犬の目の生まれつきの病気「先天性網膜萎縮症」原因・治療方法・対策

犬の目の生まれつきの病気「先天性網膜萎縮症」原因・治療方法・対策

愛犬の避妊手術前の健康診断の時に発見された先天性網膜萎縮症という将来的に失明してしまう目の病について、自身の体験も交えて対策や心構えをお話ししていきます。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

突然の宣告

犬

それは突然の宣告でした。

我が家の愛犬(ミニチュアダックス♀)が3歳を迎えた頃に、現在お世話になっている動物病院で避妊手術を受ける為に来院した際、院長先生が何故かしきりに彼女の目にライトを当てたり、何度も目の前で手を動かしていたりを繰り返していたんです。

そして、「先日の手術前での健康診断の時に少し気になってたんですが、恐らくこの子は目があまり見えていませんね」と言われました。

確かに思い起こせば、散歩を怖がったり、時折ボール遊びをしてる最中にボールを見つけられない時がありましたが、この時は単純に個性の1つだと思っていたんです。

そして今まで通っていた病院でも予防接種のみだったので、キチンとした健康診断を行わなかったので知った時は本当にショックでした。

告げられた病名は「先天性網膜萎縮症」です。

先天性網膜萎縮症(通称PRA)とは、その名の通り生まれつき網膜細胞が萎縮し、それがどんどん進行していってしまい最終的には失明する病気です。

初期症状としては、暗い場所での散歩を嫌がるようになりますが、ほとんど気づく事ができません。

更にワンコは目よりも鼻を頼りにする事が多いので失明しても気づかない飼い主さんも多いのです。

原因について

この病気は主にダックスやトイ・プードルに多い病気です。しかも原因の内の1つは私たち人間のせいでもあります。

ちょうど彼女が我が家に来る何年か前から、ミニチュアダックスのブームが起こり、様々な種類のダックスが交配されてきました。

遺伝的に相性の悪い犬同士の交配も行われてしまった可能性があります。残念ながら、この遺伝子の存在を見抜いて交配相手を探すことは困難かもしれません。しかし、結果的にダックスやトイ・プードルの間でこの病気が増えてしまったことは事実です。

治療方法

残念な事に、現在まだ先天性網膜萎縮の治療方はありません。強いて言えば、この病気は遺伝疾患でもあるのでコレ以上増やさないよう繁殖しない事のみだそうです。

ただ、進行を遅くするサプリメントがあります。

その中で一番有名なのは「メニワンeye」です。

メニワンeye

以前も紹介した事があるのですが、このサプリメントは目の老化を遅らせてくれ血行を良くする栄養素が含まれているんです。

実際に我が家の愛犬も服用し、宣告された年令よりも長く視力を保ち、今も僅かな光程度なら認識できているようです。

対策

ワンコは元々視力が弱く鼻に頼る生き物です。だからもし宣告されても絶望的にならないで下さい…号泣した私が言える事ではありませんが(笑)

いくつか気を付ける点を除けば普段通りの生活を送れるんですよ♪ 具体的に挙げていきますと、

椅子やソファには上がらせない又は低くする

足を踏み外してしまう恐れがあるので、可能なら昇らせないよう躾けるか、もしくはローソファ等の低い物に買い換える事をオススメします。因みに我が家ではソファの足を外して使っています♪

家具の配置は変えない

家具の位置

家の中では感覚で動いているので、混乱防止のために模様替えは極力やめて下さい。

外出時は目を離さない

犬と外出

家とは違い、外は音や匂いの情報が多く集中力が落ちてしまいがちです。

そのため電柱や看板等に頭をぶつける事が多いので、飼い主さんはワンコから目を離さずにリードを上手く使うようにして下さいね。

ワンコは人間ほど、目が見えない事にハンデは感じませんが、油断をすると思わぬケガをする事もあります。

だから私達飼い主がシッカリ“目”となって守ってあげる事が大切ですね♪

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 junnko

    うちの子も同じ病気です。

    最初はショックで泣いてばかりでした。
    この薬は知らなかったです。今年13歳のトイプードルですが
    散歩は大好きで怖がらず歩いてくれるのが救いです。
    ブリーダーさんたちの意識をもっと高めて欲しいです。
    悲しむ飼い主さんと、ワンコが少なくなるように願っています
  • 投稿者

    40代 女性 ちゃみ

    うちの犬はシュナプー6歳です。去年の今頃、外で私が遊んであげていると急に体当たりしてきて、、ん?というかんじでしたがその後、家の二階の寝室を行ったり来たりするのが好きな子なのですが階段から何段か落ちる事もあり、なんだか胸騒ぎがしてすぐ行きつけの病院に連れて行き、調べたところ先天性網膜萎縮と告げられました。それから1年が経ち、ほんのすこしの影も見えなくなってしまいました。病院の先生が、この病気の後、白内障を起こすけど、そこから白内障の治療をする事もないと。 何もしてあげれない悔しさ切なさ。辛かったです。ボールキャッチを含め、出来なくなった遊びもあるけれど、、 でもお散歩大好きでドライブ大好きでとっても寂しがりやのこの子を誰よりも幸せにしてあげたい気持ちでいっぱいです(^^)
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