犬にしか聞こえない音とは?
耳がいいと言われている犬の聴覚は人間の約4倍と言われています。
耳で聞き取ることの出来る音の範囲のことを“可聴域”と言いますが、この可聴域が非常に広く
音を強く聞き取れるだけでなく、聞き分ける能力にも優れているとされています。
ある程度個体差はありますが、人間の可聴域がおよそ16~20,000Hzであるのに対し、犬の可聴域はおよそ65~60,000Hzとされています。
特に高音域の聞き取りに優れており、人間では聞き取ることの出来ない超音波や加齢とともに聞こえにくくなる高周波のモスキート音などもはっきりと聞き取ることが出来るとされています。
ちなみに、遠吠えやそれに近いサイレンは約30,000Hzとされ、犬が最も反応しやすい音(周波数)だとされています。
犬にしか聞こえない<超音波犬笛 /ホイッスル>
ドッグトレーナーや訓練士にしつけを教わった人や、実際に何らかの作業を犬とともに行っている人は犬笛によるしつけや指示を見たことがあるかもしれませんが、日本ではそう多くないのではないでしょうか?
犬笛は人間にはやや聞き取りにくいような高音域の音が発せられるホイッスルのこと。欧米など土地の広い場所で訓練を行ったり作業を行う時など遠い場所にいてもしっかりと指示が出せるようにと使われているものです。
犬に合わせて音を調整しながら指示や褒め言葉の代わりとして犬笛を吹きますが、聞き取りやすい分犬がとても集中しますし、大きな声を出す必要もないため使い慣れるととても便利なトレーニンググッズです。そんな犬笛の中には、犬にしか聞き取ることの出来ない超音波を発するタイプのものもあるため、屋外などで人目を気にせずしつけを行いたい場合などにも便利に利用できそうです。
犬にしか聞こえない<超音波アプリ>
犬にしか聞き取ることの出来ない音を出すアプリというものもいくつか出てきています。これらのアプリの利用方法としては、いたずらをした時や犬が吠えている時などに犬が嫌がるような音を発してそれをやめさせるというもの。犬を叱るのは実はとてもむずかしく、特に女性の声などでは犬に「不快・怖い」と感じさせるような叱り方をするのは容易ではありません。しかも聞き慣れている声の場合、叱られていると認識しなかったり聞き流してしまったりすることもあるので聞き慣れない不快な音を利用するのは非常に有効です。
犬にしか音が聞こえない<おもちゃ『Hear Doggy (ヒアードギー)』>
ピーピー、キューキューと音の鳴るおもちゃを犬はよく好みます。楽しそうに遊んでいる姿はとてもかわいいものですが、時には「ちょっとうるさいな…」と思うこともありますよね。子供の昼寝中や勉強中、テレビを見ている時や電話中、頭痛で高い音が苦痛に感じる時など。犬に悪気はないので怒れませんが「勘弁して!」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか?そんな時にぜひ使ってみて欲しいのは、犬にしか聞こえない音を発するおもちゃ。アメリカのトイメーカーが発売した『Hear Doggy (ヒアードギー)』は中にスクイーカーの入った動物型のぬいぐるみです。このスクイーカーが約28,000Hzという超音波を発するため、人間には聞こえず犬だけが反応するものとなっています。
犬にしか聞こえない音を使ったしつけは効果的?
このように犬にしか聞き取ることの出来ない音を使用したしつけグッズやおもちゃなどが少しずつ増加していますが、その効果についてはまだまだ未知数というところだと思います。犬にしか聞こえないとされている音が本当に犬に聞こえているのか、またどの程度の音で聞こえているのかなどについてはまだまだ研究段階にあると思います。
犬にしか聞こえない音を使って行うしつけは、どちらかというと人間側にとって利便性や快適性の高いものだと考えられますが犬にとってもより有意義なものとして発展していけば素晴らしいコミュニケーションツールにもなりうるものだと思います。