飼い犬のしつけ、うまく行っていますか?
人間社会で暮らすため、犬には守ってもらわなければならないことがあります。
それを教えるのが飼い主さんの役目ではありますが、なかなかうまくいかないことも。
今回は、しつけ方法のなかでも賛否両論ある天罰方式をご紹介します。
天罰方式ってなに?
犬がなにかいけないことをしたとき、飼い主が直接叱るのではなく、あたかも天が罰を与えたかのように犬にとって不快なことが起こるようにします。
これを繰り返すことで、犬に「これを行うと嫌なことが起きる」と学習させ、その行動を減らしたり、またはなくさせるというものです。
学術的にいうと、オペラント条件付けのひとつです。
飼い主の代わりを天がしてくれている(ふうを装う)のですね。
正体が飼い主さんだと見破られないよう、行動はこっそり行ってください。
天罰方式の例
犬がなにかいけないことをしているときやその直後、
- ビー玉や石などの入った缶を落とす(大きな音をさせる)
- 酢の入ったスプレーを撒く
- マットなどを引き抜き、転ばせる
などがあります。
天罰方式のメリット・デメリット
メリット
- 犬が飼い主から直接叱られたという思いをしないで済む
- あいてがない(と思わせている)ため、犬も反抗ができない
- 効果が出やすい
- さまざまな工夫が可能
デメリット
- 罰に慣れてしまいがち
- 心臓が弱いなど、持病のある犬にはお薦めできない
- 犬によっては、「よくわからないこわいことばかり起きる」と消極的になってしまうことも
- 行う際は犬に気づかれないようにしなければならない
- いけない行動に対して、一貫して罰を行わなければならない
(罰が起きたり起きなかったりすると犬の条件付けがうまく行かないため) - 正体が分かってしまったとき、犬との信頼関係が崩れる可能性がある
そもそも問題行動って・・・
天罰方式は、天の力を借りた(ように見せかけた)しつけの方法です。
飼い主さんが直接叱るわけではないため、犬はまさか飼い主さんが正体だとは思ってもみません。
しかし、いくらしつけのためとはいえ、驚かせ、脅かして言うことを聞かせるということに疑問を持つ声もあります。
犬を騙していることが心苦しいという方も居られると思いますし、問題行動を起こすたびにしかけを行うのは面倒だという方もいらっしゃるでしょう。
良い・悪いは犬の個体差があり、これは試してみなければわかりません。
私たち飼い主は、ただ漫然としつけを行うのではなく、なぜ飼い犬がその問題行動を起こすのか、原因を探ることが大切です。
たとえば、無駄吠えと呼ばれるものがありますが、本来、犬が吠えるのは自然なことです。
見知らぬモノや人に対して吠えることは、動物である犬にとってはふつうであり、問題行動ではありません。
それを問題行動としているのは、人間社会です。
ただ、人間社会で暮らすために不都合なのでやめさせたい。
言ってみれば、犬に、私たちの都合に合わせてもらおうとしているのです。
むしろ、お願いします、という気持ちをもってしつけに取り組み、お互いが快適に暮らせるよう努力するべきなのかもしれません。