもかかわらず、食べない上に嘔吐や下痢など、いつもと違う症状がある場合は病気の可能性があります。
とくに老犬は病気にかかるリスクも高く、食欲不振になる場面も多くなるため、体重の減少などは免疫力などにも大きく影響してしまいます。
少しでもいつもと違う場合は、素人判断はせず、動物病院を受診しましょう。
幼犬期は空腹時間が長くならないようにする
幼犬期に朝ごはんを抜くのは、成長期に大切な栄養を十分に補えない場合が多く、成長の妨げになり本来の体格になる前に成長が止まってしまう可能性があります。
幼犬期に朝ごはんを食べない期間が続く場合には、フードを数回に分けて与え、できる限り一日に必要な摂取カロリーを満たすようにしましょう。
子犬は成犬と違い「一食抜いたくらいなら大丈夫」とはならないことがあります。
低血糖の危険性や、食べなくなるなどの食べムラが起こる場合もあるので、与え方を改善したり、場合によっては動物病院に相談することをおすすめします。
まとめ
犬が朝ごはんを食べないことは、決して軽視することが出来ないものです。朝ごはんは、子犬の頃は成長に必要な栄養素を、成犬は健康維持のために、そして老犬は体力維持などにとても重要です。
犬の食事も人同様一生を通じて欠かせないものだからこそ、もしも食べない期間が続く場合には、できる限り早い対処を心がけ、異変を感じたら、動物病院を受診するなど早めの対応を心がけましょう。