ドッグレスキュー!暴れん坊ジローと飼い主さんを救え!②

ドッグレスキュー!暴れん坊ジローと飼い主さんを救え!②

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『ドッグレスキュー』と言っても、僕の仕事は獣医さんの様に、犬の病気や怪我を救いに行くんじゃありません。ワンコや飼い主さんの「心のお悩み」を救いに行くこんです。今回は本気咬み柴犬のジローのお話。第2話!

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初見のジロー。

芝犬

けたたましく吠え、威嚇モードではあるのですが耳は後ろに下がり、若干および腰です。

ワンワンワン!ワンワンワンワン!ワン!

ジ「こっちに来るなよ!それ以上俺に近づくな!」

(えらく怖がってるな。それにこれは覚醒…。よっぽど何かあったんだろうなぁ…)

明らかに攻撃体制というより防御体制なんです。警戒指数MAX。周りは敵だらけ!みたいな振る舞いです。

ダイニングテーブルにご夫婦お二人で腰掛け、カウンセリングを始めます。

ワンワンワンワン!窓の外でまだ吠えてます。

(体力が有り余ってるのを自己発散しているよなぁ。吠えさせとくか…)

僕はジローに構わず飼い主さんに問いかけます。

「ジローは何ヶ月齢からお迎えになったんですか?」

「2ヶ月齢です。」

「いつ頃からこの様になりましたか?」

「1歳を境にぐらいです」

「なるほど…」

犬の成長過程として6ヶ月齢辺りで群れの順位認識が確定されます。そして警戒心が好奇心を追い越すのが6ヶ月齢から8ヶ月齢。警戒心がどんどん増すのが1歳前後から。つまり6ヶ月齢までに主従関係を作るのが理想なんですね。

ここまでで犬が自分がリーダーだと認識してしまうと自己判断で行動し始めるのです。ぴったり当てはまります。

僕は質問を続けます。

「初めて散歩に連れて言ったのはいつですか?」

「最後のワクチンが終わったからですから…。4ヶ月齢後半だったと思います。」

「それまで外には出さなかったんですね?」

「はい。抱っこしてはあります。」

「その間、室内で何かしつけやトレーニングなどはされてましたか?」

「いや…。これといって。しつけをしてたといえばしていた様な感じですね。」

これは皆さんよくある、あるあるパターンですね。
犬の生涯で一番重要な時期。それは社会化期。生後8週齢から12週齢の間を言います。

人間でいうところの『義務教育期間』の様なものです。今の業界システムでは完全に無視されている事実ですが、このことにはあまり触れないでおきましょうね。

犬は社会化期に経験、吸収した事を生涯の指針にします。つまり性格や思考回路などがこの時期、ほぼほぼ決まるんですね。この時期何も教育せず、ワクチンが終わるまで籠の鳥ならぬ、「籠の犬」状態はとても飼い主さんにとって不利な状況を作り上げているんです。

如何に社会化教育が大切なのか。

赤い服の犬

対人間、対犬、対物。これら森羅万象全てにおいて人間社会で生活するにあたって危険なものと安全なものを覚えさせてあげる。そうすることによって犬は『自信に満ち、動じる事のない』より人間社会を理解し、社会に溶け込もうとするんですね。

人間でも中学校入学辺りまで、ただ毎日食べて寝ての生活をしていて、体は大きくなっていきますけど、引きこもった状態で世間のことは全く知らず、いきなり家で勉強をすることを強要され「はい!文字の勉強しようか!」「さぁ、九九を覚えましょう!」「社会見学に行くよ!」と言われても困惑することはあってもすんなり受け入れることはできませんよね。

僕は質問を続けます。

「最初にジローに咬まれたのはどなたですか?」

「はい、長男です。室内にジローと居るときにいきなりガブッと…。」

「ほー」

「じゃれ遊びをしていて急に手を…」

「それはジローの上位者行動ですね。」

パピーの頃のじゃれ遊びは、どんな場合でも飼い主さん側が勝って終わるほうが望ましいんですね。甘噛みもそうです。

人間の子供ならわざと負ける事も効果的かも知れませんが、犬は違います。何もコテンパンにとか暴力的な意味では無く、最後は押さえ付け動きを封じてから「はい!終わりー♪」と終わるとかそういう意味です。

「ジローの本気咬み行動がひどくなったキッカケって思い当たることはありますか?」

「はい。思い当たるのは3ヶ月ほど前のことでしょうか、散歩中にご近所の秋田犬に襲撃されたことがあるんです。ご近所の玄関門扉がたまたま空いていたらしく、庭飼いしていた3匹の秋田犬が家の外に出て、主人とジローを取り囲み‥。乱闘になったんです。主人も飛びかかられて応戦していました。 ジローは一番大きな秋田犬と激戦を闘ったみたいです。主人を守ろうと必死だったみたいでした。」

「えー!ご主人とジローに大きなお怪我は無かったんですか?」

「はい、幸い助かりました。大型秋田犬とジローは五分で一歩も引くことなく突っかかり、やり合っていましたね。」

「怖かったでしょう?」

「はい。さすがにもう終わったと思いましたね」

「大事に至らなくて何よりでしたね」

「はい…。」

(これは明らかにその時ジローの中の防御本能がが超覚醒したんだな…。うーん…。)

対峙

赤い服の白芝

一通り質問が終わり、僕はジローと向き合うためにウッドデッキに出ました。
(大変な思いをしたなジロー。俺は敵じゃないよ。安心しな。)

ジローの耳は下がり、尻尾は落ち、3歩4歩と後退りします。低い姿勢で上目遣いでグルル〜と低い声。僕は刺激を避け、ジローの目を見つめないで近寄ります。

(オヤツでも反応するかな?)
僕はオヤツを手に取り手のひらに乗せてみました。
するとフツーに食べてくれます。
(いい感じ♪)

ペタッと床に座り込み、反応を見ます。やはりジローは気になるのかクンクン嗅ぎに来ます。
(お、鼻を使ってるな♪悪いエネルギーは出てないなぁ。逆に人懐っこく感じる。でも苛立ちは隠せないな。)

数分間、そのままで目を合わさずジローの動きを観察することにしました。
(このままだと良いんだけどなぁ…。先にご家族の恐怖心を薄めないと…。)

僕はそっと立ち上がり、室内に戻りました。ご家族の気持ちを慮ると…。

飼い主さんに問いかけました。

「やっぱり怖いですか?」

「…。はい…。近寄れないです。」

「解ります。でもこの先まだ十数年ジローと過ごすでしょう。焦らずコツコツやりましょう。で、どれぐらい散歩には行かれていませんか?」

「もう3ヶ月以上、行けていません。スキンシップなんか怖くて怖くて。、」

(ですよね。ジローは思い切り自己発散してますもんね。)

「次回訪問より、本格的にジローのリハビリテーションを始めますね。では今日はこの辺で失礼致します。」

ワンワンワンワン!ワンワン!

まだ吠えています。かれこれ1時間(笑)

初日1時間はほぼカウンセリングメインになってしまいました。
この時は僕もまだ次回訪問時に起こる事故のことなんか何にも頭にありませんでしたから。

つづく…。

ジャックと猟犬

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