子犬が夜泣きする原因
子犬を家族として迎え入れてから、ある程度期間がたっても夜泣きをする場合、いつまで続くのか悩む方もいると思います。しかし子犬の夜泣きには必ず原因があります。
寂しいから
子犬を飼い始めた初日は、子犬にとって新しい環境に慣れず落ち着かない状態です。今まで一緒にいた家族や自分を世話していた人から離れ、きっと心細い思いをしていることでしょう。
また犬は群れで生活する習性があるので、ひとりぼっちはとても苦手です。特に夜は物音がなく静かになるので、子犬は急にさみしくなり、飼い主さんを呼ぶために夜泣きすることがあります。
トイレに行きたい
犬はトイレをする場所や時間を自分で決める習性があります。その上、犬はもともときれい好きで、自分の居場所が汚れることをとても嫌います。
子犬がサークルやケージで寝ている場合、排泄物で寝床の近くが汚れると子犬は不快に感じ、きれいにしてもらいたくて飼い主さんを呼ぶために泣くことがあります。また、子犬が自由にトイレに行かれない場合、トイレに行きたくて夜泣きをすることもあります。
お腹がすいた、のどが渇いた
子犬は一度にたくさんの量のご飯を食べることができません。また子犬は消化が早いので、夜ご飯が早いとお腹がすいてしまうことがあるようです。
そのため飼い主さんにご飯をねだって夜泣きすることがあります。また、子犬はよく水を飲みますが排尿も多いため、のどが渇いて泣いている可能性もあります。
明るすぎる
犬の目は光の感受性が強く、明るい部屋では熟睡できません。また明るい部屋で寝かせると、犬の体内時計や睡眠のリズムが狂ってしまいます。そのため子犬は、部屋が明るすぎることを不快に感じ、夜泣きしている可能性があります。
暑すぎる、寒すぎる
子犬のうちはまだ体温調節が苦手なため、飼い主さんの方で調整してあげる必要があります。子犬にとって快適な室温は約25℃前後、湿度は40~60%と言われています。そのため、暑かったり、寒かったりすることを不快に感じ、夜泣きで訴えることもあります。
ケージに慣れていない
通常サークルやケージは、子犬にとって安全地帯を意味します。しかし、まだ環境に慣れていないうちは、不安感を抱くことがあります。
また眠るときや、留守番のときだけサークルやケージに子犬を入れることで、嫌なイメージを植え付けてしまうこともあります。ゲージなどに慣れていない子犬は「ここから出して~」、「ひとりぼっちにしないで~」と、夜泣きで飼い主さんにお願いしている可能性があります。
監修ドッグトレーナーによる補足
夜泣きの一番の原因は「不安」からやってきます。私たちも初めて行く職場や、初対面の人とお話する時、不安な感情が湧き出てきませんか?その気持ちと同じなんです。子犬も慣れない環境で知らないことや分からないことがいっぱい。まして子犬となると守ってもらいたい気持ちがいっぱい溢れちゃうんです。
原因を見つけ出すには「不安」に目星をつけて、そうでなければ別の原因を探していくと効率的に見つけだすことが出来ますよ。
子犬の夜泣きの対処法
安心アイテムを与える
子犬の夜泣き対策で、子犬がお家に来て間もない場合は、それまで一緒に過ごしていた「おもちゃ」や「毛布」などを、ケージの中や子犬が寝る場所に置いてあげると安心します。
飼い主さんに慣れている場合は、飼い主さんの匂いのついたものが近くにあると安心して眠ることができるので、飼い主さんの衣服などをベッドの下に敷いてあげるのも良いでしょう。
一緒に寝る
子犬が飼い主さんと同じ部屋で寝ることで、飼い主さんと離れることが不安になる可能性や、衛生面の問題などのデメリットもあるので注意が必要です。しかし、子犬が安心して眠れるようになり、夜泣きがおさまる場合もあります。
運動量を増やす
子犬の日中の運動が十分でないと、エネルギーが有り余ってストレスが溜まってしまいます。適切な運動量は犬種によって違いますが、子犬が散歩に行きたがる場合は毎日散歩に行ってあげましょう。
散歩は、肉体的な運動だけでなく脳の活性化のためにも必要です。心身ともに満足な運動をさせることで、夜泣きが収まることがあります。昼間の散歩で日光を浴びさせることも大事ですが、夜泣き対策として、夜間の散歩で疲れさせるのも効果的です。
ただし環境に慣れないうちは、遊ばせ過ぎて子犬が疲れてしまうケースもあるので、体調や様子をみながら、少しずつ運動量を増やしていくと良いでしょう。
子犬の夜泣きに対してやってはいけないこと
国際的動物福祉の基本である、「動物の5つの自由」を知っていますか?飼い主さんは常にこれらを意識して、犬に接することが大切です。
- 飢えと渇きからの自由
- 不快からの自由
- 痛み怪我病気からの自由
- 恐怖や苦悩からの自由
- 正常な行動を表出する自由
以上をふまえた上で、以下のことに気をつけましょう。
子犬を激しく叱りつけること
子犬の夜泣きなど、しつけはとても重要ですが、叱り方には注意が必要です。叱り方によっては、子犬が飼い主さんに不信感を持ってしまうことがあるからです。やってはいけない叱り方の例をいくつかあげてみます。
- 体罰を与える
- 大きな音を出す
- 体や口元をつかんで叱る
- 目を見つめて叱る
- 名前を呼んで叱る
正しい子犬の叱り方は、低い声でわかりやすい短い単語を使って伝えることが効果的とされています。
原因がわかっているのに対処しないこと
犬は人間と同じように、生理的、環境的、行動的、心理的、社会的欲求があります。しかし犬は、これらの欲求を自身で満たすことはできません。
飼い主さんは子犬ができる限り快適に、そして、できる限り苦痛をうけずに生活できるようにする義務と責任があります。子犬の夜泣きの原因がわかったら、放置せずにしっかりと対処してあげましょう。
子犬の夜泣きに関するまとめ
子犬の夜泣きの原因は様々ですが、なぜ泣いているのか原因を探り、きちんと対処することで解決できます。
また対処に迷ったときは獣医やドッグトレーナーなど、専門家に相談するのも良いでしょう。子犬が新しい環境に慣れて、夜泣きをすることなく、家族の一員として安心して過ごせるようになるとよいですね。
監修ドッグトレーナーによる補足
子犬が夜泣きするのはごくごく自然な行為です。人間の赤ちゃんでも夜泣きをよくします。私たちが赤ちゃんの時は同じように泣いていたんですね。そして原因が分からずに泣くこともあります。対処をしてもすぐに泣き止まないことだってあります。
泣き止まなくても対処をしてあげる行為が泣き止むための大事な要素にもなるんです。あなたが手助けをした経験は、子犬にきっと伝わります。その経験が積み重なった時に、夜泣きは止んで愛情という絆で結ばれてよりよい生活が待っているでしょう。