なぜ犬はそんなにも舐めるのか!?
犬が飼い主さんの手や顔をしきりに舐めたり、自分の体をずっと舐めていることはありませんか?犬はなぜ、そんなにも舐めるのでしょうか。
犬が舐めるのには理由があります。理由を知ることで舐める癖をやめさせることができるかもしれません。
犬が自分の手足をしきりに舐めている理由
お散歩の後や寝る前などに、自分の体を舐めていませんか?犬が自分の体を舐めるのは、体を清潔に保つための行動です。体の表面に付着したごみを取り除いたり、抜け毛の処理など皮膚の健康を保つ効果があるとされています。これは普通に起こる行動です。
ただし、お散歩後などは土や菌などが付着していたり、ダニがついている場合もあり不衛生な状態です。洗うか、ウエットティッシュなどでできれいに汚れを落としてあげれば、舐めていても心配がありませんね。
犬が舐める理由は他にも、皮膚病による痒みがある場合や、関節などの痛みや違和感を伴う疾患がある場合もそれらが気になってしつこく舐めてしまったり、ストレスを原因として必要以上に自分の体を舐めてしまう場合も。長い時間の留守番でたいくつなどの欲求不満を解消するために舐めるという行動に出てしまう場合が多いといわれています。
病気が原因の場合、それらが治っても舐め続けてしまうこともあるようなので、早めに治療を行いましょう。また、ストレスが原因なら欲求不満を解消する対策が必要です。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬が自分自身を舐めたり噛んだり、自分の体に顔をこすりつけたりする行動を「自己接触行行動」と言います。この行動は、犬がストレスを感じたり、不安定な気持ちになったりしたときに見られることが多く、叱ったり無理に止めさせようとしても逆効果です。
さらにストレスを感じたり、不安が増幅して悪化する可能性もあります。治療が必要なこともあるので動物病院に相談しましょう。
飼い主さんの手や顔をしきりに舐める理由
群れで生活していた犬は、飼い主や家族を群れのような存在と考え、仲間の体を舐めるのは親和的行動と呼ばれ、親密な関係を確認しているとされています。中でも相手の口を舐めるのは、母犬に食べ物を吐き戻してもらうためのおねだりの名残りで、甘えの意味もあるようです。
愛犬が舐めてくるのは、愛情表現の一つなのですね。我が家の愛犬たちが手や顔を舐めてくるときの様子を考えると、挨拶や愛情表現だと感じています。ただし、口元を舐めさせるのは、衛生的には控えたほうが良さそうですね。
床をしきりに舐める理由
ごはんを食べ終わった後に、何も落ちていない床を舐め続ける行動をよく見かけませんか?
これは、犬が「まだ食べたい」という欲求が満たされずに残念な気持ちを床を舐めることで紛らわしている行動のようです。ストレスや不安、緊張を緩和させるためや、退屈をしのぐためとも。癖にならないといいですが、舐められても良いように、床はいつもきれいに掃除しておきましょう。
犬の舐める癖をやめさせることはできる!?
理由がわかったところで、どのようにして舐める癖を治すのかを考えなければなりません。愛犬からの挨拶や愛情表現なのに「舐めないで!」と拒否することは私にはできませんが、舐めてはいけない危険なものもありますので、しつけが必要な場面もあります。
犬は柑橘系の香りが苦手
犬はミカンやレモンなどの柑橘系の香りが苦手だとされています。確かにうちの愛犬たちもミカンの皮をむいていると逃げていきますし、レモンの香りを嗅がせたときは表情を歪めていました。
犬に舐めて欲しくない物に、柑橘系の香りをつけておいてはいかがでしょうか。グレープフルーツのアロマオイル(精油)が効果的なのではないかと思います。
ただし、柑橘類には酸味だけでなく果糖による甘みも含まれているため、柑橘系を好む犬や、アレルギーを持つ場合もあるため、愛犬の好みや体質などを考慮してくださいね。犬の顔に霧吹きで水を吹きかける
犬がしつこく舐めている最中に、犬の顔に霧吹きで水を吹きかけてみてはいかがでしょうか。何だか可哀想な気持ちにもなってしまいますが、顔に水をかけられることが苦手な犬には効果があるかもしれません。水ならアロマオイルよりもずっと安全ですよね。
監修ドッグトレーナーによる補足
アロマはたくさんの種類があり、解明されていないところもあります。種類によっては、犬にも効果があるとされていますが、適切に使用しなければ命に関わることもあります。
濃い濃度のものを誤って舐めてしまうと、中毒を起こす可能性も。特に皮膚に直接つけるアロママッサージなどはおすすめできません。使用したいアロマがある場合は、専門家に相談すると良いでしょう。
舐める癖があると困ること
我が家のポメラニアンは、私の手を舐める癖があるのでハンドクリームなどは一切つけないようにしています。どうしても手が乾燥してヒリヒリするときは舐めても安全なハンドクリームを塗った後に、ケア用の手袋をしているときもあります。
ハンドクリームや化粧品を舐めてしまっては危険ですよね。
また、犬が自分の手足をしきりに舐める癖にも注意しなければなりません。血が出てしまうほど舐めてしまう犬もいるようで、ストレスが原因だったり、シャンプーなどの洗い残しによって皮膚が炎症を起こしているなどの可能性も考えられます。
グルーミングとしてや、愛情表現などでちょっと舐める程度なら問題ありませんが、過度に舐め続けてしまう場合は、治療が必要になるでしょう。
まとめ
犬が舐めるのには理由があります。原因や理由を知らずに「舐めないの!」と叱ったところで解決はしません。
皮膚病やストレスが原因の場合は、治療や対策が必要なこともあります。愛犬が舐め続けてしまう理由や原因をしっかりと確認して正しい対処をしてくださいね。
監修ドッグトレーナーによる補足
舐めてしまう原因をまずは確認しましょう。寂しいや退屈などのストレスから舐めているなら、しつけで改善するかもしれません。ドッグトレーナーに相談しましょう。
皮膚病などが原因なら、獣医師に相談し、適切な治療を行いましょう。過度なストレスが原因で毛がはげてしまう、出血してしまうような場合も、動物病院を受診することをおすすめします。