2018年の干支は戊戌(つちのえいぬ)
2018年の干支は単なる戌(いぬ)ではなく、戊戌(つちのえいぬ)なのです。その理由を、干支の成り立ちから見ていきましょう。
干支について
干支とは、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせたものを言います。干は木の幹で、支は枝を意味しています。
十干(じっかん)
十干とは、古代中国で生まれた10の要素のことで、数字のようなものです。十干は古代中国の思想、陰陽五行説に基づいています。
五行説とは、万物を構成しているのが木・火・土・金・水の五元素(五行)であるとする考え方です。陰陽道は中国からきた思想であり、万物は陰と陽の2つに分けられるという考え方です。
五行に、陽を表す兄と陰を表す弟を順番に組み合わせたものが十干です。兄は「え」、弟は「と」、と読みます。
- 甲(こうきのえ=木の兄)
- 乙(おつきのと=木の弟)
- 丙(へいひのえ=火の兄)
- 丁(ていひのと=火の弟)
- 戊(ぼつちのえ=土の兄)
- 己(きつちのと=土の弟)
- 庚(こうかのえ=火の兄)
- 辛(しんかのと=火の弟)
- 壬(じんみずのえ=水の兄)
- 癸(きみずのと=水の弟)
十干は、10日の日にちを順に表したり、順位や方位を表したり、法律や契約書などの人物の略称として使われたりします。十干は、十二支と合わせて、干支(えと)として使われます。この干支(えと)は、兄弟(え・と)から来ていると言われています。
十二支
十二支は、12種類の生き物の名前の総称のことです。
- 子(ね)=鼠
- 丑(うし)=牛
- 寅(とら)=虎
- 卯(う)=兎
- 辰(たつ)=龍
- 巳(み)=蛇
- 午(うま)=馬
- 未(ひつじ)=羊
- 申(さる)=猿
- 酉(とり)=鳥
- 戌(いぬ)=犬
- 亥(い)=猪
十二支は、12年で太陽を一周する木星の、毎年の位置を示すために、天を12に分けた呼び方です。12個それぞれに、対応する動物があるのと同じように、時刻や、方角や月があります。
十二支の12の漢字ですが、これを民衆に広く知らしめて覚えやすくするために、あとから12の動物をあてはめられました。例えば、「戌→犬」といったようにです。つまりもともと、十二支は動物の漢字ではなかったのですね。
十干十二支=干支について
十干と十二支を合わせて、干支と言います。十干を甲乙、丙丁、戊己、庚辛、壬癸の五行として、十二支と組み合わせていくと、60通りの組合せができます。
全ての組合せがあるのではなく、陰同士、陽同士が組み合わされるので、五行の一方と組んだ十二支は、もう一方の五行とは組まないようにできています。例えば、戊戌(つちのえ・いぬ)はありますが、己(つちのと)・戌(いぬ)は無い、ということになります。
60通りあるので、日に当てはめれば60日、年にあてはめれば、十二支を順番に一周すると60年ということになります。カレンダーにも、干支が当てはめられ記載されたものがありますね。
還暦という、60歳を迎えた人を祝う習わしがあります。これは60年経つと、暦(こよみ)が還って生まれた年の干支に戻るので、もう一度生まれ変わって出直すという意味があるからです。
赤いちゃんちゃんこを着るのは、もう一度赤子から始めるという意味からだということです。つまり2018年の干支は?といいますと、「干支=十干+十二支」ですから、「干支=戊+戌=戊戌(つちのえ・いぬ)」ということになります。
干支の戊戌(つちのえいぬ)の意味
干支が表す意味
十干には、あてはめられた要素や方位、五行、時刻、陰陽があり、また一説によれば、植物の成長の過程を表すものであったとも言われています。
戊について
- 戊(ぼ、つちのえ)=十干の5番目
- 方位=中央
- 時刻=午前4時頃
- 陰陽=陽
戊は茂の漢字に通じるもので、勢い良く葉が茂るような繁栄を表しています。「つちのえ=土の兄」、ということから、占いでは大きな岩や盛り上がった土に例えられます。
戌について
十二支にもそれぞれにあてはめられた動物、時刻、方位、五行、陰陽、月、意味があります。
- 十二支の11番目
- 戌の方角=西北西よりやや北寄り
- 戌の月=旧暦の9月(新暦10月頃)
- 戌の刻=午後8時、又は午後7時〜9時の約2時間
- 五行=金気
- 陰陽=陽
戌の漢字は滅(めつ)で、植物でいうと、草木が枯れていく、滅び始める状態を表しているとされます。
戊戌はどんな年になる?
戊戌、漢字は、お互いにとても似ていますね。陰陽五行の意味から考えますと、十干の戊が表すものは、繁栄ということです。十二支の戌が表すものは、滅び始めるということでした。
つまり、繁栄と滅亡の相反するものがあって、どっちに行くかわからないような状態であると言えそうです。見た目が似ていても、意味するところは反対なのですね!
