NGなスキンシップは逆効果に…
犬に言葉は通じませんが、犬はやさしく触れる人の手から愛情を感じ取ったり、安心感を得たりしています。スキンシップは、犬と人との大切なコミュニケーションの手段なのです。愛犬とたくさん触れ合うことで、信頼関係や絆を深めていくことができるでしょう。また毎日愛犬に触れていると、「ここを触ると嫌がる」とか「しこりらしきものがある」など、見た目では分からない体の変化に気づきやすく、ケガや病気の早期発見につながります。
ですから愛犬の年齢に関係なく、毎日スキンシップの時間を持つようにしたいものです。とはいえ、NGなスキンシップをしていると愛犬にストレスを与えてしまったりケガをさせてしまったりと、逆効果になりかねないので注意が必要です。そこで今回は、犬にやるべきではないNGスキンシップをご紹介したいと思います。
犬にやるべきではないNGスキンシップ
①いきなり後ろから抱き締める
愛犬がちょこんと座っている後ろ姿が愛おしくて、思わず後ろからギュッと抱き締めたくなることってありますよね。でも実際にこれをやってしまうと、愛犬をびっくりさせてしまう可能性が高いです。人間だって、突然誰かに後ろから抱き締められたら驚きます。犬の場合は、反射的に噛みついてしまうこともあるので要注意です。
②高い高いをする
高い高いは、小さな子供とのスキンシップの定番です。大人が「高い高~い」と言いながら高く持ち上げると喜ぶ子供は多いので、何となく犬も喜んでくれるような気がしてしまいますね。でも、犬に高い高いをするのはやめたほうがいいでしょう。中には喜ぶ犬もいるかもしれませんが、高いところが苦手な犬は多いので、多くの犬にとって高い高いは恐怖だと思われます。
また前足のつけ根に手を入れて持ち上げることになるので、関節を痛める可能性があります。万が一、何かの拍子で落下させてしまった場合は、大ケガを負う危険性も。
③睡眠中や食事中に触る
たくさんスキンシップを取るのはいいことですが、愛犬が眠っているときや食事をしているときまで撫でたりするのはNGです。
すやすや眠っていたり、おいしそうにごはんを食べている愛犬がかわいくて、触れたくなる気持ちは分かります。でも無防備に眠っている犬に触れてしまうと、睡眠を妨げるだけでなくびっくりさせてしまい、場合によっては噛みつく恐れがあります。食事中も、撫でようとして手を伸ばしたりすれば、ごはんを取られると思って唸ったり、やはり噛みついたりする可能性があります。それ以降、食事中に人が近づくだけで唸るようになってしまうことも。
犬のストレスにもなるので、睡眠中や食事中のスキンシップは避けましょう。
④キスをする
愛犬にキスをしたことはありますか?飼い主さんがキスをするとうれしそうになめ返してくれる犬もいれば、顔を近づけただけで前足を突っ張ったり顔を背けたりして、キスを拒む犬もいるでしょう。人間にとってキスもスキンシップのひとつですが、犬とのキスはおすすめできません。
犬とのキスによって犬の唾液が人の口に入った場合、人獣共通感染症(人と動物の両方に感染する感染症)に感染するリスクがあります。また、人の唾液から虫歯菌や歯周病菌を犬にうつしてしまう可能性もゼロではありません。お互いの健康のため、犬とのキスは避けたほうがいいでしょう。食べ物を口移しで与えたり、食器を共有したりするのもやめましょう。
犬に無理やり触るとどうなるの?
犬は触られたくないときに、触られそうになったり触られたりすると
- 自分の鼻をなめる
- 体をかく
- あくびをする
- そっぽを向く
などの仕草で「やめて」と訴えます。犬がこうした「やめて」サインを出しているにもかかわらず、無理やり触ってスキンシップを取ろうとするとどうなるでしょうか?堪忍袋の緒が切れて、「やめてってば!」と唸ったり噛みついたりする恐れがあります。当然、犬のストレスにもなります。
犬とスキンシップを取るときは、「やめて」サインを出していないか犬をよく観察することが大切です。もしもサインに気づいたら、無理やり触るのはやめましょう。愛犬に対して無理やり触ることを繰り返していると、スキンシップによって信頼関係を深めるつもりが、逆に信頼関係を壊すことにもなりかねないので注意を。
まとめ
今回は、犬にやるべきではないNGスキンシップを4つご紹介しました。どれも、愛犬がかわいくてついやってしまいがちなことではないでしょうか。コミュニケーションの手段になる愛犬とのスキンシップは大切なものです。大切なものだからこそ、ご紹介したようなNGなコミュニケーションは避けるようにしましょう。
また相手が愛犬でもよその犬でも、ストレスを与えてしまったり、噛みつかれてしまったりすることがないように、無理やり触るのはやめましょう。