安心して過ごせる場所ができる
わんこには「ここなら安全だ」と安心して過ごすことのできる場所が必要です。
特に、身体を囲まれた場所や狭い場所に安心感を覚える傾向のあるわんこにとって、クレートの中は、いったん気に入ってさえしまえば最高の環境です。
クレートを居心地よい場所と認識させることで、わんこは「いざというときはココがある」と安心して過ごすことができます。
外でのお留守番時や来客時に役立つ
ペットホテルでお泊まりや一時預かりを利用するとなると、多くの場合にはクレートやケージの中で過ごしてもらうことになります。
ホテルだけでなく、動物病院での入院時やトリミングサロンでの順番待ち、お迎えを待っている間など、クレートに入っていなければならない場面は意外とたくさんあるものです。
そんなとき、クレートトレーニングがしっかりとできていないと、わんこは不安で鳴き叫びつづけてしまったり、脱出しようと暴れて柵を噛み破ろうとしたり、最悪は怪我をしてしまいかねません。
また、室内外で放し飼いであっても、犬が苦手な人が家に来る場合など、一時的にクレートに入っていてもらいたい場面があります。
そんなときにも、クレートトレーニングができていれば、わんこは落ち着いて大人しく待っていることができます。
交通機関での移動がスムーズになる
愛犬との旅行は、飼い主さんにとって大きな楽しみですよね。
電車や飛行機、バスなどの公共交通機関をわんこ連れで利用する際には、わんこをクレートに入れる必要がある場合がほとんどです。
特に飛行機の場合、日本の航空会社では客室内にペットを持ち込むことができないため、フライト中はクレートに入れた状態で離ればなれになってしまいます。
ただでさえひとりぼっちで不安な貨物室の中で、クレートに入ること自体慣れていないとなると、わんこに計り知れないストレスを与えることになってしまいます。
また、車での移動についても、自家用車の場合は座席にそのまま乗せているケースも多く見かけますが、安全面でも一番安心なのはクレートに入れることです。
ドライブデビューのときからクレートを使用して、あなたの席はここだよと教えられれば、ベストですね。
災害時の拠り所になる
地震や台風などの災害時には、愛犬との避難生活を余儀なくされるかもしれません。
避難所の駐車場などで車上生活を送る例もありますが、避難所でペットの受入れをしている場合には、それを利用することもできます。
避難所のペットの受け入れ方には2種類あり、飼い主さんとペットが別々の場所で過ごす「同行避難」と、避難所内の同じ空間で飼い主さんとペットが一緒に過ごせる「同伴避難」に分かれます。
同行避難の場合には、ペット専用の避難所ではクレートに入れられる可能性が高いため、クレートに慣れていないと、より辛い思いをするかもしれません。
また、同伴避難で周りもペット連れという場合であっても、他のペットや避難者とのトラブルを回避するためや、愛犬のパーソナルスペースを確保するためには、やはりクレートに入れておけるとベストです。
クレートトレーニングのやり方
では、クレートトレーニングはどのように進めればいいのでしょうか。
絶対にやってはいけないのは、いきなり無理やりわんこをクレートの中に押し込んで、フタを閉めてしまうこと。
そうするとわんこは、クレートの中を「怖い場所」「嫌な場所」と認識してしまい、入ってくれなくなってしまいます。では、正しいトレーニングの仕方を順を追って見ていきましょう。
まずはクレートに慣れさせる
クレートを買ってきて家の中に設置したら、まずはクレートの存在自体をわんこに慣れさせることから始めましょう。
わんこは新しいものに興味津々。
自分からクンクンと匂いを嗅いで「調査」を開始するかもしれませんし、そうでない場合や警戒して近づこうとしない場合には、クレートの周りにおやつを撒くなどして近づかせ、警戒心を解かせるようにしましょう。
おやつで誘導して中に入れる
クレートの存在に慣れてきたら、中に入れてみましょう。
自分から中に入ってくれればもうけものですが、警戒心の強いわんこではそうもいきません。
その場合には、おやつで釣って誘導するなどして、クレートの中に誘い込みます。
最初はおやつだけ取ってパッと外に出てしまうかもしれませんが、おやつを与えつづける、食べるのに時間がかかるおやつを与えるなどして、クレートの中に留まった状態でいられるようにしていきましょう。
お気に入りのおもちゃや、毛布などをあらかじめ入れておくのも効果的です。
フタを閉めてみる
クレートの中に入っていられるようになったら、いよいよフタを閉めてみます。
いきなりフタを閉められると、わんこはびっくりしてしまうので、ゆっくり自然な動きで閉めて、閉めた後も外からおやつを食べさせてあげましょう。
また、わんこが嫌がったときには最初は無理強いせず、すぐにフタを開けて外に出してあげてください。
とにかく「中に入ると良いことがある」「怖い場所ではない」と教えることがポイントです。
入っている時間を少しずつ長くする
わんこが嫌がらずにクレートの中に留まれるようになったら、クレートの中に入ってフタを閉めている時間を少しずつ長くしましょう。
いきなりひとりぼっちにはせず、飼い主さんはクレートの中のわんこから見える位置にいてあげてくださいね。
「ハウス」「ハイッテ」などの指示を加える
クレートに自分から入ってくれるようにしつけるためには、「ハウス」「ハイッテ」などの指示語を教えると良いですよ。
指示に従って自分から入ってくれたら、おやつをあげてたくさん誉めてあげるのを忘れないでください。
罰として使わない
クレートがあるとやってしまいがちなのが、イタズラをしたわんこに対して「罰としてクレートに入ってなさい」と自由を奪う手段として使ってしまうことです。
しかし、これをやってしまうと、わんこにとってクレートは「悪いことをしたときに入る嫌な場所」になってしまい、入りたがらなくなってしまいます。
クレートはあくまで「自由に出入りできる安全安心な場所」であることを目指しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
社会生活を送っていく上で、いかにクレートトレーニングが重要かがおわかりいただけたかと思います。
また、愛犬にぴったり合ったクレートを選ぶことも大切です。
広すぎず狭すぎず、愛犬が快適に過ごせるクレートを見つけて、今日からクレートトレーニングを始めてみませんか?