相反するような干支の意味合いは、打ち消しあうものではなく、互いに勢いを高め合うものだそうです。大繁栄か、大滅亡か?といった大変な年になるのではないかということです。
戌年生まれの特徴と性格
「戌=犬」ということから、戌年生まれの人には、犬の性格から、こんな特徴があると考えられます。
- 誠実である
- 勤勉で真面目、努力家である
- 我慢強い
- 上司や尊敬する人に忠実である
- ストレスを感じやすくためやすい
- 心を許した人とだけ親しくなる
犬を飼っている人には、思い当たるようなところが多い内容ではないでしょうか。あくまでも占いですので、参考までに。
戌にまつわる風習
安産
戌(犬)はお産が軽くて多産だということにあやかり、暦の上での戌の日には、帯祝いをして安産を願うというような習慣があります。また、戌の日に子作りをすると必ず授かることができる、といった話もあるようです。
縁起物、犬張子
張り子は、紙で作られた置物で、縁起物や厄除けとしても親しまれています。中でも、犬の張り子は縁起が良いとされて人気があります。理由としては、犬は安産だということはもちろん、知性、忠義を表すということ、さらに犬は子供そのものの存在だとされているからです。
犬張り子には、竹のザルをかぶったものと、でんでん太鼓を背負ったものがあるのをご存知でしょうか?竹をかぶると、竹+犬=笑という漢字になることから、子供が笑顔で無事に成長するようにという意味がこめられているそうです。
でんでん太鼓を背負っているのは、裏表のないように子供が育つようにという意味があるそうです。戌年の年賀状のモチーフとしても、よく使われていますね。
干支の戌にまつわる神社仏閣
犬の宮(いぬのみや) 山形県高畠町
犬を祀った珍しい社です。飼い犬のためにお参りに訪れる飼い主さんも多いとのこと。安産と無病息災に御利益があると言われています。
伊奴神社(いぬじんじゃ) 愛知県名古屋市
素盞鳴尊(すさのおのみこと)、大年神(おおとしのかみ)、そして名前の由来となった伊奴姫神(いぬひめのかみ)が祀られています。
武蔵御岳山(むさしみたけじんじゃ) 東京都青梅市
おいぬ様と呼ばれる狼が守り神の神社です。狛犬は、狼の姿をしています。
三峯神社(みつみねじんじゃ) 埼玉県秩父市
御眷属はオオカミで、オイヌサマと称されています。こちらはペットを連れての参拝が可能です。
見付天神 矢奈比賣神社(みつけてんじん やなひめじんじゃ)静岡県磐田市
怪物を退治したと言われる霊犬悉平太郎(れいけんしっぺいたろう)を祀っています。厄除け、災難除け、ペットの健康祈願などに、ご利益があるとされています。
潮音山(ちょうおんざん)太江寺(たいこうじ) 三重県伊勢市
この地では弘法大師が、白黒二匹の犬に導かれて高野山にたどり着いたという逸話があります。愛受院はペット専用のお寺として建立されたもので、供養、火葬を行い、霊園もあります。
法楽寺 兵庫県神崎郡神河町
豪族がかわいがっていた愛犬に命を助けられ、その犬の死後に犬を祀った伽羅(きゃら)を建てました。その後、現在の金楽山法楽寺、通称「播州犬寺」となりました。
宝積山光前寺 長野県駒ヶ根市
「霊犬早太郎伝説(れいけんはやたろうでんせつ)」
家の娘を生贄に差し出せという神に化けた怪物を、命をかけて退治してくれた早太郎という犬を供養しています。光前寺の本堂の横に、早太郎のお墓がまつられているとのことです。
ちなみに戌年の神様は大国主命(おおくにぬしのみこと)、寺院での守り本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)なのです。どちらもそれぞれ多くの神社やお寺で祀られています。実際に犬を連れて入れる神社やお寺は少ないかも知れません。犬を連れて参拝に行きたい場合は、事前に問い合わせるのが良いですね。
まとめ
干支について、戌年についてご紹介しました。戊犬(つちのえいぬ)は、西暦が始まってから、33回来ています。日本では古くから、干支から占ったり相性を診断したりする風習があります。
意味や成り立ちを知ると、干支というものの面白さが再認識されるのではないでしょうか。戊戌の2018年は、犬好きの人や犬を飼っている人には余計に、特別な年の始まりになりそうな気がしますね。
ユーザーのコメント
女性 ミルク
また、初詣に愛犬と出かけましたが、御守りにも犬モチーフのものがあったり、絵馬にも犬の絵が描いてありました。犬好きにとってはとても楽しいお正月となりました。
戌年だからというわけではないのですが、犬を飼っているお友達に教えてもらって、今年は犬連れの初詣にチャレンジもしました。市ヶ谷亀岡八幡宮では予約をすればペット祈祷をしてもらえます。私が行った日は、犬だけではなくてフェレットや亀なんかもいましたよ。
女性 エル