日本犬のしつけが難しいと言われる理由

日本犬のしつけが難しいと言われる理由

日本人と共に長い歴史を歩んできた日本犬には、洋犬とはまた違った魅力があり、柴犬や秋田犬は今や海外でも人気です。日本犬といえば、飼い主に忠実というイメージがあり、飼いやすそうな気がしますが…実は「しつけが難しい」と言われています。それはなぜなのでしょうか?この記事では、日本犬のしつけが難しいと言われる理由と日本犬のしつけのポイントをご紹介します。

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日本犬のしつけが難しいと言われるのはどうして?

秋田犬

国の天然記念物に指定されている柴犬、秋田犬、紀州犬、北海道犬、甲斐犬、四国犬の6犬種は日本犬と呼ばれ、これら日本犬の子犬たちは、コロコロとした体につぶらな瞳をしていてとてもかわいいです。そして、「日本犬は飼い主に忠実」というイメージが定着しています。その子犬の頃のかわいらしさと、飼い主に忠実なイメージが相まって、「日本犬を飼いたい!」と思う人も多いのではないでしょうか。

しかし、日本犬のしつけは難しいと言われています。このことを知らずに見た目のかわいらしさや、飼い主に忠実というイメージだけで日本犬を飼い始めてしまうと、後々困ったことになるかもしれません。

わが家には3歳の柴犬がいますが、子犬のときに初めて動物病院で健康診断を受けた際、獣医師に「柴犬を飼ったことはありますか?」と聞かれました。「実家で飼っています」と答えると、「それなら大丈夫かと思いますが、初めて飼う人には難しい犬種です。しっかりしつけをしないと、診察のたびにバトルになってしまいますよ」と言われたのを今でもよく覚えています。

どの犬種であってもしつけは一朝一夕にはいかないものですが、特に日本犬のしつけが難しいと言われるのはどうしてなのでしょうか?その理由を4つご紹介していきます。

日本犬のしつけが難しいと言われる理由

遊ぶ柴犬

①賢いから

日本犬は賢く、人をよく観察しています。そして、信頼できると認めた人の言うことは聞きますが、そうではない人の言うことは聞かない傾向にあります。つまり、人を見て態度を変えるということです。そのため、家族内の特定の人の言うことしか聞かないということもあります。

②頑固だから

日本犬は賢いため、「オスワリ」などのコマンドは比較的すぐに覚えるでしょう。しかし、頑固な面があり、気が向かないとコマンドに従わないことがあります。できるのに、やらないのです。飼い主さんが頼りなかったり、甘やかしすぎたりすると、こうした頑固な面が出てきやすくなります。

どんなとき、どんな状況であっても言うことを聞けるように日本犬をしつけるためには、相当のトレーニングが必要と言われています。

③警戒心が強いから

日本犬は警戒心が強いため、見知らぬ犬や人に攻撃的になる傾向があります。しつけをする際に大きな声で怒鳴ったり叩いたりすると、飼い主さんにすら警戒して吠えたり噛みくようになり、手に負えなくなることがあります。

④自立心が強いから

日本犬は自立心が強いため、飼い主さんへの依存度が低く、自分で考えて行動しようとする傾向が強いです。そして、コマンドに従うことに喜びを感じたり、飼い主さんを喜ばせるために自分の意にそぐわないことをするタイプではありません。こうしたことが、「しつけが難しい」と言われる要素のひとつになると考えられます。

日本犬のしつけのポイント

日本犬

「しつけが難しい」と言われている日本犬ですが、ポイントをおさえてしっかりしつけをすれば、お利口な犬に育てることができるでしょう。日本犬のしつけのポイントの中から4つをピックアップしてご紹介します。

①信頼関係をしっかり構築する

賢く、警戒心の強い日本犬は、信頼できない相手には心を開かず、言うことを聞きません。ですから、しつけをする上で信頼関係をしっかり構築することは大変重要なポイントになります。

高圧的な接し方をしたり、甘やかしていては犬と信頼関係を築くことはできません。犬の気持ちをしっかり受け止め、スキンシップやコミュニケーションを十分に取り、できたことは思い切りほめ、いけないことは叱り、信頼される飼い主になりましょう。

②一貫性のある態度で接する

犬のある行動に対して叱ったり叱らなかったりするなど飼い主さんの態度にブレがあると、犬からの信頼度が低くなるため、一貫性のある態度で接しなくてはいけません。また、食事やおやつを与えるときのルール、散歩のときのルールなどを家族で話し合って決め、そのルールを家族全員で一貫して守り、家族全員の言うことを聞ける犬にすることも大切です。

③子犬期にしっかり社会化をする

柔軟な子犬期にいろいろな人、犬、物、音に慣れさせる社会化はどの犬にとっても重要ですが、警戒心が強く頑固な気質を持つ日本犬には特に重要になります。社会化不足のまま成長してしまうと、強い警戒心から吠え癖や噛み癖がつきやすくなります。吠え癖や噛み癖がつくと、日本犬は頑固な面があるためしつけ直すのは困難になるでしょう。

④怒鳴ったり、叩いたりしない

時には、犬を叱らなくてはいけないこともあります。しかし、叱るときに感情のままに怒鳴り散らしたり、叩くなどの体罰を与えるのは絶対にやめましょう。信頼関係を崩壊させることや攻撃性をエスカレートさせることにつながります。

叱るときは、「イケナイ」「ノー」「ダメ」など一言を低く厳しい口調で言いましょう。

まとめ

柴犬

個体差はありますが、一般的にしつけが難しいと言われている日本犬。自立心と警戒心が強く、頑固という日本犬の気質は、ある意味日本犬の魅力でもありますが、しつけの面においてはマイナスに働いてしまうようです。

日本犬のしつけにおいて、何よりも大切なのは信頼関係です。まずは信頼関係を構築してから、一貫性のある態度でしつけをしましょう。また、しっかり社会化をすること、怒鳴ったり叩いたりするような叱り方をしないことも忘れてはいけません。

日本犬は賢く、飼い主に忠実です。日本犬の気質を理解し、しっかりしつけをすればきっと、最高のパートナーになってくれるでしょう。

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